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製造業

営業活動のDX化への基盤形成から新たなデジタル施策に取り組む

2024/03/15

欧文印刷株式会社

オリジナル文具の開発、製造と販売を担当し、デジタルマーケティングにも取り組む長島さん。動画やSNSで「文具好き女子」としてさまざまな情報を発信する。

翻訳から印刷までのワンストップサービス、独自開発したUVニス印刷技術を用いた印刷などを主力事業とする欧文印刷株式会社。近年はオリジナル文具の開発・製造・販売などにも注力しており、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)で、知名度向上や販路開拓、さらに営業活動のDX化に取り組んでいる。

※写真 欧文印刷株式会社 第1お客様担当部 主任職 長島 明音

■本事業に申し込んだ背景■

コロナ禍の影響による売り上げの伸び悩み

当社が主力事業としている商業印刷のマーケットは、近年のペーパーレス化などにより縮小傾向にあります。そのような状況のなかで、2011年に新規事業として、携帯性に優れた紙製ホワイトボード『nu board(ヌーボード)』をリリースするなど、オリジナル文具の開発・製造・販売を行う事業を立ち上げました。将来の主力商品に育てたい『nu board』はBtoBの卸販売により順調に売り上げを伸ばしましたが、コロナ禍により対面営業が難しくなったこともあり、販売が伸び悩んでいました。このような環境変化に対応すべく、社内でデジタルマーケティングへの取り組みを検討したものの、人的なリソースも不足しており、突破口が見つからない状況でした。

デジタル施策でオリジナル文具の販路開拓を

また、オリジナル文具の営業活動は対面が中心になっており、顧客情報や営業方法が属人化していたため、まずは営業部門のDX化を推進していく必要がありました。2022年に、オリジナル文具の販路開拓を目的とするデジタルマーケティングと営業活動のDX化に取り組むため、公社のハンズオン支援を申請しました。

■支援1年目の取り組み■

「誰に」「何を」「どのように」売るか

1年目のハンズオン支援では、はじめに『nu board』などオリジナル文具のオンライン営業において、「『誰に』『何を』『どのように』売るか」を主軸に、実践的な販路開拓法を教えていただきました。「誰に」はターゲットになりますので、営業部員が個々で持っていた文具ショップなどの顧客情報を集約してリスト化し、社内で共有できるようにしました。「何を」は顧客へ提供する商品になります。今回の場合は『nu board』などのオリジナル文具です。「どのように」は販売手法ですので、メール(メルマガを含む)や展示会などでリード(見込み客)を獲得し、Zoomなどを利用したオンライン商談を行い、成約を目指します。

欧文印刷がUVニス印刷技術を用いて自社開発した『nu board』は、ノートタイプの紙製ホワイトボード。A4判、A3判、A2判などさまざまな種類を展開している。

メルマガ配信と商談のロールプレイング

まずはメルマガ配信に取り組みました。アドバイザーから「構成を定型化すると効果的」「1年以上継続して配信すること」などのアドバイスをいただき、「1.新着情報 2.お役立ち情報 3.コラム(ブログ)」というシンプルな構成パターンにして継続的に配信しました。また、オンライン商談の成約率向上を目的とし、効果的なプレゼンテーション手法のレクチャーを受けた後、営業部門の全員が参加して、カメラの前でロールプレイングを繰り返し行いました。アドバイザーのサポートにより営業部員のプレゼンスキルは格段に向上したと思います。

SNSに関する専門家派遣

SNSとYouTubeは専門家派遣を利用し、基礎から実践的なことまでさまざまな知識を学びました。まずSNS運用の改善ですが、当社が主に取り組んでいるX(旧Twitter)では、従来私が1人で運用していましたが、3人の当番制に切り替えたことによって、トピックのバリエーションが増えたことは非常に効果的だったと思います。また、YouTubeはストック型のSNSであることから、「100本をアップロードすることがスタートライン」というアドバイスを受け、急ピッチで動画の撮影・制作に取り組んでいます。

■支援2年目の取り組みと効果■

デジタル施策により問い合わせ数が向上

ハンズオン支援の2年目は、デジタルマーケティングを推進するプロジェクトメンバーも強化して各施策に取り組んでいます。継続的にSNSの投稿や動画制作を行い、併せて企業サイトもブログコンテンツを新設するなどして改修しました。お客様からは「いつもXを見てますよ」などの声をいただく機会が増え、実際にお問い合わせ数も向上しています。YouTube動画は、新たに作成したキャラクターと、「文具好き女子」の私が掛け合いを行い、『nu board』をはじめさまざまな文具の情報を発信するシリーズで展開しています。

2年目のハンズオン支援も終盤に入っている。(手前:原田アドバイザー、奥右:執行役員 渡辺さん、奥中:第1お客様担当部 長島さん、奥左:第1お客様担当部 沼澤さん)

今後はブログ記事のSEO対策に取り組む

現在はWeb解析ツール(Googleアナリティクス)を使って、閲覧者の動きなどを分析しているところですが、ブログコンテンツからの流入が向上しており、滞在時間も長いので、今後はSEO対策などを強化していきます。

2年目の支援で担当者の成長と効果を実感

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 原田 泰宏

欧文印刷の皆さんは、デジタルマーケティングへの取り組みにとても積極的で、チームワークも良く、支援によって着実に成長されていると感じています。実際、企業サイトのブログコンテンツやSNSのクオリティが向上し、効果も出始めています。今回の支援により向上したオンライン商談でのプレゼンスキルは、対面の営業でも必ず活きてくるはずです。今後もオリジナル文具の新規顧客獲得に向けて伴走していきます。

※本記事は、2023年12月時点の情報です。

企業情報

企業名欧文印刷株式会社
所在地東京都文京区本郷1-17-2
設立1946年
事業内容商業印刷物・マニュアル・出版印刷物の企画・翻訳・制作・印刷・製本
資本金10,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。