スマートフォンの普及や通信環境の向上、コロナ禍での非対面営業などにより、動画のビジネス活用は加速し、「集客」や「採用」など企業が情報発信をする手段の1つとして、活用する動きが加速しています。
しかし高額な費用や手間をかけたPR動画であっても、戦略が間違っていると効果は上がりません。
今回は動画を仕事でどう効果的に活用していくかという、「動画戦略」をご説明させていただきます。
まず仕事で動画を活用する、3つの大きなメリットとして
1. 画像やテキストと比べて、情報量が多い。
2. 拡散されやすいプラットフォーム(YouTube)がある。
3. ライバルが少ない。
他にもSEO対策や、ブランディングなど様々なメリットがありますが、今まで私自身のチャンネルでも1000本以上投稿し、関連チャンネルも含めると5000本以上動画を投稿してきて、仕事で活用し効果を出してきた企業の事例を検証してみると、この3つが大きなポイントになっています。
この3つのメリットを活用し、今自社が抱えるどの「課題」に活用し、どういう「結果」にしたいかを決めていくのが「動画戦略」です。
動画戦略の目的は何にすればいいか?という質問も多くあります。
・視聴回数?
・チャンネル登録数?
・YouTubeからの広告収入?
この3つをイメージされる方が多くいらっしゃいますが、この目的は「ユーチューバー」さんの目的であって、仕事での動画活用の目的ではありません。
動画を活用して、仕事の課題解決を行うということが「動画戦略」ですので、目的はあくまで仕事の目的にすることが大切です。
ただそのためにはやっぱり「視聴回数」や「登録数」でしょ?と言う方もいらっしゃいますが、そうではない場合も多くあります。
Webマーケティングでは、ターゲットを絞るのが大切とよく言われます。
動画だとバズらせたいと思われる方も多いのですが、「バズる」が「課題解決」に繋がるかというと、そうではない事例も多くあります。
仕事に関係ない方々も含めて広く認知されるよりも、「課題解決」に繋がる人にターゲットを絞って、何をどう伝えていくかが多くの事例で結果への近道になっています。
私は「動画戦略」の中を、4つの戦略に分けています。
・動画戦略(撮影・編集)
・web戦略(アルゴリズム)
・マーケティング戦略(ファンづくり)
・プレゼンテーション戦略(伝え方)
※画像では「心理学」としています。
動画戦略というと「撮影・編集」や「アルゴリズム(拡散)」は想像できると思うのですが、この2つだけでは仕事にはなかなか繋がりません。
そこで重要になるのが冒頭で挙げたメリットの1つである「情報量が多い」という点です。
この「情報量」をどう効果的に活用するかという点が「ファンづくり」と「伝え方(プレゼンテーション)」の部分になってきます。
今までもアマゾンや楽天などECサイトで商品を販売されていた会社はたくさんありますし、ECの利用もどんどん拡大しております。
ただ「情報」という切り口で見てみると現状のECサイトは、テキストと画像での伝え方がほとんどです。
皆さんはECサイトで、いくらまでの商品だったら購入できるでしょうか?
この質問を色々な所でしているのですが、一番多いのは1万円までという回答です。
これはECだから、インターネットだからではなく、テキストや画像での情報発信では一般的には、1万円が限界なのではないかと思っております。
リアルでも、パンフレットやカタログで購入する場合も、同様の金額だと思います。
リアルに置き換えて考えてみるとわかりやすいと思いますが、高額商品の購入や会社の契約などは、実際どのようにして皆さん判断されているでしょうか?
住宅や車を購入する際は、営業の方から接客や説明を聞いて、会社の契約などでは、どういう会社なのか?経営者はどんな人か?など様々な情報を踏まえて判断されているのではないでしょうか?
そういった情報を動画を活用することによりデジタルで伝えている企業が、「動画戦略」で結果を出しています。
2つ目のメリット、「拡散されやすいプラットフォーム(YouTube)がある」について
ウェブで動画を見るプラットフォームでは、YouTubeを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
では、YouTubeがなぜ拡散されやすいのかというと
・検索
・関連動画
・トップページでのおすすめ(ブラウジング機能)
「検索」だけではなく、この3大流入経路があるからです。
ウェブで情報を見つける手段の1つとして、「検索」があります。
最近「ググる」から「タグる」に検索の手段が変わってきたという話はよく出ますが、
「ググる」→グーグル検索
「タグる」→「#タグ(ハッシュタグ)」検索
どちらも「検索」ですので、「プル型」とよばれる待ちの情報発信方法です。
YouTubeももちろん「検索」はありますが、大きな特徴として「関連動画」と「トップページでのおすすめ(ブラウジング機能)」がありますので、この2つを上手く活用し、「プッシュ型」での攻めの情報発信を行う事が出来るのが大きなメリットです。
YouTubeのサイトを見れば、トップ画面でユーザーの趣味嗜好に合わせたおすすめ動画が表示されます。
また動画を見ていてもPCであれば右側に、スマホであれば下に「関連動画」がユーザーに合わせて動画がおすすめされてきます。
例えば私のチャンネルで説明いたしますと
2021年8月22日~2022年8月21日の365日間で
YouTubeが、私の動画を色々な方々へ表示してくれた回数(インプレッション数)が1008.9万回です。
動画への流入経路の内訳は
53.3%→関連動画
28.6%→ブラウジング機能(トップ画面でのおすすめ)
2.8%→YouTube検索
と流入経路の多くがインプレッション数からの流入となっており、流入経路の割合はチャンネルによって違いますが、私のチャンネルの場合は関連動画が50%以上になっております。
1年間で1000万回以上色々な方におすすめしてくれただけでもとても嬉しいのですが、おすすめしてくれた相手は、YouTubeが持っている膨大なデータの中から、私の動画に興味がありそうな方だけに絞って、おすすめしてくれているという点も、大切なポイントです。
そして3つ目のポイントが「ライバルが少ない」という点です。
最近「ユーチューバー」さんの収入が減っているとか、ユーチューバー関連会社が赤字になど、もう飽和状態でしょ?というご質問もよくいただくのですが、それは「ユーチューバー」さんのお話で、仕事でのYouTube活用はまだほとんどの企業で行われておりません。
例えばですが、総務省が発表しています「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」でYouTubeの利用率は全年代で87.9%とLINEの92.5%に続き2番目の利用率になっております。
では次に、投稿を行っている割合を比べてみましょう。
このデータは、上のピンク色の部分は全年齢の利用率を表しています。
それに対して下の黄色の部分の数字は、「書き込む・投稿する」人の割合を示しています。
Instagramでは利用率に対して「書き込む・投稿する」は、約41%
Twitterでは、約35%
Facebookは、約30%
YouTubeは、約1%
とテキストと画像系のメディアでは3割~4割程度が「書き込む・投稿する」を行っていますが、YouTubeは利用率87.9%に対して、「書き込む・投稿する」は0.9%と現状では他のサービスと比べて、投稿者が圧倒的に少ないのがおわかりいただけると思います。
「書き込む・投稿する」が他のサービスと比べて少ないと言う事は、ライバルが少ないという事がこのデータからおわかりになるのではないでしょうか?
私が約15年間YouTubeを活用してきた「動画戦略」の3つポイント
1. 画像やテキストと比べて、情報量が多い。
2. 拡散されやすいプラットフォーム(YouTube)がある。
3. ライバルが少ない。
を今回はご説明させていただきました。
動画=エンターテイメント
と思われる方が多くいらっしゃいますが、仕事で動画を活用するビジネスYouTubeで結果を出すためには
動画=情報発信
です。
仕事の結果に繋がるかどうかは、動画だけでなくどんな仕事でも「戦略」がとても大切になってきます。
3つのメリットを踏まえて、皆様の会社に合った動画戦略を作っていただければ幸いです。