ターゲットに響くコンテンツ強化と導線改善によるWebサイトの回遊率向上で、高付加価値案件の受注に成功 「パソコンは苦手」でも伴走型支援で着実に進化
2025/03/24
株式会社日本クリーン・アップ
施工事例コラムの作成は、藤森社長とともに経理総務を担当する従業員が行っている。藤森社長の豊富な現場経験をアドバイザーが引き出し、担当の従業員がユーザーの視点から分かりやすくまとめることで、流入の多いコンテンツが生まれた。
※写真 代表取締役 藤森 潔

排水管清掃を手がける日本クリーン・アップ。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)は2年目の企業。直請け・高付加価値案件の受注拡大を目標に、1年目はWebサイト改修と施工事例コラムによるSEO対策で閲覧数が大幅に増加。2年目はWebサイトの回遊率およびCVR(コンバージョン率)向上を目指し、コンテンツ拡充と問い合わせへの導線改善に取り組む。
■取り組みの進行状況■
新コンテンツでCVR向上を狙う
今年度は「サイト経由のお問い合わせ月30件」「直接取引・高付加価値案件との接点を増やす」「CVRを向上させる」の目標のもと、Webサイトの回遊率向上を目指して、ターゲットに響くコンテンツ強化と導線改善に取り組んでいます。
最初に、新規のユーザーが問い合わせに至るまで、どのようなことで迷ったり決められなかったりするのかについて検討を重ね、そのハードルは「悪徳業者への不安」にあるのではないかという仮説を立てました。その対策として、新たに「初めてのお客様へ」というタイトルにて、お問い合わせから清掃後までの流れを説明するコンテンツを作成しました。当社では、清掃前に図面確認と現場調査を行った後、見積書・仕様書をご提案、作業後には報告書をお渡ししますので、この記事で仕事に対する真摯な姿勢をアピールし、CVRを高める狙いです。グローバルメニューの1番目に配置し、トップページのファーストビューエリアにもボタンを設置して目立たせる工夫も施しました。結果、ページの滞在時間は他と比べ約3倍長くなり、CVR向上に貢献しています。
築古物件向けの特集ページで新たな需要を発掘
高付加価値案件の獲得を目指して、昨年度から歯科医院などに特化したターゲット別の専門ページを制作してきましたが、近年問い合わせの中でも増加傾向にあった「老朽化物件の排水管清掃」の特集ページも新たに設けました。築40年以上の排水管の多くは鉄製で、高圧洗浄が難しくリスクも高いため、はなから断る事業者も多いのですが、当社では必ず調査をしてから可否を判断します。「他社で断られてしまった方へ」のキャッチコピーを添え、トップページにも目立つバナーを設置。公開直後から複数のお問い合わせがあり、大きな需要があることがうかがえます。

新コンテンツ「初めての方へ」では、図面確認→現場調査→見積・仕様書の作成→清掃実施→報告まで、同社の仕事の流れを説明している。同社では「当たり前」のことも他社と差別化を図るうえで大きな強みになった。
■これまでの成果と今後の展開■
回遊率向上がWebサイト経由での大型案件獲得に
今年度、コンテンツ拡充のほか既存ページの導線改善なども行った結果、検索流入が増え、ランディングしたページのほかにトップページや他のコラムも読んでいただけるようになり、平均回遊率が昨年の支援開始時のほぼ3倍となりました。さらにお問い合わせからの成約率も向上しています。
今年度はWebサイト経由で大手飲食チェーン店の案件を獲得しました。ご依頼の決め手は「トップページに社長の顔写真が掲載されており安心できた」とのことで、他のコンテンツも熟読され、当社の方針や仕事への姿勢が評価されての成約となりました。この案件も、アドバイザーと一緒に戦略を立て、2年にわたりWebサイトの改修に取り組んだ成果だと思います。さっそく事例コラムも作成して大手との取引実績をアピールするなど、さらなる信頼感の醸成と流入拡大を目指します。
Web広告の活用と社内体制の整備
支援終了までに専門家派遣を活用し、リスティング広告について学ぶ予定です。2年間かけてコンテンツを充実させてきたので、流入が増えればお問い合わせ数も増加すると推測しています。今後はコンテンツ制作の社内体制も強化します。これまではアドバイザーに私の経験や知識を引き出していただき、コラムのテーマを決めていましたが、これからは私が現場社員の話に耳を傾けながらお客様の求める情報を模索していきます。
歯科医院に向けた専門ページやコラム記事はコンスタントな検索流入があるが、今後は近隣の歯科医院にチラシやDMを配布し、Webとの相乗効果を狙う施策も検討中。

■公社支援のもとで取り組んだ感想■
アドバイザーはゴールを目指すための羅針盤
ハンズオン支援を受ける前は、デジタルの知識がほとんどなく、何から始めていいのか分からない状態で、支援が始まる時に「パソコンは苦手」と明言したくらいでした。しかし、アドバイザーの伴走により、ほどなく「やればできる」に変わっていきました。具体的施策の提案により方向性とやるべきことが明確になって、施策の成果が数字になって現れると、私とコラム執筆を担当する従業員のモチベーションも徐々に高まりました。結果、成約率の向上や質の高い顧客層からの問い合わせ増加につながり、目標に掲げた「利益率の改善」への兆しが見えてきました。
当社にとって、アドバイザーはゴールへの道筋を示してくれた羅針盤みたいな存在です。今回の支援は、八方塞がりだった状況を打破し、私と従業員が描く会社の未来像を実現するための第一歩になりました。これからもビジョンに沿ったデジタルマーケティングに取り組んでいきたいと思います。
「『幸せになるために仕事をしよう』 明確なビジョンが成功の一因」

アドバイザー 原田 隆治
もともと施工事例コラムなどの素地があったこと、藤森社長の仕事に対するビジョンが明確だったことから、施策のプランを立てやすく、早い段階から効果を出すことができました。例えば、現場調査から見積・仕様書作成までの独自の取り組みは大きな強みで、この真摯な姿勢を伝えないのはもったいないと考え「初めてのお客様へ」というコンテンツを作成したところ、やはり反響も出ています。社長の経営ビジョンと仕事に向き合う姿勢が施策の原動力になる好例だと思います。
※本記事は、2024年12月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 株式会社日本クリーン・アップ |
所在地 | 世田谷営業所 東京都世田谷区代田1-16-3-101(本社 埼玉県草加市高砂1-11-55) |
設立 | 1990年5月 |
事業内容 | 排水設備維持管理(グリストラップ清掃・排水槽清掃作業・排水管緊急修理・グレーチング・雨水槽清掃) |
資本金 | 1,000万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。