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アクセス解析を活用したWebサイト改善

公開日:2023/08/01

藤原哲史(ふじわら・さとし)

「Webサイトからの問い合わせがなかなか増えない」「サイト改善って、何をすればいいか分からない」などの悩みを持つ、Webサイト運用初心者の方向けに、アクセス解析の基本を解説していきます。

アクセス解析とは

Webサイトは一度公開したら終わりではなく、新しい情報を追加したり、既存のページに変更を加えたりしながら運用していきます。ただし、思いつくままに手を加えれば成果が得られるというものではありません。そこで「アクセス解析ツール」を導入してWebサイトの状況をチェックしながら、課題を抽出し、改善策を考えていきます。この「現状分析→課題抽出→改善策の考案」という一連の流れをアクセス解析といいます。現状分析(Webサイトの状況をチェック)のみに留まらないということを覚えておいてください。

継続的な業務改善に関して、PDCA(【Plan:計画】→【Do:実行】→【Check:評価】→【Action:改善】)サイクルを回すという言葉をよく聞くかと思います。Webサイトの運用も同様です。計画、実行してそこで終わってしまい、また何となく次の計画・実行を実施しているだけだと成果がなかなか出にくいものです。実行したことを、分析・評価して改善策につなげる、すなわちアクセス解析を活用してPDCAサイクルを回すことで、成果が出るようになってきます。

アクセス解析に必要なツール

アクセス解析を行えるツールは多種多様ありますが、初心者の方でも使いやすい解析ツールとして、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの2つを取り上げます。

Googleアナリティクスは、アクセス解析の代表的なツールであり、皆さんにとっても馴染みがあると思います。実際、私が中小企業のWebサイト活用や改善で相談をいただく中で確認すると、9割以上の会社でGoogleアナリティクスが導入されています。一方Googleサーチコンソールが導入されている会社は約半数という状況です。

しかし、両方のツールとも、導入されているけどログインして画面を見たことがない、活用方法が分からない、といった声を聞くことが多いのも事実です。そこで、概要と活用方法を紹介していきます。

Googleアナリティクスとは

Googleアナリティクスは、Webサイトのアクセス状況を分析できる無料のツールです。Googleアナリティクスを導入すると、サイトに訪れたユーザーはどんな人かという「属性データ」や、サイト内でどんなページを見て、どんな行動をしたかという「行動データ」を取得し、記録してくれます。そして記録した情報を集計して分かりやすく表示してくれます。具体的には下記のようなデータを見ることができます。

メニュー概要
ユーザー属性国、市区町村、年齢、性別、インタレストカテゴリ(興味分野)
テクノロジー
(ユーザーの機器の環境)
デバイス(パソコン、モバイル等)、OS(Windows、Macintosh、Android、iOS等)、ブラウザの種類(Chrome、Edge等)、画面の解像度
集客
(どこから流入してきたか)
メディア(自然検索、広告流入、SNS経由等)、参照元(google、yahoo、Facebook等)
エンゲージメント
(ユーザーの操作状況)
イベント(ページの閲覧、ページ下部までのスクロール、動画再生等)
コンバージョン(ユーザーによる目標達成の数、発生日等)
ページとスクリーン(各ページの表示回数、ユーザー数、平均エンゲージメント時間等)

Google アナリティクスで分かることをまとめると、①「どのような人」がサイトを訪れているのか、②「どこから」サイトを訪れたのか、③「どのページ」を見ているのか、④「問い合わせや資料請求などの目標」が達成されたか、そして①〜④は、特定の期間においてどのくらいの人数であったか、ということです。これらの情報を元に、Webサイトの現状の問題点に対する改善策を考案して実行し、改善策の評価を行い、さらに次の改善策を実施していく流れになります。

例えば、冒頭の「問い合わせが増えない」という問題点があるとします。この場合、仮説としては「Webサイトのアクセス数がそもそも少ない」のか、アクセス数は十分にあるが「ユーザーが問い合わせ行動に至っていない」のかということが考えられます。そこでGoogle アナリティクスのレポートを見ると、「アクセス数」については、期間を区切ったり、過去と比較したりと多面的に把握することができます。また、「問い合わせ行動に至っていない」原因については、「問い合わせページに到達していない」のか、問い合わせページに到達しているが「問い合わせフォームへの入力を完了していない」のか、と掘り下げることが可能です。このように仮説を検証することで、課題を発見し、改善策の実施に役立てることができます。

【注意事項】
Googleアナリティクスの現行バージョンは「GA4(ジーエーフォー)」と呼ばれるものですが、今だに旧バージョンの「UA(ユニバーサル・アナリティクス)」のままのWebサイトが見受けられます。2023年7月1日からは、「UA」にはデータが送られなくなっているため、「GA4」への切り替えが必須です。また「GA4」を活用するには、いくつかの初期設定も必要になります。
切り替えも設定もそれほど難しい作業ではありませんので、最新の書籍やWeb上の情報を収集して、取り組んでみてください。

Googleサーチコンソールとは

Googleサーチコンソールは、Google検索におけるWebサイトの掲載順位を管理、改善するのに役立つ、無料のツールです。先ほど解説したGoogleアナリティクスが自社のWebサイトに「アクセスした後のユーザー行動」のデータを取得して可視化するのに対し、Googleサーチコンソールは自社のWebサイトに「アクセスする前のユーザー行動」のデータを取得し可視化できるツールです。

Web上で情報を探す場合、検索エンジンにキーワードを入力して情報を探すことになりますが、検索エンジンは、入力されたキーワードに関連するサイトを検索結果としてユーザーに表示します。Googleサーチコンソールを利用すると、自社のWebサイトがどのようなキーワードで検索されて表示されるのかが分かるようになります。このデータを活用することにより、サイト改善はもちろん、見込み客のニーズを探ったり、必要なコンテンツを把握したりすることも可能です。以下に代表的な機能を紹介します。

メニュー概要
検索パフォーマンス自社のWebサイトの平均掲載順位、合計表示回数、合計クリック数、平均クリック率、検索クエリ(ユーザーが検索した語句)の確認等
インデックス作成
(Webサイトが検索エンジンのデータベースに登録されること)
Webサイトの構造をGoogleに伝えるためのサイトマップファイルの送信、インデックス登録状況の把握等
セキュリティと手動による対策Webサイトが抱えているセキュリティの問題や、Googleからペナルティを受けていないかの確認等
リンク内部リンクの数やページURL、他のサイトからのリンクの数やページURL、被リンク元サイトの確認等

Googleサーチコンソールでは、Google検索エンジンにおけるWebページの「掲載順位、表示回数、クリック数、クリック率、検索クエリ」などを確認できます。Webサイトを運営する目的として、認知の拡大、商品の販売などが挙げられますが、目的を達成するためには、検索エンジン経由でユーザーの流入を獲得することも必要です。

例えば、「Webサイトへの検索流入数が少ない」という問題があるとします。この場合、仮説としては「検索上位に表示されていない」のか、上位表示はできているが「クリックされていない」のかということが考えられます。そこでGoogleサーチコンソールで検索パフォーマンスを見ると、「ユーザーがどのキーワードで検索したか」とか、「どのキーワードで何位に表示されているか」とか、「実際にWebサイトへのアクセスに結びついたキーワードは何か」などを確認できます。このように仮説をデータで検証することで、改善策の実施に役立てることができます。

今回の記事では、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの活用方法を中心に、アクセス解析の基礎知識とWebサイト改善の考え方を解説しました。アクセス解析ツールは、ユーザーの行動を可視化し、Webサイトの改善につなげるために不可欠なツールです。Webサイト改善のためのアクセス解析に興味を持たれた方は、ぜひ各ツールを試してみてください。

コラムニストプロフィール

藤原哲史(ふじわら・さとし)

中小企業診断士、ITコーディネータ。出版社、広告代理店・制作会社にて企画・編集・制作業務に携わった後、2019年に株式会社クレビスを設立。現在、企業のマーケティングコミュニケーション活動(Webマーケティング、ブランディング、広告宣伝、販売促進、広報/PR)の戦略立案・実行・改善の支援に従事している。