Web広告の実施にあたって最初に取り組むことが多いのが、Googleの検索連動型広告です。
本記事では、Googleの検索連動型広告の実施にあたり、自社での運用のポイント、代理店に伝えると良い内容などを紹介しています。これから実施を検討されている方や、始めたは良いがまだうまく使えていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
Google検索連動型広告の成功のための5つのポイント
自社での運用、代理店での運用のどちらの場合でも活用できる、成功に向けた5つのポイントをご紹介します。これらの内容を押さえて実施することで、検証結果が正しく得られ、効果の最大化に向けて着実に進んでいくことができます。
①目的を絞る
Googleの検索連動型広告は、様々な目的に応じた配信設定を行うことができます。どの効果を狙うのかを定めることで、配信設定に一貫性を出すことができ、効果の最大化に繋がります。代表的な目的とそれぞれの配信の特徴を3つご紹介します。
- ホームページに来る人を増やしたい
この場合は、広告のクリック数が多くなるような配信を行います。なるべく多くの人にクリックしてもらい、ホームページへの来訪を増やしたいときに行うやり方です。まずは商品やサービスを知ってもらいたいというときに利用する設定です。 - 競合よりも上に表示させたい
検索結果上で、競合よりもなるべく高い位置に表示させるように配信することも可能です。競合よりも先に自社の商品・サービスの名称を見てもらうことができるので、存在に気づいてもらったり、一番上にでてくるという安心感やブランディングを狙う際に有効です。 - 購入や問い合わせを増やしたい
実際の購入者数や問い合わせ社数を増やすことを目的にすることも可能です。より直接的な費用対効果を求める場合に実施する設定です。うまく軌道に乗せることができれば、主要な集客口へと育っていく可能性があります。
全部叶えられるのがもちろん理想ですが、限られた予算の中で最大限の検証結果や効果を得るためには、目的を一つに絞りましょう。配信設定はすべて異なるため、自社運用でも代理店運用でも、今何を検証すべきかといった目的を定めることが最初のステップとなります。
②見込み顧客像の認識を揃える
次に重要なのは、今回の広告は「どんな人に見せたいのか」という見込み顧客像をなるべく明確にすることです。Google検索連動型広告は、どんな人に表示させるかを細かく設定することができます。広告予算をより有効に使うためにも、見込み顧客と思われる人への配信がなるべく多くなるように設定をしていきましょう。代表的な設定項目を3つご紹介します。
- 配信地域(国、都道府県、市、区等)
- 配信デバイス(パソコン、タブレット、スマートフォン)
- 配信曜日・時間(平日のみ、深夜と早朝を除く等)
例えば、「都内の勤務中に会社のパソコンで調べ物をする人に見てもらいたい」という場合は、「東京都のみで平日9〜17時のパソコンへの配信を強める」といった設定をすることで、より効率的に配信をすることができます。
一方で、近年のこうした運用型広告は、自動での最適化が盛んなため、仮に絞り込みを行わずとも、ある程度自動で配信先を絞り込んでいってくれます。明確な顧客像がわからない場合は、無理に配信先を狭める必要はありません。
代理店に任せる場合は、見込み顧客像を理解している社内の人がしっかりと代理店の担当者に伝えることで、適切な配信設定ができるようにすることが重要です。
③広告の競合、自社の強みの確認
配信したい検索キーワードで実際に検索を行ってみることで、広告配信上の競合を確認してみましょう。どのような事業者がいて、どのような文言で配信しているかを見ることで、成功に向けた難易度を推し量ったり、これから広告で配信する文言の参考情報としたりすることができます。
また、自社の強みのうち、どの部分がより見込み顧客の反応を呼びそうかを改めて確認、整理しておきましょう。「短納期」「見積もりが簡単」「アフターサービスが豊富」「圧倒的な品質」「実績のあるスタッフのみが対応」など、様々な強みがある中で、検索をする見込み顧客が何に反応しやすそうか、他社の広告文と比較してより魅力的に見える内容はなにか、といったことを考え、設定する文言に反映させていきましょう。
④広告文や画像をたくさん用意する
Google検索連動型広告では、どの文言や画像がクリックされやすいか、問い合わせにつながりやすいかといった効果検証は、ある程度自動で行ってくれます。そのため、なるべく多くの表現の文言や画像を設定することで、最適な内容や組み合わせを見つけやすくなります。自動の最適化をしやすくするべく、③で整理した強みをもとに、様々な表現でなるべく多く入稿していきましょう。管理画面上で、広告の有効性が「非常に高い」になることを目指すのもおすすめです。

⑤予算と期間を決める
今回の広告配信にて「いつまでに検証を終えたいか」、「予算はどれくらい使えるのか」を決めましょう。例えば、2週間で10万円を配信し、効果の手応えや今後の成果の兆しがあるのかを確認する、といった形です。
1日の配信予算が少なすぎると、うまく配信がされず効果検証ができない場合もありますので注意しましょう。例えば、1日あたりの予算をクリック課金単価の相場よりも低く設定しまうと、1クリックも生まれない状況となってしまいます。
「最低〇〇万円は使わないと効果がわからない」など様々な考え方もありますが、検証の内容ややり方によっては、数万円でも検証ができることも多いので、まずは相談相手を見つけることをおすすめします。(東京都中小企業振興公社のデジタルマーケティング導入スクールではWeb広告の講義もあり、個別に相談もできます。)
Google検索連動型広告の配信開始後にチェックすべき3つのポイント
Google検索連動型広告をはじめとする運用型の広告は、文字通り「運用」をすることが前提の広告となります。そのため、配信を開始してからが本当のスタートとも言え、配信レポートを適切に見ながら運用を行っていきましょう。
ここでは、配信開始後に見るべき重要なレポート画面と、運用の仕方について紹介します。
①不要なキーワードへの配信を除外
見込み顧客がどのようなキーワードで検索しているかを測るためにも、最初はある程度幅広いキーワードの検索結果へ配信することが一般的です。機会損失が少なくなるメリットがある一方で、その弊害として、不要なキーワードへの配信がされてしまうことがあります。具体的には、似ている名前の全く別の商品名での検索で表示されてしまっている場合や、法人向けの商品なのに消費者向けのキーワードに表示されてしまっている場合などです。
例:業務用のプリンターなのに、「プリンター 家庭用」といった消費者向けキーワードに配信されてしまっている
そういったキーワードを配信から除外するために、以下の画面を確認し、表示回数が多いが自社と関係がないキーワードを見つけ、除外設定をしていきましょう。

②広告見出しの運用
配信した結果、クリック率や問い合せ率が良くなかった文言を見つけ、別の文言のテストへと切り替えていくことで、より費用対効果を高められる可能性があります。
以下の画面で、「学習中」「保留」のままの文言や、表示回数が著しく少ない文言は、入れ替えの対象となります。「最良」「良」となっている文言の別パターンや、新たにテストしたい訴求内容へと文言を入れ替えていきましょう。

③配信先の調整
配信された先が、顧客像とずれてないかを確認し、必要に応じて設定を見直しましょう。年齢、性別、曜日・時間、デバイス(パソコン・タブレット・スマートフォン)などの配信結果が確認できます。

広告を見せたい見込み顧客像とずれがある場合は、配信の除外設定を行ったり、配信の重みづけを変えたりするなどの対応が必要です。
例えば、配信デバイスが意図せず極端にスマートフォンに寄ってしまうといったケースでは、配信設定の重みづけだけでなく、配信先の調整(検索ネットワークをオフにする等)の対応で大きく改善するケースもあります。個別の状況により対応や効果は異なりますので、様々な設定を試してみたり、代理店にパターンを洗い出してもらったりしながら対応をしていきましょう。
Google検索広告の始め方と具体的な運用方法(基礎編)のまとめ
Google検索連動型広告の始め方と配信開始後の運用についてご紹介しました。本記事でご紹介した内容以外にも、配信の計画策定や準備時にできることや、様々な機能や設定、調整ポイント等がありますが、今回は基礎編としてまずは押さえたいポイントのみをお伝えしました。
Googleの検索連動型広告は、専門的な用語も多く、構造を理解するのも大変です。そのため、詳しい知識や知見、運用経験を持ち、平易な言葉でわかりやすく解説してくれる相談相手を見つけることをおすすめします。