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展示会出展時にやるべきデジタルマーケティング

公開日:2024/06/07

原田泰宏(はらだ・やすひろ)

展示会に出展してリード(見込客)を獲得する方法

なぜ展示会に出展しても成果がでないのか?

中小企業の経営者様から、「なぜ展示会に出展する必要があるのか?」「展示会に出展しても、目に見えた効果が表れない。」などの質問やお悩みを頂戴することがあります。
まず展示会出展の目的ですが、それは「リード(見込客)の獲得」に他なりません。
デジタルマーケティングを活用することで、出展成果を高めることが期待できます。①漏れのない準備(展示会前)、②標準化されたオペレーション(展示会中)、③丁寧なアフターフォロー(展示会後)、により、成約の確率は高まります。
展示会に出展しても成果が上がらないのは、上記の①②③のいずれかが不足しているのかもしれません。本コラムでは、展示会で成果を上げるデジタルマーケティング手法について具体的にお話してまいります。

展示会出展前の準備

1.展示するコンテンツの作成

当日モニターで映像を流す場合には、1~3分間の動画を制作する必要があります。これは、貴社が既に制作しているYou Tubeの映像でも構いません。展示会用に新たに動画コンテンツを制作する場合には、その後YouTubeチャンネルに登録していくことをおすすめします。顧客は、展示会で多くの製品・サービスを認知するため、細かな説明まで理解してもらえないことがありますが、YouTubeに説明動画が多くあることによって、展示会終了後であっても、営業担当者に代わって動画が説明をしてくれます。展示会で動画を流すだけでなく、チラシにYouTubeのQRコードを掲載するなど、何度でも動画を見てもらえるよう工夫しておきましょう。

2.招待メールの発信

過去に交換した名刺・顧客リストを整理して、展示会の招待メールを送る等の事前準備も欠かせません。可能であれば、開催時期の1か月ほど前に初回の告知メールを発信し、1週間~2日前にリマインドメールを発信したいものです。

3.自社サイトやSNSでの展示会出展告知

自社サイトの新着情報やSNS等で、出展する展示会の名称と開催日を告知しましょう。潜在顧客が展示会に来場してくれる可能性が高まります。

展示会出展中に心がけること

展示会出展中は、リアルでの対応が中心となります。
対応で注意したいことは以下のとおりです。

1.入りやすいブース入り口の確保

通路から見て、スタッフが横一列に並んでいたり、入り口が狭いと入りにくいものです。余計なものは取り払い、ブースの入り口をできるだけ広くしましょう。

2.トークスクリプトどおりの呼び込み

ブースに呼び込むためには、30秒程度で来場者にアピールをしなければなりません。そのためには、スタッフ全員が自社商品・サービスを端的に説明するためのスクリプトが必要です。事前に、ブースに来場者を呼び込む際に必要となる呼び込み用のトークスクリプト(30秒程度)も作成しておきましょう。そして、人によって差が出ないよう、同じセリフでアプローチすることを心がけましょう。ブースに呼び込む目的は、商品・サービスの説明(可能であればヒアリング)と名刺交換です。

出展後のアフターフォロー

展示会で得たリードとの関係性を強化し、ホットリードへ育成することが、出展後の顧客フォローの目的です。以下のとおりに進行できれば、クロージングに至る可能性は高くなります。

フォローメール  反応のあった顧客への電話orメール(アポ)  オンラインもしくはリアルでの商談orウェビナー  顧客との折衝  クロージング

フォローメールは、展示会最終日か翌日・翌々日までに発信できればベストです。ウェビナー開催するのであれば、フォローメールに開催概要を記載し、概ね展示会終了後3週間以内に開催して下さい。
上記の流れを作るために、以下のポイントを押さえておきましょう。

1.情報提供のためのコンテンツの準備

展示会出展後の顧客フォローの担当者と手法が決まりましたら、活用するコンテンツを用意しなければなりません。必要なコンテンツは、フォローメール等に掲載するWebサイト(HP・LP)・YouTubeを含むSNSや添付する企画提案書等です。またフォローメール文案・メールマガジン原稿・電話のトークスクリプトの作成も忘れないようにしましょう。

2.フォローメールとメールマガジン

展示会後にフォローメール(お礼と商談orウェビナーのお誘い)を発信した後、メールマガジン・動画等、見込み客のためになる情報(業界トピックス・業務効率化情報・コラム等)を、担当者を決めて定期的に発信することで、関係性を構築していきます。

3.ウェビナー(Webセミナー)の活用

リードは、貴社ブースを訪問しているのですから、多少は貴社に興味を持っており、詳しい話を聞きたいと考えているかもしれません。ただ、ここぞとばかりに売り込みをされることまで望んでいる訳ではないのです。その点、ウェビナーは1対多で開催されるので、リードも過度な売り込みをされないと安心して話を聞けるはずです。後日、ウェビナーを開催することで、クロージングの確率を高めてみてはいかがでしょうか?

コラムニストプロフィール

原田泰宏(はらだ・やすひろ)

中小企業診断士。大手旅行会社で1983年から35年5か月、法人営業・商品企画・プロモーションを担当し、独立した2018年より経営コンサルタントとして活動中。中小企業を対象に、プロモーション全般・法人営業体制の構築・販路の開拓・社員教育等の支援を行っている。