自社のホームページを管理するために、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を活用されていらっしゃいますか? CMSと言われてもピンとこなかった方でも「WordPress」「Jimdo」「Wix」といった名前は聞いたことがあるということも多いのではないでしょうか。

私たちもデジタルマーケティングの支援の中で、よくCMSについての質問や相談をいただきます。「どれがいいの?」「こちらの方が検索にいいの?」などの比較や評価に関することや「使い方がわからない」といった技術的なことまで、お尋ねいただくことはさまざまです。ただ、例えば何の前提もなく「これとこれはどっちがいいの?」と聞かれても、なかなか回答は難しいものです。と、いうのもCMSの種類によって得意なことや考え方が異なるからです。
ここではちょっと例え話をしてみます。あくまで大まかなイメージの話ではありますが、どんなサイトのつくりや伝え方が自社にあっているかを考えるヒントになればと思います。
WordPress – 中身重視のお弁当
日本国内で最もシェアが多いCMSはWordPressです。調査(※)によると8割以上とされています。デザインとデータを分けて管理していることが特徴です。もともと記事更新前提で開発されたので、記事やコンテンツを効率よく更新を繰り返していくことに適しています。サーバー環境があればCMS自体にランニングコストがかからないのも特徴です。
例えるなら、中身は別につくられて、決まったいれものにつめるお弁当のようなイメージ。仕切りなどの制限はありますが、何をいれたら喜んでもらえるか試してみるのには適しています。ちょっとした場所があれば、提供するために決まったお店を借りる必要もありません。
参考データ:w3techs / Distribution of content management systems among websites that use Japanese as content language

このスタイルでは、中に何が入っているかが重要。素材にこそこだわりが表現しやすいので、コンテンツをいろいろと工夫しながら継続的に提供していきたいという方と相性が良さそうです。
Wix – 見た目も味のうちの一皿
一方で見たままのデザイン修正がしやすいビジュアル主導型のCMSの代表格Wixは、写真やテキストの位置などを編集画面の中で自由に動かすことができるので、思うような表現がしやすいのが特徴です (パソコンサイズとスマホサイズの表示の違いに注意)。ただオンライン上のサービスの中で構築するので、サイトデータをそのまま他で使えるようにダウンロードしたりはできません。
例えるなら、お皿の上の盛り付けにもこだわるアラカルト型。見た瞬間の印象や個性も味のうち。サービスや内装まで含めて、雰囲気や体験も楽しんでもらうようなイメージです。この場合はお店自体を維持するためにランニングコストが発生します。

コンテンツに加えて、さらにどんなことを感じてほしいか、伝えたい世界観がある場合には自由な表現がしやすいです。印象的なビジュアルや色使いなどがあるとより活きてくるものです。
Jimdo – スピーディーにお腹を満たして
近年はAIエディタなども採用され、簡単な操作で公開まで持っていけるのがJimdoの特徴。細かいカスタマイズなどには制限もありますが、必要な要素がある程度整った形で公開できれば、操作感やスピードの方が大事という場合に適しています。
例えるなら、定型化されたメニューをテンポよく提供してくれるチェーン店型。ひとりひとりにカスタマイズしたりできる範囲は少ないかもしれませんが、思い立ったらすぐにお腹を満たすことができるスピード感と手軽さがありがたい存在です。

公開したい内容は決まっていて、見せ方などは今の傾向などにあわせてもらえれば十分、といったケースでは専門的な知識や環境設定などがなくても、サイト立ち上げまでもっていけるCMSは経営やプロジェクト運営など、他の業務と並行して行っている方などの助けになるかもしれません。最近では、内容を入れると生成系AIがそのまま公開できるサイトデザインや画像生成まで行ってくれるサービスも増えてきていますが、その点で考え方や利用シーンが似ているかもしれません。
CMSが違えばできるものも違う
もちろん上記のような要素は特徴的な点をあげた内容なので、WordPressだと手早くできない、とかWixでは更新しづらい、といったことを表すものではありません。
ここで伝えたいことは、CMSの種類が違うということは提供の方法が違うということ。ホームページという同じひとつの結果が出てくるわけではなくて、方法が3つあれば見た目は似ていても作り方や考え方は違うものができているということです。
開発側にもそれぞれ目指すものや考え方があります。得意なこと・面倒なことも異なります。それも踏まえて選ぶことで、運用に移った時のギャップを少なくすることができます。

上の3つの例の中に自社ホームぺージの提供スタイルに近いものはありますか? 公開して終わりではなく、運用を考えていく中で、誰がどんな情報をどんな頻度で、どんな相手を対象に提供していくのか、続いていく様子ややり方をイメージし、その用途にあったCMSを選んでいただくと、運用側の負担軽減にもつながります。
自社の考えや運用体制は続けられそうか、イメージはあっているのか、といったあたりのことは、ひとりで考えるよりも誰かに説明したり共有したりすることで広がることも多いです。スタッフや既存の制作会社、各種コンサルや私たちのような公的支援の相談員、あるいはChatGPTのような生成系AIと対話してみながら、自分なりの提供スタイルを固めていってください。
※本コラムは2025年10月時点の内容です。
