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WEBサイトで販路を開拓・拡大したい企業が見逃しがちな活動10選(2)

公開日:2022/07/26

岩岡博徳(いわおか・ひろのり)

前回に続き、販路に悩む企業にありがちな「ついつい見逃してしまう活動」についてご説明します。

ケース3.アクセス解析を見逃している

販路開拓・拡大に向けた活動をすると、気になるのはその効果でしょう。一般的にインターネット以外の従来の広告を使った販路活動では、それがどれだけの効果があったのか効果を測定するのは非常に困難でした。しかし、インターネットの世界では効果測定が可能です。

具体的には、WEBサイトやSNSにアクセス解析ツールを設置することで可能になります。実際に無償であるグーグルアナリティクスを設置している企業も多いようです。

このアクセス解析により、WEBサイトやSNSをどのくらいの人がどのページをどのタイミングでどのくらいの時間を使って閲覧してくれているのか定量的かつ正確に把握することができます。このデータを使えば、WEBサイトやSNSの更新する時の参考にもなります。

少なくとも告知が「見られているのか、いないのか」「見られていても問い合わせや受注につながらないのか」現状が分析できます。このことがわかるだけでも、WEBサイトやSNSのアクセス上に問題があるのか、WEBサイトにアクセスしてもらったけど、そのコンテンツに問題があって受注に至らないのか、そのボトルネックを見定めることができます。

一方、「グーグルアナリティクスを設置しているけど、ほとんど見ていません」といったケースが多々あります。また、アクセス解析の結果を見ずに有償であるPPC広告(PayPerClick。クリックされるたびに広告費が発生する仕組み)を打つべきかどうか悩んでいたりします。PPC広告はWEBサイトやSNSに来てもらうところに問題がある場合に有効なツールであって、WEBサイトの回遊に関する問題には有効ではありません。

このようなこともアクセス解析を使って、問い合わせや受注が少ない原因を突き止めることで無駄な広告経費を抑えることができます。まずはアクセス解析をしっかり見てほしいところです。

ケース4.WEBサイトを「自社で制作したら」という観点を見逃している

WEBサイトやランディングページを作成する際に、自社で制作するか、専門業者に外注するかは悩むこともあるでしょう。一般的に自社で制作するとデザイン力や構成力に乏しくなることが多く、魅力的なWEBサイトを制作するにはハードルが高いものです。

それでは、専門業者に外注するほうが良いということになりますが、ここで注意しなければならない点があります。それは「誰に」(どんな顧客に)、「何を」(顧客にとってどんな魅力的な製品やサービスを)伝えたいのか、明確にしないままにWEBサイト制作の依頼をすることです。

これらを決めないまま、「魅力的でかっこいいWEBサイト、ランディングページを作って下さい!」という依頼をして「こんなはずではなかった」というケースは多々あります。「こんなはずではなかった」ということになれば外注費が高くついたと感じやすくなりトラブルになったり専門業者との信頼関係を失うことにもつながります。また、外注で制作されたものは愛着を持てずにアップした後にほとんどブラッシュアップせずそのまま放置になってしまうことも多くなります。

従って、専門業者にこのような丸投げをするのではなくまずは「自社で制作をするとしたら」という観点で十分に検討した上で専門業者に依頼し、完成後においても常にブラッシュアップする習慣を身につけるようにすると良いでしょう。

ケース5.顧客に刺さる言葉を見逃している

ケース6.動線が途中で切れていることを見逃している

ケース7.言葉の定義があいまいで、誤字脱字も多いことを見逃している

ケース8.ファネルを見逃している

ケース9.SNSの特性を理解せず使いわけてすることを見逃している

ケース10.YouTubeや動画作成の重要性を見逃している

コラムニストプロフィール

岩岡 博徳(いわおか・ひろのり)

1973年生まれ。横浜市立大学商学部経営学科卒業、東京都立大学大学院経営学修士(MBA)。中小企業診断士、ITコーディネータ、東洋大学大学院経営学研究科特任教授。総合電機メーカー系商社で経営企画などに従事し、2004年に経営コンサルタントとして独立開業、2008年に法人化し代表取締役に就任した。自社でのマネジメント改革を通し、ITによる業務効率化や事業計画策定、PDCA型マネジメント導入を得意とする。現在は事業承継を行い、省庁や都県等の公的機関、金融機関を通して数多くの中小企業支援を行っている。