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Googleアナリティクス4(GA4)の基本用語

公開日:2023/09/25

最終更新日:2024/07/10

藤原哲史(ふじわら・さとし)

Googleアナリティクス4(GA4)を使ってWebサイトを分析するためには、まずは基本的な用語を理解しておくことが必要です。今回は、GA4を活用してWebサイトを分析・改善していくために理解しておきたい用語を、入門者向け、初心者向けにわかりやすく解説していきます。

*GA4の操作画面に表示される語句や表記は頻繁に更新されているため、下記の解説文の用語は、当コラムの執筆時点のものになります。

1)主な用語

Googleアナリティクス4(GA4)

Googleアナリティクス4は、Googleが提供する最新のアクセス解析ツールで、通称「GA4(ジーエーフォー)」と呼ばれています。GA4は、前バージョンのGoogleアナリティクス「UA(ユニバーサル・アナリティクス)」と比べてより高度なAI機能を搭載しており、ユーザーのプライバシーにも配慮しています。なお、よほど大規模なサイトでなければ無料で利用できます(有償版もあり)。

イベント

イベントとは、GA4の中核となる概念で、ユーザーがWebサイトやアプリで実行する何らかのアクションを指します。例えば、ページの閲覧、スクロール、ボタンのクリック、フォームの送信などが含まれます。これらのイベントを追跡することで、ユーザーの行動やWebサイトやアプリ利用方法を理解することに役立ちます。
なお、イベントには以下の4つの種類があります。
1)自動収集イベント:自動的に計測されるイベント
2)拡張計測機能イベント:GA4の管理画面で有効化すると自動的に計測されるイベント
3)推奨イベント:Googleが挙げた候補の中から計測したい内容にあったイベントを選んで実装するもの
4)カスタムイベント:ユーザーが独自にイベント名を定義して実装するもの

*GA4では、ユーザーのPCとスマホといったデバイスの横断やWebサイトとアプリ利用をまたがって計測できるようになったことが大きな特徴ですが、今回のコラムは入門者向けのため以降の用語解説ではWebサイト分析を中心に記載していきます。

キーイベント

イベントのうち、重要なアクションをキーイベントとして設定することができます。商品の購入や会員登録など、Webサイト上でユーザーに取って欲しいアクションをキーイベントとして計測することで、キーイベントに貢献しているページなどを分析することができ、効果的な改善策に役立てることができます。以前はコンバージョンと呼ばれていた指標ですが、GA4と連携する「Google広告におけるコンバージョン」と区別するために、キーイベントに名称変更されました。
各キーイベントの数値を確認したい場合、サイトの全体像を把握するためのレポートである「スナップショット」を開くと閲覧できます。また「標準レポート」では、指標項目「キーイベント」の下の「▼マーク」から該当のキーイベントを選択して表示することができます。

セッション

Webサイト内へユーザーが訪問してからサイトを離脱するまでの連続的な行動をセッションと呼びます。セッションを追跡することで、ユーザーがサイトをどれだけの時間利用しているかやどのような行動を取っているかなどを分析することができます。なお、同一サイト内の複数ページを閲覧するとページ表示回数は増えますが、セッション数は1のままです。また一連のセッションの長さには制限がありませんが、30分間操作がなければセッションは終了となります。

表示回数

表示回数とは、インターネットを通じて、Webサイトのページがブラウザに表示された回数を指し、PV数やページビュー数と呼ばれることが多いです。なお、表示回数は、ページを見た「人数」ではないので、同じユーザーがブラウザの更新ボタンを複数回押してページを再表示させても表示回数にカウントされます。

ユーザー

ユーザーは、Webサイトにアクセスした人のことを指します。GA4でユーザー数という場合、「アクティブユーザー数」を指します。アクティブユーザー数とは1秒以上画面を最前面に表示させていたユーザー数と定義されています。一方、「総ユーザー数」は、エンゲージメントセッションの発生の有無に関わらず、Webサイトを操作したユーザーの合計数を指し、Webページを画面の最前面で表示していないアクセスもカウントされます。また、新規ユーザーとは、初めてサイトを訪れたユーザーで、リピートユーザーは、過去に1回以上訪問しているユーザーを指します。

エンゲージメント

エンゲージメントとは、ユーザーがWebサイト内で行った価値のあるアクションのことです。具体的には、以下の3つのいずれかを満たすとエンゲージメントセッションとして計測されます。①10 秒を超えて継続したセッション、②コンバージョンが発生したセッション、 ③2ページ以上の閲覧が発生したセッション。
これにより、ユーザーが訪問した1ページだけを閲覧してそのまま離脱しても、10秒以上滞在していればエンゲージメントがあったと評価され、「直帰」には含まれません。

2)自動で計測されているイベント

前項で、イベントとはGA4の中核となる概念であるとお伝えしました。イベントのカテゴリには、標準で設定されている「自動計測イベント」、オプションを有効化するだけで自動設定できる「拡張計測機能イベント」、必要に応じて手動で設定する「推奨イベント」の3つがあります。本項では、自動で計測できる「自動計測イベント」「拡張計測機能イベント」のうち、代表的なイベントのイベント名(英字)と計測のタイミングを紹介します。

ページビュー

[page_view] ページが読み込まれるたびに記録されます。

スクロール数

[scroll] ユーザーが各ページの最下部まで初めてスクロールしたとき(垂直方向に90% の深さまで表示されたときなど)に記録されます。

離脱クリック

[click] ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックするたびに記録されます。

サイト内検索

[view_search_results] ユーザーに検索結果のページが表示されるたびに記録されます。

動画エンゲージメント

[video_start] 動画の再生が開始されたとき、[video_progress] 動画が再生時間の10%、25%、50%、75%以降まで進んだとき、[video_complete] 動画が終了したとき、に記録されます。

ファイルのダウンロード

[file_download] ユーザーがファイルに移動するリンクをクリックしたとき記録されます。

フォームの操作

[form_start] ユーザーがセッションで初めてフォームを操作したとき、[form_submit] ユーザーがフォームを送信したときに記録されます。これら 2 つのイベントを参照し、フォーム入力を開始したユーザーの人数と、フォーム送信したユーザーの人数を比較することでフォーム離脱率を把握することなどができます。

3)デフォルトチャネルグループ

チャネルとは、ユーザがWebサイトにアクセスした際の流入経路のことで、デフォルトチャネルグループは、GA4の分類ルールに基づき標準で設定されているチャネルのことです。新規ユーザーとリピートユーザーの流入経路の違いを把握したり、実施したアクセス増加策の効果を測定したりと、流入経路の分析は、Webサイトや施策の改善にとって重要な要素になります。以下に代表的なチャネルを紹介します。

Organic Search

オーガニック検索、自然検索などと呼ばれ、Google、Yahoo!やBingなどの検索エンジンの検索結果に表示された自社Webサイトのリンク(広告以外)からの流入を指します。

Direct

直接流入(ブラウザのブックマーク、ブラウザにURLを直接入力、QRコード等)を指します。

Referral

他のWebサイトに設置された自社Webサイトのリンク(広告以外)からの流入を指します。

Paid Search

Google、Yahoo!やBingなどの検索エンジンの検索結果の広告リンクからの流入を指します。

Display

ディスプレイ広告(Webサイトの広告枠に画像+テキスト等で表示される広告)からの流入を指します。

Organic Video

YouTube、TikTok、Vimeoなどの動画サイトに表示された自社Webサイトのリンク(広告以外)からの流入を指します。動画サイトの広告からの流入した際のチャネルはPaid Video。

Organic Social

FacebookやX(旧Twitter)などのSNSに表示された自社Webサイトのリンク(広告以外)からの流入を指します。SNSサイトの広告からの流入した際のチャネルはPaid Social。

今回は、入門者向け、初心者向けとして、GA4の基本的な用語を紹介してきました。基本用語を何となく理解できたら、GA4を操作しながら様々なレポート画面をチェックしてみてください。Webサイトの分析・改善に関して、さらに理解が深まると思います。

コラムニストプロフィール

藤原 哲史(ふじわら・さとし)

中小企業診断士、ITコーディネータ。出版社、広告代理店・制作会社にて企画・編集・制作業務に携わった後、2019年に株式会社クレビスを設立。現在、企業のマーケティングコミュニケーション活動(Webマーケティング、ブランディング、広告宣伝、販売促進、広報/PR)の戦略立案・実行・改善の支援に従事している。