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集客力のあるホームページの作り方(2)

公開日:2024/05/13

原田隆治(はらだ・たかはる)

前回の(1)に引き続き、集客力のあるホームページの作り方について取り上げています。今回は、具体的なキーワード選びやホームページの記事作り、そしてホームページ内での導線についてお伝えいたします。

キーワード選びとコンテンツの作り方

前回見てきたように、現状における検索ワードによる集客の状況やサイトに来てからのユーザーの行動をおおまかに把握できたら、次にどういった方針で集客力を高めていくのかを検討していきます。
SEO対策と呼ばれるものにはかなり多くの施策が存在しますが、最も基本的で実行の優先順位の高いものが、「タイトルとディスクリプションの改善」と「検索キーワードに応じたページの制作」と考えます。今回はその2つに絞ってご説明していきます。

タイトルとディスクリプションの改善

タイトルとディスクリプションとは、Googleなどの検索結果一覧のページに表示される、大きな文字のページの名前(タイトル)と小さな文字のサイトに関する説明文(ディスクリプション)のことを指します。たまに、自社サイト内の全ページが同一のタイトル・ディスクリプションで設定されてしまっているものもありますが、必ずページごとにそれぞれ変えるようにしてください。タイトルの重複はGoogleによる評価を下げます。
そしてその内容は、タイトルであればページの内容を端的に表した短いワードで、かつ狙って取っていきたい検索ワードを1つか2つ程度盛り込むと良いでしょう。PCであれば表示される文字数は頭から29文字までなので、その中に重要なキーワードをなるべく前の方に盛り込みます。
ご自身で何か検索をしたとき上位に表示されるサイトのタイトルを見て、例えば「【2024最新】**とは?その基本的な・・方法・・|●●の□サービス」のような構成になっているものを目にすることがあるのではないでしょうか。【 】は他のサイトとの差別化のために短い文字数で使える記号で、**が検索されたい最重要ワード、そして「基本的」「方法」が「**」とセットで検索されやすいワード(サジェストキーワードと言います)として盛り込んでおり、「|」以降がサイトの運営者紹介、という構成です。この通り作る必要はないのですが、ご参考まで。ただ、キーワードを入れた方が良いからと、脈絡なく多くのワードを入れたり単なる名詞の羅列を行ったりするのはNGです。

また、説明文にあたるディスクリプションですが、実はその内容による検索順位への影響はありません。ですが、検索結果に表示された場合のクリック率には大きな影響を及ぼします。ディスクリプション内にユーザーの悩みをズバっと解決してくれそうな魅力的なフレーズやキーワードが盛り込まれていれば、上や下に表示されているライバルサイトに比べ多くのアクセスを集めることも可能になるのです。PCであれば、検索した語句がディスクリプション内に含まれていればその文字が太字になるので「自分が探している情報が見つかりそうなサイトだ」と思ってもらいやすくもなります。スマホで表示される70文字程度を目安に、ページの内容と齟齬が出ないよう気をつけながら、様々なキーワードを盛り込んでおくと良いでしょう。

検索キーワードに応じたページの制作

そしてもう1つの基本的で重要なSEO対策が、「検索キーワードに応じたページの制作」となります。自社の商品サービスのお客さんになってくれそうな人が検索しているキーワードを見つけ、さらにそのキーワードのサジェストキーワードを記事の中に盛り込みながら、よりピンポイントにユーザーの持つ悩み事や調べものに対応するページを制作します。つまり、毎回テーマをある程度絞ったコラムを1回1ページ定期的にアップしていくということです。

大まかな流れは以下のような手順になります。

  1. 自社のお客さんになりそうな人が検索しそうなキーワードをリストアップ。例えば靴修理店であれば靴の「ブランド名+修理」でワードをたくさん挙げます。
  2. Googleのキーワードプランナーでキーワードごとの月間検索ボリュームを把握し少ないものを削除します(例えば1000未満)。
  3. ラッコキーワードという無料ツールで、選んだキーワードのサジェストキーワードを検索し、ユーザーがどのような要望を持って検索しているのかを想定します。靴修理店であれば、「ビルケンシュトック 修理」のサジェストキーワードは地名以外では「コルク」というワードが上位になります。これは恐らく靴底が減り過ぎてコルクまで削れてしまっている状態での修理可否を調べているのでは、と推測できます。
  4. そのユーザーの調べたいことを解決できるコラムを作成します。できればタイトルやコラム内に「コルク」というワードを組み込み、さらにサジェストキーワードで出てきた「料金」や「サンダル」「靴底」「持ち込み」といった、本筋の文脈を壊さず入れられそうなワードも可能な範囲で入れておきます。
  5. さらにより分かりやすく伝えるために、リンク付きの目次を付けたり、可能な限りオリジナルの画像や図を、もっと欲張れば動画を掲載したりします。

ただし、もっとも重要なことは、記事がしっかりした内容で本当にユーザーの役に立つ、ということです。うわべだけキーワードを盛り込んでみても記事の内容が薄っぺらなものではGoogleからの評価は上がりませんので、本質的な部分は皆さんの業務知識からアウトプットするよう、お願いいたします。

ホームページ上のゴールへの導線づくり

そして自社サイトに様々なコラム記事などを通し、一般ワードによる検索を中心に自然流入が増えてきたら、そのアクセスをいかにコンバージョン(CV、サイトにおけるゴールのことで、ECでの購買やサイト経由でのお問い合わせ、資料ダウンロードなどを指します)に繋げるか、導線設計が必要になります。

考え方として、流入(ランディング)するページとゴールとなるページを決め、そのギャップを埋めるには途中ページも含めどのような情報が必要なのか、という全体の流れを作っておくことが重要です。仮に流入するページが多数のコラムページだとすると、辿り着いたページの1コラムだけを読んで離脱するというケースが多くなり、最終的に購買やお問い合わせまで至ることは少ないはずです。しかし、ユーザーは何らかの事情で困っているはずなので、次に読んでほしいページを作ってそこへ誘う導線を作り、最終ゴールのページまで繋がる設計がされているかどうかで動きは変わってきます。
例えば、料金の目安について書いたコラム記事の文中には料金一覧ページへのリンクを入れる、コラム記事の最後に必ず問い合わせフォームへのリンクを入れておくなどです。ゴールとなるページへのリンクは常時表示されるようにしているサイトもあります。

また、流入から2番目に見られるページがトップページというケースも多くあります。なので、トップページが全ページのハブとして分かりやすく整理され、ナビゲーションやハンバーガーメニュー(ページ上部にある横棒3本などで表現されるメニューボタンのこと。通常タップやクリックをすると中身が表示されます。横棒線がハンバーガーのバンズやパテのようなのでそう呼ばれます)でサイト全体を俯瞰できるようにし、次のページへとつなげられているかも重要となります。

こうした導線づくりについては、サイトによってケースバイケースなのでサイト内の行動をしっかり分析することが非常に重要です。サイトに手を加えるビフォーアフターでユーザーの行動に変化が起きたのかを常に確認しながら打ち手を重ねていくことが大切なことになります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
SEO対策に積極的に取り組み、日々の効果検証を前向きに楽しみながら、自社ホームページを活性化させ集客力を上げ、そして売上や問合せへとつなげていただければ幸いです。

コラムニストプロフィール

原田隆治(はらだ・たかはる)

中小企業診断士。ダイレクトマーケティングに強い大手出版社にて25年、通信販売(カタログ・Eコマース)事業やマーケティング活動に従事。TVCMやLINEなどSNSの企画、新規事業開発、スマートホンアプリ開発、読者イベント開催など歴任。現在は中小企業の販促、営業等を中心とした支援を行っている。