デジタルマーケティングの取り組みを牽引する心理サービス部の安井さん。キャリアコンサルタント、産業カウンセラーの資格も持つ。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)で新規顧客の獲得を目指す。
創業は1947年、心理検査「内田クレペリン検査」を提供する株式会社日本・精神技術研究所。同社のサービスは、長い歴史を持ち認知度も高く、安定して顧客を獲得してきた。一方で、企業の採用環境も変化するなか、これまでと同じ「待ちの姿勢」では今後の事業の成長が望めないと感じており、新規顧客獲得を目指してデジタル施策に取り組んでいる。
※写真 心理サービス部 マネージャー 安井 敬子
■本事業に申し込んだ背景■
企業ニーズの変化に対応した施策
当社は、企業や医療機関などを対象に「内田クレペリン検査」をはじめとする心理学をベースとしたさまざまなサービスを提供しています。これまでも部分的にはデジタルマーケティングに取り組んでいましたが、コロナ禍以降は企業ニーズの変化が加速しており、Webサイトのリニューアルや、外国人採用を行う国内企業への販促を目的とした内田クレペリン検査のランディングページ(以下、LP)の改修、またWeb広告にも取り組む必要性を感じていました。
ハンズオン支援は個別サポートが魅力
しかし、社内には専門的な知識を有する者がおらず、LPやWebサイトの改修にはなかなか手が付けられない状況でした。解決策を模索している時に、ハンズオン支援のことを知りました。アドバイザーによる個別支援なので、当社の悩みに応じた解決策や、デジタルを活用した新しいマーケティングの実践的なノウハウを習得できるのではないかと期待して申請しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
企業サイトのドメインへ移設
2023年6月にハンズオン支援がスタートし、アドバイザーには「休止中のLPの有効活用法」「Google広告の効果的な出稿および効果分析の方法」「新規のお客様へのアプローチ方法」などについて相談しました。まずは、「LPを別ドメインに設置するのではなく、Webサイトのドメインに移設した方が良い」「御社のWebサイトは多くの方が訪問しており集客力が強いので、それを活かさないのはもったいない」との指摘を受け、Webサイトのドメインパワーを活かし、LPを移設するところから始めました。
LPページにストーリーをつくる
LPの内容に関しては、ターゲットが読み進めていく流れを意識した「ストーリーが大事」とのレクチャーを受け、ターゲットの悩みを想定し、その悩みをこのような方法で解決するのが当社のサービスというストーリーを組み立てました。何より、「無理にペルソナを絞りすぎなくても良い」との柔軟なアドバイスをいただけたことは非常に大きかったです。
■具体的な販路開拓への取り組み■
適切なCV設定に変更
成果の指標として、CV(コンバージョン)を導入検討者向けの「無料説明会への申し込み」に設定していましたが、検討段階での説明会参加はハードルが高く、LPの効果測定には向かないとの指摘をいただき、「資料請求」へと変更しました。さらに、Googleアナリティクスの活用方法のレクチャーも受け、今後は自社で効果測定できるように取り組んでいきます。
企業サイトの問い合わせフォームも変更
アドバイザーから「Webサイトにも外国人採用のために導入を検討している企業が訪問しているのではないか」と提言されたのは、とても新鮮でした。すぐに問い合わせフォームにも導入目的を確認するチェックボックスの回答に「外国人への利用」の選択肢を追加して、的確なアプローチを行えるよう対策を施しました。その他にも軽微な修正を重ね、来年度のサイトリニューアルに向けてアドバイザーと協議しながら準備を進めています。
■デジタルマーケティングの効果■
ハンズオン支援のメリットを実感
LPは10月にリリースしたばかりなので、効果が出るのはこれからになると思います。また、アドバイザーのサポートにより実施しているGoogle広告は、効果の分析を行いながら、継続してチューニングを続けています。公社のハンズオン支援は、企業の実情に合わせたきめ細かいサポートを行ってくれるので実践的である上、自社にとって有益な知識も活用できる形で得ることができます。当社の商品特性や商流、さらに私たちの想いも汲んでいただきました。
コンテンツマーケティングへの取り組み
今後もLPの運用を継続しながら、より新規の方にも目に留めていただけるような情報発信を行っていきたいと思います。また企業サイトもより魅力のあるサイトにするため、集客も意識したコラム記事や事例紹介などのコンテンツを増やしていきたいと考えています。ニーズに合わせた公社の支援は大変ありがたく、来年度も継続支援を申請する予定です。
課題と目標が明確だったため施策の実施もスムーズに進みました
自社が抱える課題を言語化するのは意外に難しいものです。日本・精神技術研究所さんは自社でデジタルマーケティングに取り組まれ、すでに下地ができていましたので、課題と目標が明確でした。実務を担当する安井さんは、コミット力と実行力に優れており、課題解決のためのデジタル施策をスピーディに実施していきました。さらに、中長期的なコンテンツマーケティングの強化にも取り組んでおり、短期と中長期の両軸での改善が進んでいる好例です。
※本記事は、2023年12月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 株式会社日本・精神技術研究所 |
所在地 | 東京都千代田区九段南2-3-26 井関ビル2階 |
設立 | 1947年 |
事業内容 | 心理測定事業、心理臨床教育事業、心理相談事業 |
資本金 | 3,000万円 |
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