インターネットの普及とともに、自社のウェブサイト(自社サイト)を保有している企業は年々増加しています。しかし、多くの企業が開設するにとどまり、その後の更新をほとんど行っていないことも明らかになっています。本コラムでは、自社サイト更新の課題や原因、対応策を3回に分けてご説明します。
中小企業の9割は既に自社サイト開設済み
いまやウェブサイト(ホームページ)は、あらゆる企業や団体が保有しており、所有していないことがむしろ珍しいものとなりました。統計によると、約9割もの企業が既に自社サイトを開設しているといわれています。皆様の企業も、既に自社サイトの開設を終えていることと思います。
自社サイトを制作しようと思ったきっかけは様々あると思いますが、ほとんどの企業は、「自社の製品・サービスをより多くの人に知ってもらい、売上向上につなげたい」という思いからではないでしょうか。
私たちの日常においても、何らかの製品やサービスに関心を示したときに、まずはその企業のウェブサイトを検索し、情報を得ようとする機会が増えました。そのため自社サイトを持っていないことは、大きな機会損失につながることになります。したがって自社サイトを持とうとお考えになられるのは当然のこと。
しかし、いざ開設してみたものの問い合わせなどないし、イマイチ効果を実感できていない・・・。
今回は、そんな「既に自社サイトはあるものの、効果的に活用できていない」とお考えの、中小企業経営者向けのコラムをお届けします。
中小企業のウェブサイトは「作って終わり」になりがち
「サイト経由での問い合わせはほとんどありませんね。」
経営者に「御社のサイトは売上に貢献していると思いますか?」と問いますと、このように自社サイトの効果を実感できていないといった回答が実に多いことに驚きます。
また、「私(経営者)は関与していないので、どれくらいサイトにアクセスがあるかを把握できていません。」
というように、経営者が自社サイトに関心を示していないという回答も多くあります。思うような効果が実感できない日々が続くと「まあこんなものか」と半ば諦めたように、放置してしまう。このような企業が多いのが実態です。
経営者の中には、自社サイトを開設してすぐに効果があるとは思っておらず、次のようなことをおっしゃる方もいます。
「SEO対策とか、そろそろなんとかしないといけないなぁ、とは思っています。」
※SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化。Google等の検索結果にサイトを上位表示させるための施策)
近年ではSEOという用語も一般化しつつあり、多くの経営者の方が理解されています。しかし、アクセス数を延ばすためにSEO対策が必要だと理解していても、自社にはノウハウもなく、かといって外部の専門家に依頼するコストもない。コストをかけたとしても、効果が出るとは限らないので気が乗らないというのが経営者の本音です。こうしてモヤモヤを感じつつも、長期にわたって何もできず放置状態となり、結局「作って終わり」になるのです。
以上、中小企業によくある自社サイトの運営実態についてお伝えしました。次回は、その理由と課題についてお伝えします。