前回に引き続き、自社サイトが手付かずになっている状態を取り上げます。今回は、その理由と対策について考えていきます。
なぜ自社サイトを放置してしまうのか?
せっかく制作した自社サイトを「作って終わり」にしてしまう理由として、次のようなことをおっしゃる方がいます。
「外部の者に構築してもらったから、更新したくてもやり方がわからないんだよね。とはいえ、依頼するとお金かかるし。」
中小企業にとても多い状況なのですが、サイト制作のコストを抑えようと知り合いの業者や友人に作ってもらった結果、(安く作ってもらった手前)追加の依頼がしにくくなってしまうパターンです。更新を依頼しようとしても、制作した人と連絡が取れなくなった、関係が疎遠になり連絡しづらい、といったこともありました。
また、「ウチは小さい会社だから、ウェブの担当者をはっきり決められないんです。」
との理由で放置してしまうパターンも多いです。経営体力に乏しい中小企業にとって、ウェブの専任者を充てることは難しいことです。たとえ内部にITに詳しい者がいたとしても、当然ながらその方も自分のメイン業務を抱えています。片手間で更新したり、運用をしてもらうことはできるでしょうが、その方のメイン業務に割く時間が減ることになります。売上に直結する作業以外はあまりやってほしくないというのが経営者の本音。こういった理由でサイトを放置してしまっている企業も意外と多いのです。
結局のところ、中小企業がサイトを放置しがちになる理由は、費用対効果が見込めそうにないということに尽きると思います。効果が確実にあると分かれば、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を投じてでも対策を検討するはずです。
守りのサイト運営では自社サイトの効果は限定的
「まあ一応、自社サイトはあるからいいか・・・(SEO対策は後回しにしよう…)」
このような考えによる自社サイト運営を、守りの姿勢が強いことから「防御型」と呼ぶことにします。対して、SEO対策をしっかりと行いつつ、自社サイトのアクセス数を高めて成果につなげる攻めの姿勢を「積極型」と呼ぶことにします。そして、多くの中小企業のサイトが「防御型」で運用されています。
ただ、防御型のサイトであっても、少なくともインターネット上に存在していれば、無いよりは効果的であるといえます。たとえば御社との取引を考えている顧客候補者がいるとします。その人は、御社のことを信頼できる企業かどうかを知りたいと思っているので、情報を得ようとまずは御社のサイトを検索するでしょう。検索した結果、表示されれば「ちゃんと存在している会社だ」と思ってもらえ、安心につながります。
したがって、存在していないよりは成果を出せる可能性が高いといえるでしょう。
しかし、現在はウェブ隆盛の時代。いつまでも守りの姿勢では、御社の成長は限定的なものとなってしまいます。防御型では御社を知っている人にしか見つけてもらえないため、ほとんどアクセスされることがなく、顧客候補者との接点が限られるからです。
そもそも、自社サイトを制作した当初は、「自社の製品・サービスをより多くの人に知ってもらい、売上向上につなげたい」という期待があったはずです。そうなるためには「積極型」のサイト運営を行うしかありません。防御型のサイト運営をしていては、「御社を既に知っている人」が顧客になることはあっても、「御社を知らない人」が新たな顧客になることは難しいのです。
防御型のサイト運営は、インターネット上の多くの潜在顧客を取りこぼしている状態なのです。これは大変もったいないことで、御社の製品・サービスを知ってもらいさえすれば本来獲得できる顧客を逃してしまっているかもしれない、ということです。
ぜひとも積極型サイトへの転換をはかり、自社サイトの認知度を高めてアクセス数を増やし、新規顧客の獲得および売上向上につなげていきましょう。
積極 型サイトに転換するためには、ウェブマーケティングを行うことが主な対策となります。ウェブマーケティングとは、自社サイトのアクセス数を増やすための施策のすべてであるとお考えください。たとえば、以下のような施策があります。
- サイトに記事を投稿する
- SNSやメルマガからの流入を増やす
- ウェブ広告を出稿する
ちなみに、SEO対策は自社サイトを検索順位の上位を狙うための施策ですので、上記の例では「サイトに記事を投稿する」がSEO対策に該当します。積極型サイトに転換するためには、SEO対策だけでなく、ウェブマーケティングという広い枠組みで施策を講じる必要があります。
以上、自社サイトを放置してしまう理由と対策についてお伝えしました。次回は、その具体的な取り組みについてお伝えします。