近年、企業の広報活動においてプレスリリースの重要性が高まっています。従来の新聞や雑誌、テレビといったマスメディアを通じたPR活動に加え、インターネット上でプレスリリースを掲出することで、より広範囲に情報を届けることが可能になりました。特に中小企業にとって情報発信は重要なテーマであり、プレスリリースを上手に活用することで、マーケティング活動をより効果的なものにすることが出来るようになりました。本記事では、特にオンラインでのプレスリリースの有効活用方法について詳しく解説します。
1.ネットリリース掲出でYahoo!ニュースに転載される可能性
オンラインでプレスリリースを発信する方法は大きく3つあります。
①自社のウェブサイトやSNSで発信する。
②取り上げてもらいたいメディアに直接アプローチをする。
③プレスリリースの配信サービスを活用する。
上記③のネットプラットフォームについて主なところとしてPR TIMESやValuePressなどが挙げられます。これらのプレスリリース配信サービスを利用すると、より多くのメディアに掲載されやすくなります。またYahoo!ニュースやLINEニュースといった大手ニュースサイトに転載される可能性もあります。これは、企業や製品・サービスの認知度を向上させる大きなチャンスです。
例えば、Yahoo!ニュースに転載されると、数万~数十万人規模の読者に情報を届けられる可能性もあります。また、検索エンジンでの露出が増え、企業名や商品名が多くの人の目に留まる機会が増えるため、ブランディングにもつながります。特に新商品やサービスを発表する際には、効果的な手段となるでしょう。
ちなみに上記①から③については、中小企業が自社で広報活動を行うケースを想定しています。ちなみにPR会社はこうした活動を包括的に実施するサービスを提供するとともに、PR会社自身にメディアとのコネクションがあるため、より多くの掲載を得る可能性が高まります。
2.プレスリリースを見たメディアからの問い合わせが増える
プレスリリースを配信することで、新聞・雑誌・テレビ・ラジオといったメディア関係者の目に留まる可能性が高まります。記者や編集者は、ニュースのネタを常に探しているため、魅力的な内容のプレスリリースを出すことで取材依頼や問い合わせが増える可能性があります。
特に、企業の独自性や社会的意義のあるニュースは、メディアにとって価値のある情報となります。例えば、「環境に優しい新製品を開発」「地域活性化につながる新サービスを開始」といった社会貢献性の高いニュースは、メディアに取り上げられやすい傾向にあります。またトレンドに乗っているニュースもメディアに取り上げられやすい傾向があります。
3.プレスリリースはメディアへのPRだけでなく、事業全般で効果を発揮する
プレスリリースは、単にメディア向けの情報発信にとどまりません。企業の取引先や関係者に対するPRツールとしても有効活用できます。一つのプレスリリースをPRだけのものととらえるのではなく、販売促進活動や組織作りなどにも活用しましょう。
- 取引先・関係者へのPR
新商品や新サービスの発表をプレスリリースとして発信することで、取引先に対して最新情報をわかりやすく伝え、ビジネスチャンスを生むことができます。またメディアで取り上げられれば信頼感の醸成にもつながります。 - 営業ツールとしての活用
過去のプレスリリースを営業資料に組み込むことで、企業の実績や信頼性を示し、商談の成功率を高めることができます。 - 社員への情報共有ツール
社員に自社の最新動向を知らせることで、社内の一体感を高めることができます。また自分自身の仕事と関連づけて考えるきっかけとなり、新規プロジェクトの立ち上げや既存事業の改善のきっかけにもつながる可能性がうまれます。 - 求職者へのブランディングツール
企業の活動や価値観をプレスリリースとして発信することで、求職者に対して魅力的な企業であることをアピールできます。また情報発信を積極的に行っている企業に対して、より前向きな印象を持ってもらえる可能性もあります。採用を強化したい企業にとっても、プレスリリースは効果的な手法と言えます。
4.効果的なプレスリリース作成のポイント
プレスリリースの効果を最大限に発揮するためには、以下のポイントを押さえた作成が重要です。
4.1 客観的に伝える
プレスリリースは、感情的な表現を避け、事実に基づいた客観的な内容で伝えることが大切です。メディアにとって事実を把握することは基礎中の基礎です。プレスリリースでは誇張表現は避け、基本的には冷静かつ明確なトーンで事実を記述しましょう。もし、事業への思いや夢など主観的な表現を入れる場合には、事実とは明確に分けた扱いにして入れると良いでしょう。
4.2 タイトルが大事
プレスリリースを受け取るメディア関係者は、一日に膨大な量のリリースをチェックしています。そのため、タイトルが目を引くものであることが重要です。具体的で簡潔なタイトルを心がけましょう。
4.3 タイトルに入れるべき要素
何を伝えたいかを明確にすることが最優先です。その上で、以下の要素を加えるとより強力なタイトルになります。
- 「初」「No.1」「希少価値の高さ」などのキーワードを入れる。
- 一目で内容が分かる具体的な表現を用いる。
- 興味を引くフレーズを盛り込む。
また、タイトルが気になった場合、メディアの人はタイトルの次に来るブロックをチェックします。したがって、タイトルの次のブロックにはプレスリリースの要約を入れて短時間でリリースの内容を理解してもらうことが重要です。なお、それ以降の書き方については、1つのブロックに1つのトピックスという形で伝えていきましょう。写真や図も活用すると、より具体的に伝わるでしょう。
5.生成AIを活用してプレスリリース作成時間を短縮
最近では、ChatGPTやClaudeやGeminiなどの生成AIを活用することで、プレスリリースの作成が効率化できるようになりました。従来、プレスリリースの作成には時間と手間がかかりましたが、生成AIを活用することで、短時間で質の高いプレスリリースを作成しやすくなりました。生成AIが出してきたプレスリリースの内容を確認し、加筆修正して完成させる形も良いでしょう。なお生成AI活用に関しては、プロンプトが大事になります。必ず入れたい言葉、内容などを整理すると良いでしょう。
6.リアルフォローを加えることで、テレビ番組での露出率アップ
オンラインでプレスリリースを配信するだけでなく、リアルにフォローを加えることで、テレビ番組などで取り上げてもらえる可能性を高めることができます。例えば、取り上げてもらいたい特定のメディアがある場合には、そのメディアへプレスリリースを郵送するという方法もあります。特に地方の場合には、地元メディアで取り上げてもらうために直接アプローチすることも並行して行うと良いでしょう。まず地元メディアで取り上げられ、その後全国ニュースになるということは珍しいことではありません。なお業界紙や業界誌については会社へ電話をしてプレスリリースの送付先を確認するアプローチも行う方が良いでしょう。
まとめ
プレスリリースは、企業のPR活動を強化する有力なツールです。適切なタイトルの設定や分かりやすい構成・内容にすることで、企業の伝えたいことを多くの人に効果的に情報を伝えることができます。また、生成AIを活用することで、プレスリリースの作成時間を短縮することができるようになり、プレスリリースを作成する負担も大幅に軽減できるようになりました。作成したプレスリリースの配信先については企業や製品・サービスのターゲットにあったメディアを選ぶと良いでしょう。オンラインでのプレスリリースに加え、リアルでもフォローすることで、メディア露出の可能性をさらに高めていきましょう。
中小企業だからこそWebブランディングは取り組む価値があります。より効果的、より効率的な経営・マーケティングにも繋がる有効な活動です。ぜひ、取り組みをはじめてみてはいかがでしょうか。