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先端技術を駆使してメルマガ配信のルーティン化に取り組む

2024/01/26

株式会社利根川産業

デジタル化の推進を牽引する利根川靖さん。アドバイザーと協議を重ねながら、現在は主にメールマーケティングを実践している。

廃棄物・リサイクル業界ではいち早くデジタル化を推進してきた株式会社利根川産業。現在はメルマガ配信に取り組み、すでに開封率などの効果測定も行っている。人的リソースが少ない中、文案などの作成にChatGPTを積極活用。

※写真 経営企画部 取締役部長 利根川 靖

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■取り組みの進行状況■

メルマガを配信し効果も測定

現在は主にメルマガ配信に取り組んでいます。これまで2回の配信を行い、1回目は既存顧客と同業他社に向けて当社のリサイクル工場を紹介しました。廃棄物の回収のみを手がけている企業の場合、増え続けるリサイクル品の処理に困っているのではないかと考えたからです。開封率は27.4%でしたから、業界のメルマガとしては良い結果だと思います。2回目は当社で取り組んでいるドライバー教育を取り上げました。開封率は40.6%と大きく上がりましたが、件名にメルマガとは明記せず配信してしまったため、多数の同業者が一般連絡のメールと間違えて開いたのではないかと推測しています。これまでのところ、お問い合わせにはつながっていませんが、業界の会合で「利根川さんはまた新しいことを始めたね」と声をかけられる機会が増えました。

ChatGPTの活用で社員の負担を軽減

メルマガは月1回のペースで配信していく予定です。業種によってはもっと頻繁に配信するのかもしれませんが、業界の雰囲気を考えてアドバイザーと相談して決定しました。継続してお客様との接点を持つことで親しみと信頼感を高め、発注先を検討するタイミングで思い出していただける存在になるのが目標です。メルマガ配信の実務は営業と広報が担当しています。テーマのアイデアはChatGPTで生成したものから選抜し、原案を作った後に担当者が調整し、私とアドバイザーで最終確認を行い配信という流れです。ChatGPTを活用すれば、アイデア出しから文面の完成まで2時間ほどで作成できます。当社の場合、人的リソースが限られていますので、今後もなるべく社員に負荷をかけない方法でルーティン化を図っていくつもりです。

■公社支援のもとで取り組んだ感想■

最新のデジタルツールの情報を定期的に収集できる

デジタル分野の最新ツールについては、独自に情報収集はしていますが、アドバイザーが定期的に新しい情報を教えてくれるのは大変助かります。先日もChatGPTの有料版における新機能についての情報をご提供いただき、さっそく画像生成機能を利用してメルマガに添付する画像を作成しました。また、ターゲットのペルソナとして架空の5人を設定し、それぞれが興味を持ちそうなメルマガの件名や文面も作成してみました。当社仕様にカスタマイズすれば、文案やデザインなどを制作する際の相談相手としても活用できそうです。

最新のデジタルツールをスピーディに導入

デジタルマーケティング推進は基本的に私が一人で担当しています。自分ではまだ知識が不足していると思っていますが、アドバイザーから「上級者」と言われて驚きました。デジタル関連の知識はすべて独学で、公社にて開催されるセミナーへの参加以外は、特別なスクールなどに通った経験はありません。今はネットに情報が溢れているので、自分で調べれば基礎知識は分かりますし、一般的なデジタルツールであれば操作できるようになります。新しいツールを導入する際、大手企業の場合は稟議書の作成や決裁などに時間がかかるかもしれませんが、中小企業はすぐに取り入れて試すことができる場合が多いと思います。このスピードが中小企業の強みです。「新しいことにチャレンジして、もし失敗したら次に活かせばいい」、これからも当社のその考え方は変わらないと思います。

Webサイトのブログコンテンツは「SDGs」「メディア掲載情報」「業界情報」「社員のつぶやき」など、テーマごとに分類されている。ターゲット顧客だけではなく、就活中の学生や同業者も視野に入れた内容になっている。

■これまでの成果と今後の展開■

メルマガの効果を測定しながら継続できる体制に

今後もメルマガを定期配信し、アドバイザーと一緒に効果を検証していきます。件名やリード文などのフォーマットを統一し、件名に入れるキーワードが開封率にどのような影響を与えるのかも分析していきます。また、文面に「ご意見をお聞かせください」などの文言を入れてコミュニケーション型のメルマガにすることも考えています。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)が終了する2024年2月までには、作成から効果測定までを広報と営業の担当者がルーティンで行える体制にする予定です。

喫緊の課題はデジタル人材の育成

メルマガ配信の体制が整ったら、喫緊の課題であるデジタル人材の獲得と育成に取り組み、将来的には、デジタルマーケティングにおける各施策の実務を任せたいと考えています。試験的に行ったSNSを活用しての採用広報では効果も確認できました。デジタル施策を私が一人で担当していればスピーディに動けますが、一方で視点が偏りますし、私がいなければ業務のすべてが滞ってしまうというデメリットがあります。今後は社内のデジタル教育を推進し、3~4年かけてデジタルマーケティングの担い手を育成していく計画です。

「将来的にデジタル関連の業務を任せたい若手社員はいますが、現在は担当業務で忙しくこれ以上の負担をかけることができない状況です。社内体制を見直しながら時間をかけてプレイヤーを育成していきます」と語る利根川さん。

最新のデジタルツールを迷わず取り入れるフットワークの軽さが強み

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石山 祐己

利根川産業は早い時期にデジタルマーケティングに取り組み、販路開拓に成功している企業だと思います。牽引する利根川靖さんの強みは、新しいデジタルツールを取り入れるスピード感と「自分で操作を覚えて使ってみよう」という行動力です。ChatGPTの有料版もいち早く導入し、すでに活用しています。今後は、デジタルマーケティングの実務を行う人材の育成と社内の体制づくりに取り組んでいきます。

※本記事は、2023年12月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社利根川産業
所在地東京都足立区入谷8-3-8
創業1986年5月
事業内容一般廃棄物・産業廃棄物収集運搬業/産業廃棄物中間処分業/リサイクル業
資本金2,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。