デジタル化が進んだこの時代、我々は普段から様々な情報に触れています。一説には、現代の1日の情報量は、江戸時代の1年分に相当するとまで言われています。そのような高度に情報が発展した時代の中で、どのように立ち居振舞っていくかきちんと考えていくことが大切です。どのようなツールを活用し、どのように情報を発信していくのか。今回はその一助となればと思い、SNS発信の基礎知識について解説していきます。
SNSとは?
SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略で、直訳するとインターネット上のコミュニティサイトを意味します。ただここ近年はあまりSNSという言い方をせずに、単一のサービス名(InstagramやTikTok)などの呼称で呼ぶことが多くなってきました。古くは「mixi」や「myspace」と言ったまさに「コミュニティ」といったものが多かったのですが、最近では「Instagram」や「TikTok」のように、1つのエンタープライズであり、コミュニケーションツールであるといった複合的な要素を持ち合わせているものになりつつあります。
主なSNSの種類
世界には様々なSNSがありますが、今回は日本においてメジャーであり、かつ幅広く認知があるSNSを中心に取り上げます。
・X(Twitter)
・Instagram
・Facebook
・LINE
・YouTube
・TikTok
X(Twitter)の特徴について
X(Twitter)の特徴はリアルタイム性と拡散力です。いわゆるハッシュタグ文化が発祥したのもここからと言われています。ただ、最近は株主が変わったり、名称が変わったりと違うところで世間からの注目を浴びているのがこのSNS。アメリカのトランプ元大統領が頻繁に投稿していることでも有名でした。リアルタイムの情報をテキストでつぶやくという簡単さからトレンドに敏感な20代~40代の利用が多いSNSです。「すぐつぶやける」「短文で投稿できる」ところから情報の入れ替えが早い分、投稿内容によっては「既存顧客のファン化」と「新規顧客の獲得」のどちらにも対応することができたりもします。
※2023年7月現在の情報です。今後の仕様変更などにより機能が変更となる可能性があります。 |
Instagramの特徴について
Instagramの特徴は、文字だけでなく写真や動画中心の投稿ができるところです。また「ググる」から「タグる」に変わったとも言われる、スマホ時代の文化を作り上げたSNSと言っても過言ではありません。メインユーザーは20代〜40代であり、「インスタ映え」や「短尺動画」といった新しい流行を生み出しています。テキストのみとは違って、写真や動画だと商品イメージや肌触り感を伝えやすいので、アパレルやコスメなどとの親和性は高いです。近年ではインフルエンサーたちが自分でブランドを立ち上げ、商品を販売していくなどで活用されることが多い傾向があります。またX(Twitter)の仕様変更により、ビジネスユーザーがInstagramへと流れ始めている傾向もあります。
Facebookの特徴について
Facebookの特徴は、実名かつ基本顔写真の登録が必要という信頼性の高さがあります。それゆえ、ビジネスシーンで活用されることが多く、ある意味フォーマルな環境になりつつあります。メインユーザーは30〜40代のビジネス層で、プライベート利用よりも同僚や取引先といったビジネスで関係がある人たちと繋がるツールや、メールに代わる連絡手段として利用されることが多いです。ある意味、ここでの投稿内容は個人版のプレスリリースという意味合いに近く、ビジネスにまつわるお知らせや告知などで活用されることが多い傾向があります。ちなみに運営会社はInstagramと同じMeta社です。
LINEの特徴について
LINEの特徴は、元々コミュニケーションツールとして発展してきたところにあります。そのため利用率が高く、日本国内でも月間約1億人のユーザーがいるというので驚きです。この利用率・ユーザー数は他のSNSと比べてもかなり多いのですが、元々は1対1の個人的なメッセージや電話といったコミュニケーションツールとして活用されてきたため、ビジネスでの活用方法は注意が必要です。近年では、飲食店などの来店ポイントと連動するなど、自社のプラットフォームと繋げて利用する企業が増えている傾向にあります。
YouTubeの特徴について
YouTubeの特徴は、動画専用のSNSであり「YouTuber(ユーチューバー)」という職業が生まれるほど、拡散力が強いところにあります。ただ、コロナ禍により大分多くの人が参入してきたことや、運営システムの改善もあり、飽和状態に近くなってきたところもありますが、まだまだ人気のSNSの1つです。「急上昇ランキング」という機能や、「いいね!」、「フォロー登録」などの機能があり、拡散できるための色々な仕掛けがされています。近年では、YouTubeのリンクを共有できる機能を活用し、X(Twitter)やInstagramといった他のSNSで共有することでさらに拡散するというSNS相乗効果で利用する企業が増えている傾向にあります。しかしながら、参入者が増えて来ていることから「動画のクオリティ」に対して、視聴者側の目はだんだん厳しくなっているところもあります。また定期的に投稿しないといけない割に、動画の制作が大変というところで、参入に踏み切るのには慎重な判断が必要です。
TikTokの特徴について
TikTokの特徴は10代の利用率の高さと、音楽×動画といったテンポの良さで拡散するSNSというところです。投稿する動画に音楽や加工機能で、誰でも簡単におもしろい動画を作成、投稿することができます。また、動画の再生スピードを変化させたり、ダンスや動きなどを投稿できたり、思いのままにオリジナリティがありカスタマイズ性が高い動画を発信することができます。「短尺動画」のおもしろいところだけを抜き出したSNSのため、今のトレンドやこれから流行るであろうコンテンツを探すのに役立ちます。しかしながら、過度なビジネスユースは厳しく、近年では、堅苦しい業界の人たちが、若い世代に親しみを持ってもらい、そこから採用などに繋げようという目的で利用する企業が出てきています。
SNS攻略のコツは、ユーザー側の目線に立つこと
上記で各SNSについて、簡単に解説させて頂きましたが、どれも特徴やユーザー層が違い、独特の文化が形成されていることがお分かり頂けたかと思います。どれも一朝一夕には攻略、という訳にはいきませんが、これらのSNSを攻略していくためには、考え方のコツがあります。以下に簡単にまとめてみました。
① ユーザー目線にたって各SNSの文化を徹底的に理解すること
② コツコツと定期的に投稿していくこと
③ フォロワーさんとのコミュニケーションをきちんと行うこと
まずは、虎穴に入らずんば虎子を得ず。SNSを攻略しようとするのであれば、そのSNSをご自身もユーザーとなって利用してください。どれもスマホで簡単に登録できるものばかりですし、利用することで「独特のSNS文化」というものがお分かり頂けると思います。まずは「どんな投稿が多いのか」「どんな投稿に人気があるのか」だけでも、それぞれの文化の違いを味わって頂けると思いますので、そこからぜひ始めてみてください。
そして、ある程度のそのSNS文化を理解した上で、次は実際にご自身で投稿してみましょう。投稿内容については、上記の「どんな投稿が多いのか」「どんな投稿に人気があるのか」を参考にして頂けると分かりやすいかもしれません。最初の投稿はとても緊張されると思いますが、ぜひその一歩を踏み出してみてください。そして、今度はその投稿を「継続していくこと」です。各SNSにはそれぞれ複雑なアルゴリズムと言われるデータ分析(AI)が機能しており、「おすすめ」に表示する投稿もその機能に基づくものとなっています。噂には300個や400個とも言われる複雑な計算式のもとにアルゴリズムが機能しているのですが、一番大事なのはそのSNSを「継続的に使っているか」というところです。やはりどのサービスでも、リピーターさんや常連さんは大切にしたいものですよね。各SNSも基本的にはそこは同じです。きちんとコツコツと投稿することが、各SNSのアルゴリズムから高評価を受ける大きなポイントです。
最後に、このリピーターさんや常連さんを大切にするという精神はアルゴリズムに対してもそうですが、自身のアカウントのフォロワーさんに対しても行ってあげてください。そうすることで、ファンがファンを呼び、みなさまのアカウントが広がり、フォロワーや登録数などがどんどん増加していくはずです。
番外編:バズらせるためには
バズらせる。と言っても、そう簡単ではありません。そこにはたくさんの要素が絡まってくるからです。ただいくつかの考え方を押さえておけば「バズらせる」に近づくことはできます。そのためのコツをいくつか特別にお伝えします。
バズらせるための3つの考え方
- トレンドを見よ。波乗りと同じく、いまから仕掛けるコンテンツのトレンドを波はちゃんと来るのか?それは大きいのか?タイミングはいまか?
- 拡散するのも人である。いまから仕掛けるコンテンツは世の中の人々から求められているものか?称賛されるものか?熱狂されるものか?
- 炎上とバズらせるのは紙一重。いまから仕掛けるコンテンツはコンプライアンス的に大丈夫か?変な切り取られ方はしないか?内輪だけが面白いコンテンツではないか?
他にも色々な要素はありますが、特に大事な考え方として、お伝えしている3つをまとめさせて頂きました。みなさまの発信活動が、大いなる企業成長に繋がりますことを応援しております。