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企業YouTubeチャンネル運用、基本の考え方について解説

公開日:2025/06/06

酒井大輔

0.はじめに

「動画を活用して採用や集客につなげたい」
「YouTubeを仕事に活用したい」
など、動画を活用したいと考えている企業は最近増えてきており、多くの相談が来るようになっています。

YouTubeを始めるときによく言われるのが
「面白い事をしなければいけない」
「踊ったら採用に繋がる」
上記のようなニュースや事例を見て、そう考えられている方も多くいらっしゃいます。
ただ実際に集客や採用で効果を出している企業の中には、面白い事や踊らなくても結果を出している企業が多くあります。

では実際YouTubeをどう企業で活用していけば良いのか、多くの企業で活用しやすい方法をご紹介させていただきます。

1.公式HPと同じ情報を動画化し、YouTubeは公式動画HPとして活用

企業YouTubeチャンネル=企業公式動画HP

今は多くの会社やお店で、公式HPを持っています。
その中では

  • 商品やサービス紹介
  • よくある質問
  • 事例や実績
  • 事業紹介
  • 採用情報
  • 会社概要

など企業がお客様に対して伝えたい情報や、お客様が知りたい情報を、優先順位を考えて情報を整理してHPを作っていると思います。
この情報はHPだから必要なのではなく、会社やお店として大切な情報なのです。
テキストや画像のHPだけで発信するのではなく、動画でも企業の大切な情報を発信していく事がポイントです。

動画経営のマーケティングとは?公式HP+公式動画HP(YouTubeチャンネル) 情報は同じ

新聞(テキストと画像)と、テレビ(動画)について

新聞とテレビのニュースで考えていただくと、わかりやすいと思います。
重要なニュースは新聞でもテレビでも、同じ内容の情報を扱います。
どちらを見るかは、ユーザーがその時に活用しやすい方を選択しています。
それぞれの媒体に合わせた情報も、もちろんありますが重要なコンテンツはどちらでも扱っています。

新聞(テキストと画像)とテレビ(動画)のニュースと同じように考えると、デジタルでは

  • テキストと画像での情報発信が「公式HP」
  • 動画での情報発信が企業の「公式動画HP(YouTubeチャンネル)」

になっていくと考える事が出来ると思います。

媒体の進化、情報発信のプラットフォーム変遷図

ポイントとして大切なのは情報(ニュース)であり、テキストや画像なのか、動画なのかは伝える手法が変わるだけで、手法に合わせて情報を基本的には変える必要は無いという事です。
この考え方が企業で動画活用していく、第一歩だと私は考えております。

2.量と質の考え方

Webマーケティングでは「量と質」という言葉がよく出てきます。
ここではわかりやすく

  • 量とは「流入数を増やすこと」
  • 質とは「問い合わせなどコンバージョンを増やすこと」

として考えて行くとYouTubeを活用するイメージは下記のようになります。

HPを中心とした「量と質」

HPを活用してWebマーケティングを行っていくと、SNSやリスティング広告、ブログを増やすなどの施策を行い流入数を増やして行きます。
HPに流入した後は質の話になり、ユーザーに内容が解りやすく伝われば問い合わせや購入に繋がります。
この様な活用方法は、現在でも多くの企業で取り組まれていると思います。

公式HPだけの場合の量(流入数)と質(問い合わせ)の流れ

HPにYouTubeを追加した「量と質」

上記の活用方法にプラスしてYouTubeを運用する事により、「関連動画」やYouTubeのトップページにおけるオススメ「ブラウジング機能」この2つのレコメンド機能があり、多くのユーザーがこの2つから流入します。
また、YouTube検索でもHPだけでは獲得できなかった流入が、YouTubeチャンネルを運用し上手く活用する事で流入数を増やすことが出来ます。

YouTubeチャンネルに流入してもらった後は他の動画も視聴してもらったり、YouTube内のリンクからHPへの流入に繋げることも出来ます。
テキストや画像だけでなく動画があることによって、話し言葉で説明を伝えることが出来るのでより深く理解していただく事が可能となり、問い合わせなどに繋がりやすくなります。

公式HPと公式動画HP(YouTubeチャンネル)がある場合の量(流入数)と質(問い合わせ)の流れ

企業がYouTubeチャンネルを持つメリットは、上記の画像でイメージしやすいと思います。
この状態が企業のYouTubeチャンネルを運用する、基本的な考え方です。

この様な考え方で運用を行うと

  • 「YouTubeのネタどうしよう?」
  • 「動画で面白いことやらないといけない」

などYouTubeチャンネルをスタートしてすぐに出てくるような、悩みは出てこなくなります。

3.動画の質について

企業YouTube運用における、動画の質について

量と質のお話をしてきましたが次は企業YouTubeを運用する際の「動画の質」について、考え方を解説させていただきます。
企業がYouTubeを運用して問い合わせや、コンバージョンに繋げるための質という目線で考えると

  • × → 動画の質(画質・編集)
  • 〇 → 情報の質(説明・伝え方)

通常、動画の質というと4KやHDなど画質や、編集がかっこいいなど編集の質が動画の質と言われることが多くあります。
ただ企業のYouTube運用における動画の画質や編集をかっこよくしたら、それに比例して問い合わせが増えるかというと、そこまで結果に繋がる質とは言えません。
もちろん最低限の画質や編集の質は大切ですが、+αの質は結果には繋がりにくいものです。

大切なのは「情報の質」

情報の質を上げていけば、結果には繋がりやすくなっていきます。
説明や伝え方と書いていますが、これはテレビショッピングで考えていただくとわかりやすいと思います。

紹介している商品が売れるかどうかは「説明の内容」や「伝え方」など内容が伝わりやすくなるように質を上げていく事が重要なポイントです。

例えば家でテレビショッピングを見ていて、同じ商品だったとしても紹介する人や、紹介方法で売れ方が変わるのが、例えとしてわかりやすいのではないでしょうか?

ここではテレビショッピングの例を出しましたが、企業YouTubeでテレビショッピングしましょうという事ではなく、商品紹介やサービス紹介など「情報の質」を上げればより伝わりやすくなり、問合せに繋がりやすくなります。

企業でYouTubeを運用する際の目標設定

企業でYouTubeを始める場合に「動画」なので「よくわからない」「新しい事を0からスタート」などの、イメージを持たれている方も多くいらっしゃいます。

ただここまで書いてきたようなYouTubeの運用であれば、企業の情報発信にYouTubeや動画を追加する活用方法なので、動画だからと言って目標設定が変わることもありませんし、情報発信の内容を変える必要もありません。

YouTubeに取り組む際の目標設定も

「再生数」
「チャンネル登録数」

ではなく、

「1年間で〇人採用する」
「今年の売り上げを〇〇万円増加させる」
「問い合わせを〇件にし、〇件受注する」


などYouTubeの数字ではなく、仕事の目標を設定しなければいけません。

企業公式動画HP(YouTube)の位置づけ図 経営>情報発信・マーケティング>webマーケティング>動画マーケティング>YouTube 「木を見て、森を見ず」にならないように注意

4.企業YouTube運用のまとめ

YouTube運用に大切な4つの要素

企業のYouTube運用は動画を活用し
「関連動画」
「YouTubeのトップ画面でのおすすめ(ブラウジング機能)」
「YouTubeの検索」
上記の3つを中心に流入数を増やすことが出来ます。

ただYouTubeで再生数を伸ばしたり、チャンネル登録数が増えるだけでは、集客や採用など仕事の結果に繋げるには不十分です。
ユーザーにどう情報を伝え行動に結びつけるかは、動画の「わかりやすさ」や「プレゼンテーション(伝え方)」が大切なポイントです。

私はいつも企業のYouTube運用に大切な4つの要素は

  • 動画(撮影・編集)
    →どう形にし、情報を発信するか。
  • ウェブ(アルゴリズム)
    →どう運用し、接点を増やすか。
  • マーケティング(ファン作り)
    →どう戦略を作り、結果に繋げるか。
  • プレゼンテーション(伝え方)
    →どう情報を伝え、行動に繋げるか。
YouTubeは動画だけじゃない!?ビジネスで成功する、4つの要素!!

とお伝えしております。

動画活用のハードルは高くない

動画に取り組むことはテキストや画像に比べて、ハードルが高いとよく言われます。
ただ動画は撮影や編集をして作るという部分ではハードルが高い部分もありますが、お客様に情報をどう伝えるかという点で考えれば、情報をテキストにしなくても声で情報を伝える事が出来るという点では、ハードルが下がる部分もあります。

例えば私自身だとお客様に対して動画の活用方法や商品説明などをする際、直接お会いしたりzoomを活用して説明するケースが多くあります。
この様なことは普段からよく行っており負担も無くできますが、その内容をブログやコラムなどテキストや画像で伝えようとすると、慣れていないのでコンテンツを作るのに時間がかかります。

HPで情報発信する際には情報をテキスト化しなければいけないという部分で、ハードルを高く感じられている方も多くいます。
動画は普段行っていることをテキスト化する必要が無く、スマホ1つあれば情報がそのまま伝えられるという点は人によって得意や不得意は有りますが、私のような文章を書くのが苦手な人にとっては、撮影や編集の手間を考えてもテキスト化するよりハードルは低いと感じられるのではないでしょうか。

動画もスマホ1つあれば、今は簡単に作ることが出来るようになりました。
企業のYouTube活用は自社で運用や動画制作を行えば、ランニングコストも低く中長期的に集客や採用の効果が期待できる施策です。
是非皆さんの企業でも、YouTubeに取り組んでみてはいかがでしょうか。

コラムニストプロフィール

ITコーディネータ

酒井 大輔(さかい・だいすけ)

100チャンネル以上の、企業YouTubeコンサルティングで「採用」や「集客」など、動画を活用する企業の課題解決コンサルタント。
・運送会社で、毎年20人採用
・建材商社で、売上40倍
・宿泊施設で、年間15件以上マスコミ取材 など、
大企業から小規模事業者まで、幅広く支援。
セミナーや講演など東京、名古屋、大阪など日本全国行っている。
2008年から企業YouTube運用を開始し、約15年間YouTubeのビジネス活用を行っている。
2021年6月には書籍「ビジネスYouTubeで売れ!」も出版。
https://www.amazon.co.jp/dp/4866365048/
 
ユーチューブビジネスサポート https://ytbs.jp/