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デジタルマーケティング活動における時間節約術

公開日:2023/11/20

岩岡博徳(いわおか・ひろのり)

デジタルマーケティングの取り組みは、ビジネスの成長を支える大切な武器となります。しかし、多くの企業が時間とリソースの制約に直面しています。ホームページリニューアル、ブログ作成、動画制作、ネットショップ運営といった各活動で効率的に時間を使い、ビジネスをさらなる高みへと導くための具体的な手法を、このコラムでご紹介します。

現場で直面するデジタルマーケティングのジレンマ

デジタルマーケティングは一見、手が届かないものに感じられるかもしれません。SEO、コンテンツマーケティング、SNSマーケティングなど多岐にわたる活動は、確かに多大なる機会を提供していますが、それぞれが専門的な知識を要求し、実施には時間とコストがかかります。特に中小企業においては、限られたリソースと予算の中で、どの活動に焦点を絞り、どの部分を優先すべきかが、頭を悩ませるポイントでしょう。テクノロジーの進化も止まることがなく、そのスピードにビジネスが追いつくことは容易ではありません。新しいツールやプラットフォーム、アルゴリズムの変更など、常に変化するデジタルマーケティングの手法は、企業にとって時間を効果的に使うことの重要性を高めています。

人的リソースと時間は有限であるため、戦略的な視点が重要

マーケティング担当者として、多くの活動を同時に進めることの難しさを感じていらっしゃる方も多いことでしょう。ホームページのリニューアル、ブログの定期的なアップデート、動画コンテンツの制作、オンラインショップの日々の運営…これら全てが企業にとって重要な活動ですが、それぞれが多くの時間と専門的なスキルを要求します。特に中小企業では専門的なスキルを持ったスタッフが少ないため、一人が多くの役割を担うケースが多いのではないでしょうか。これらの活動を効果的に進めるためには、どの活動にどれだけの時間と人的リソースを割くか、戦略的な視点が必要となります。

各アクティビティにおける具体的な時間節約術

ホームページのリニューアル:効率的なアプローチでブランドをリフレッシュ

ホームページは企業の顔とも言える存在です。リニューアルは新しい印象を顧客に与え、ビジネスをリフレッシュするチャンスとなります。テンプレート利用は、中小企業にとってコストと時間を大幅に削減する手段です。高品質なウェブテンプレートを利用することで、プロフェッショナルなデザインを手軽に導入でき、開発時間も短縮されます。コンテンツの再利用や専門性の高い制作会社に外注も視野に入れ、内部リソースを他の重要なタスクに集中させることができます。

ブログ作成:コンテンツマーケティングの効率化

ブログは、企業や商品への想いや価値を伝え、SEOにも寄与する強力なツールです。そのため、 ブログの投稿日時や内容などをまとめたスケジュール表(コンテンツカレンダー)を作成することで、計画的な作成ができ、一貫したコンテンツ制作を可能にします。複数の記事を作成し、予約投稿をすると良いでしょう。また、ユーザーからのコメントを活用してレスポンスしたり、転送したりすることでコンテンツ制作の負担を軽減することができます。

動画作成:シンプルかつ効果的なビジュアルコンテンツ

動画コンテンツは、情報伝達の効率とエンゲージメントの向上に優れています。例えば、ストックビデオ(有償・無償で提供されている動画素材)の利用は高品質なビジュアルを低コストで提供し、オリジナルコンテンツの制作負担を軽減します。また、動画編集テンプレートの使用は、ブランドの一貫性を保ちながら編集時間を削減します。シンプルなフォーマットを採用し、メッセージ伝達に集中します。

ネットショップの運営:スムーズなオペレーションで顧客体験を向上

ネットショップの運営では、システムの自動化とデータ利用が鍵となります。
在庫管理システムの自動化は、在庫の追跡と更新を自動化し、オーダー管理をスムーズに行います。カスタマーサポートのオートメーションでは、チャットボットやFAQセクションを利用して、顧客からの基本的な問い合わせに迅速に対応します。
マーケティングオートメーションは、顧客とのコミュニケーションを自動化し、パーソナライズされたメッセージを送信します。Googleアナリティクスの活用により、販売データを分析し、効果的なマーケティング戦略や商品ラインナップの最適化を図ります。

これらの具体的な解決策を通じて、限られたリソースでもデジタルマーケティングが最大の効果を発揮できる道を切り開く手助けとなるでしょう。
また、デジタルマーケティングに時間を割く上で今の業務のまま追加で行うのではなく、同時に業務全体を可能な限り作業効率化することも大切です。

コラムニストプロフィール

岩岡博徳(いわおか・ひろのり)

1973年生まれ。横浜市立大学商学部経営学科卒業、東京都立大学大学院経営学修士(MBA)。中小企業診断士、ITコーディネータ、東洋大学大学院経営学研究科特任教授。総合電機メーカー系商社で経営企画などに従事し、2004年に経営コンサルタントとして独立開業、2008年に法人化し代表取締役に就任した。自社でのマネジメント改革を通し、ITによる業務効率化や事業計画策定、PDCA型マネジメント導入を得意とする。現在は事業承継を行い、省庁や都県等の公的機関、金融機関を通して数多くの中小企業支援を行っている。