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事例集02:時代に応じた新しい事業の柱をデジタルの力で拡大

2023/03/31

アライアンサーズ株式会社

Q 貴社の事業について教えてください。

A

当社は2018年11月設立。当初の主力事業は高齢者の身元引受契約や老人ホーム葬・おひとり葬でした。高齢者が入院や老人ホームに入所する際には身元引受人が必要ですが、単身者や子どものいない夫婦では、入院や入所がままならないことも多いのです。身元引受契約はお身内に代わってサポートするもので、さらに、お亡くなりの際には葬儀から納骨まで手がけます。これらの業務から、契約者が入居している有料老人ホームとの関係も構築されていきました。

この事業を続けているうちに、高齢者向けビジネスを手がけたいと考える企業からご相談をいただくようになりました。今まで培ってきたノウハウを活かして、新規事業をスタートしました。

※写真 代表取締役 久保 渉

Q 公社に相談した経緯と内容を教えてください。

A

老人ホーム葬・おひとり葬の事業で、2020年に創業助成金の支援をいただきましたが、直後のコロナ禍で、高齢者施設への営業活動が一切できなくなってしまいました。そこで公社に販路開拓のための事業の立て直しについて相談しました。まずは状況を丁寧にヒアリングしていただき、現状を冷静に分析していきました。

大手ゼネコンの管理部門に在籍後、IT企業の人事を8年務めた久保さん。「世の中のためになる事業をしたい」とアライアンサーズ株式会社を設立した。

Q 専任アドバイザーによるハンズオン支援は、どのようなものでしたか?

A

支援開始直後、まず、アドバイザーと共に、現状の事業ごとの売上などを分析して議論を重ねました。老人ホーム葬・おひとり葬の事業は継続しつつも、私が今までの事業で培ってきたノウハウを活かして新規事業をスタートさせることにし、支援のメインテーマとして、その販路開拓についての相談をしました。

アドバイザーは旅行業界で長年の実績を積んだ方で、ある時はビジネスの先生として、またある時は父親のように細やかなアドバイスをいただきました。

公社のアドバイザーからは、厳しい現状を提示されて耳の痛い場面もあったという。自社の弱みをしっかりと見据えた上で「頼る力」を発揮できたのが事業拡大の要因とのこと。

Q デジタルマーケティングへの取り組みについて教えてください。

A

新規事業を拡大しようにも、当時はコロナ禍、対面での顧客アプローチは難しい状況です。まずはYouTubeチャンネルとランディングページ(以下、LP)を制作することにしました。

以前からYouTubeでは一般の方向けに老後や終活に関する情報を発信していましたが、新規事業は高齢者向けビジネスを立ち上げる企業に向けたものです。ターゲットに合わせたYouTubeチャンネルを別途用意する必要がありました。

アドバイザーを介したYouTube専門家から「新しくYouTubeチャンネルを開設する際には、多数の動画をアップしないとGoogleの評価も上がらない」、まずは「動画を100本アップすること」とのアドバイスを受け、私は1カ月足らずで動画100本を制作。3~4分の短い動画ですが、シニア向け事業を手がける企業がつまずきがちなポイントやアドバイスを簡潔にまとめました。動画を制作するのは大変だと思われる方が多いかもしれませんが、私はノートPCに内蔵されたカメラを活用し、Webミーティングの要領で録画しています。特別な機器も必要ないですし、この方法だと1日で10本以上は制作できます。

LPに関しては、代表が顔を出して語ること、具体的な成功事例を掲載すること、また、あと少しの工夫で成功していた失敗事例も取り上げて紹介することで、新規サービスの必要性をアピールできるとの助言をいただき、こちらは現在ブラッシュアップを進めています。

印象的だったのは、初めてYouTube経由でご相談をいただいた時、公社のアドバイザーが自分のことのように大喜びしてくれたことです。一緒にビジネスの成功を目指してくれていることを実感しました。

Q デジタルマーケティングの成果について教えてください。

A

YouTubeにアップしている動画の、それぞれの再生数は決して高くありませんが、一度アップすればずっと見ていただけるので、コンスタントに動画をアップすることで今後効果も上がっていくのではないでしょうか。

既にYouTube経由でのお問い合わせ、お申し込みもいただいており、ほとんどの方がLPを閲覧されているようです。動画を観ただけでは、興味を持っていただけてもお問い合わせまでは至らないことが少なくありません。YouTube動画がLPに誘導し、実績や代表者の人となりを信頼してくださった上で、ご相談をいただけるのです。YouTubeとLPは車の両輪のような関係で、どちらも重要だと感じています。

興味深いのは、同じ業界のお客様からご相談をいただいていることです。いずれも同じ課題を持っていましたが、単独では解決が難しいものでした。そこで私が今までのノウハウと人脈を活かし、すでに、数社にITを駆使した取り組みを提案しています。

高齢者向けビジネスを通して老人ホームとの交流も深められている。この人脈により「老人ホーム葬・おひとり葬にも拡大のチャンスがある」と話す。

Q 今後の展開について教えてください

A

前述のソリューションについては、アドバイザーから「業界に特化したオンラインセミナーを開催してはどうか」とのご提案をいただきましたので、今後はオンラインセミナーにも注力し、事業を拡大していきたいと思っています。シニアマーケットの規模は100兆円と言われています。この大きなマーケットを開拓したいと考える企業の力になり、一緒に世の中を良い方向に変えていくことが目標です。

100兆円のシニアマーケットを一緒に開拓していく企業様との出会いを大切にしています。オンラインを活用し、多くの企業様に当社を知っていただけると嬉しいですね。

企業情報

企業名アライアンサーズ株式会社
所在地東京都新宿区新宿2-12-13 新宿アントレサロンビル2階
設立2018年11月
事業内容身元引受業務/お葬式業務(老人ホーム葬・おひとり葬)/高齢者向けの生活サポート
事業/終活コンシェルジュ(高齢者の皆様やそのご家族の終活相談)/シニア住宅紹介
/少額保険取扱業務
資本金300万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません