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製造業

事例集07:自社製品の用途と強みを捉え直し、オンラインで発信

2023/03/31

株式会社高田製作所

Q 貴社の事業について教えてください。

A

当社は電源切替器の設計・製造・販売を行っております。常用の電源を監視し、災害などによる停電の際に非常用電源に切り替える設備に採用されております。取引先は大手バッテリーメーカーや通信会社などになります。近年、IT業界でのニーズが拡大しており、サーバーの電源を高速で切り替え、瞬断させない技術に高い評価をいただいております。

※写真 取締役 経営企画室長 高田 義之

株式会社高田製作所 取締役 経営企画室長 高田 義之

Q デジタルマーケティングに取り組んだのはいつ頃からですか?

A

デジタルマーケティング導入前の新規受注は、既存顧客からの紹介や電話でのお問い合わせが中心でした。長いお付き合いの顧客様からは、今でもFAXで注文をいただいています。

しかし、2020年のコロナ禍で訪問営業ができなくなり、電話やオンラインでの商談に移行しました。これを機に代表がデジタル化への取り組みを打ち出し、生産体制を効率化してリモートワークも推進しました。Webサイトもリニューアルしています。

また展示会においては、リアルでの開催が中止になったため、オンライン展示会にも出展するようになりました。

両手に乗るほどの小さな製品から、ビル一棟の電源を切り替える大型製品まで幅広いラインアップ。BCP対策としても注目されている。

Q 公社に相談した経緯と内容を教えてください。

A

2020年からDX推進において公社の支援を受けていました。その後、DMでオンライン活用型販路開拓支援事業の案内を受け、すぐに相談しました。こうしたサポートがあると、オンライン展示会出展の際に戦略が立てられますので非常に助かります。

2022年7月からハンズオン支援がスタートしました。その時点で、ハイブリッドで開催される防災分野の大規模展示会への出展が決定していたので、アドバイザーには展示会の前後にやるべきことと、効果を最大化する方法などを相談しました。

Q 専任アドバイザーによるハンズオン支援は、どのようなものでしたか?

A

スタートは「展示会コンセプトシート」への記載からでした。このシートは、展示会出展にあたり、どんな企業やどんな方に出会いたいか、その方の悩みや課題はどんなものなのか、どんなコンセプトのブースにして製品をどう見せるかを整理するためのフレームワークです。

さらに、「ターゲットは?」「今回の展示会テーマとどう関係する?」などの切り口から製品を捉え直し、いただいたシートをコピーして出展する製品ごとに記入した後、用途に応じてグループ化しました。するとそれぞれの共通点が見え、キーワードも明確になりました。今までは製品のスペックを前面に打ち出して、使い方はお客様にお任せするかたちになっていましたが、「使い方の提案」にシフトすることにより、防災というテーマに沿った製品のラインアップを固めることができました。

以前はBtoBのECモールにも出店していたが、費用対効果が見合わず撤退。高額で耐用年数が長い製品を扱うため、より長期的なマーケティングが向いていると助言された。

Q デジタルマーケティングへの取り組みについて教えてください。

A

現在、この展示会用の特設サイトを制作中です。加えて、オンライン展示会から自社サイトへ誘導し、お問い合わせにつなげるためのランディングページも制作する予定です。また、展示会のテーマに合わせたコンテンツも作成し、随時更新していきます。

今回の支援で動画制作の専門家にレクチャーを受ける機会もあり、早速、展示会場で流す動画も制作しています。通常業務をこなしながらの作業ですから、スケジュール調整には苦労しています。デジタルマーケティングは今後も推進していくつもりですから、専門部署の立ち上げも検討中です。

Q デジタルマーケティングの成果について教えてください。

A

デジタル化に対する社内の雰囲気や姿勢が変わってきたことが一番の成果です。デジタルマーケティングへの取り組みは、ひとりの力では難しく、すべての社員が情報を共有しながら進めていくものだと思っています。展示会で得たデータは各セクションで共有し有効活用していきます。

業界での知名度は高い。写真は2系統電源が準備された状態において系統間の切り替えを無瞬断(10μsec以下の断時間)で切り替える装置。

Q 今後の展開について教えてください

A

まずはアドバイザーと一緒に準備してきた展示会を成功させたいです。目標は会場で100名の名刺をいただくこと、オンラインでは500名分のメーリングリストを作ることです。今後はこのリストの企業様にSNSやWebサイト更新のお知らせをお送りしていきます。アドバイザーからは、当社のような数年から十数年おきと交換頻度の少ない製品を扱う企業は、新規投資や故障などのタイミングでお客様に思い出してもらうことが重要だというお話をいただきました。デジタルマーケティングの効果が出るまで1年以上かかることもあるそうですが、粘り強く定期的に情報発信を続けていきます。

また、今後は特にSNSの活用に取り組みたいと考えています。専門家のレクチャーを活かし、動画コンテンツも投稿していく計画です。SNSは若年層の利用率が高いため、リクルーティングへの効果も期待しています。

当社の製品はさまざまな分野において、なくてはならない存在です。デジタルマーケティングで新たな分野のお客様と出会うのが楽しみです。

取締役 経営企画室長 高田 義之

「電源に関する製品は多くの分野で必要不可欠。デジタルの力で新たなお客様と出会い、新製品開発にも活かせればと思います。」

企業情報

企業名株式会社高田製作所
所在地東京都文京区本駒込6-1-10
設立創業1919年5月(会社設立は1950年5月)
事業内容切替器、直流コンタクタ、電源装置、制御盤の設計・製造・販売/ソーラー&蓄電池システム、LPガス発電機の販売
資本金2000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません