• トップ
  • 企業事例
  • 公社支援の1年目はWebサイトの継続的な改修により着実に成果を上げ、今年度は潜在顧客への認知度向上とECサイトの売上拡大を目指す
製造業

公社支援の1年目はWebサイトの継続的な改修により着実に成果を上げ、今年度は潜在顧客への認知度向上とECサイトの売上拡大を目指す

2025/02/12

エレクター株式会社

松岡さんの背後に見える赤いラックは、物流業界で広く使われるパレットラック「ネステナー」。支援1年目にWebサイトの製品ページを改善し、アクセス数と問い合わせ数の増加につながった。

※写真
営業本部 EC営業グループ マネージャー 松岡 弘明

「エレクターシェルフ」を製造・販売するエレクター株式会社。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)は2年目の企業。昨年度はWebサイトの製品ページを継続的に改修したほか、展示会の出展効果を最大化させる施策を実行し成果を上げた。今年度はブランドの認知度向上施策とECサイトの改修に取り組む。

■本事業に申し込んだ背景■

「エレクター」のさらなる認知度向上を目指して

当社は看板商品のワイヤーシェルフをはじめ、物流業界向けのパレットラックや飲食業界向けの調理ワゴン、病院や福祉施設で使われる配膳車など、多岐にわたる商品を展開しています。幅広い業界で支持され、景気の影響を受けにくく業績は安定していますが、さらなる飛躍のためには潜在顧客に向けた「エレクター」の認知度向上をはじめとする、多角的な取り組みが必要と考えていました。

支援2年目の課題はECサイトの改善

2021年度に社内でデジタルマーケティングの専門部署を立ち上げ、まずはデジタルマーケティングの基礎となるWebサイトやECサイトのリニューアルを行いました。少ない人数で効果的な運用を行えるように、2023年度からハンズオン支援を受けています。1年目はWebサイトの製品紹介ページを見直し、ユーザー目線での訴求内容に変更していきました。また、展示会の出展効果を最大化するため、出展の告知ページや出展後のレポートページを制作したほか、MAツールを活用したリードナーチャリングの強化も図りました。一方、ECサイトの改善には着手できず、他にも積み残した課題があったため継続支援を申請しました。

エレクター株式会社の松岡さんと石井アドバイザー

「当社の状況や商流を踏まえ、BtoBとBtoCおよびデジタルとリアルの両面から、さまざまな販路開拓の施策をご提案いただいたアドバイザーには感謝しています」と語る松岡さん(右)。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

全社的な状況を加味したECサイト戦略の策定

2年目の支援が始まり、アドバイザーとともにECサイトに関する課題整理と目標設定から着手し、ECサイトを含めた全社の現状、競合やメイン商材などを再確認しました。
ECサイトは「ブランドの価値を大切にする」方針のもと、「潜在顧客を主な対象として認知度の向上」を目指す方向に進みました。その上で年間の販売促進計画を作成し、季節のイベントといった生活者行動に合わせた各種キャンペーンの予定を立てていきました。また、今後はSNS発信の強化にも取り組みます。アドバイザーは、デジタルマーケティングでありがちな数値にとらわれた画一的な手法を伝えてくれるのではなく、当社全体の状況を踏まえた上で一緒に施策を検討・考案してくれたので、今年度もその存在は大きかったです。

■具体的な販路開拓への取り組み■

ECサイトはコンテンツを拡充

ECサイトは、分かりにくい部分を修正してUI・UXを改善したほか、「シェルフの選び方ガイド」「オーダーメイドのご案内」ページも追加してコンテンツを拡充。さらに「ヴィンテージエディション」などの特集ページを新設し、更新した際にはSNSでも告知しました。
また、動画制作の専門家派遣にて、生成AIで自動字幕を付ける方法も学び、まずは社内のコミュニケーション活性化を目的とした動画に活用しています。定期的な会員向けのメルマガ配信も継続し、認知度は低いがプロ仕様の隠れた名品なども紹介していく予定です。
並行してリスティング広告も実施しています。当社の製品は類似品に比べて高価ですが、丈夫で錆に強く、用途が変わっても組み替えて長きにわたって使用できます。そうした魅力をLP(ランディングページ)にて訴求しています。そのほか、SEO対策においても、効果的なキーワードの選定によってさらなる認知度向上を目指します。

自社ECサイトのトップページに設置した特集企画。「ヴィンテージエディション特集」や「キャスターの選び方」などの記事を掲載したところ、アクセス数が向上し販売数も増加した。

エレクター株式会社のECサイト。UI・UXの改善、コンテンツの拡充、特集ページの新設を実施した。

■支援の感想と今後の展望■

ノウハウの共有により販売店との共栄を目指す

ECサイトに設置した特集ページの公開後、紹介した商品の販売が増加しました。行った施策の中には、すぐに売上増につながらないものもありますが、認知度向上やブランディングは長期的な視野で取り組んでいきます。現在は自社だけではなく、販売店のECサイトについても、状況の把握や改善に取り組んでいます。自社ECサイトの改善で学んだことを共有するなど、販売店の売上拡大も目指します。

アドバイザーの助言を活かし自走体制を整備

ハンズオン支援により、支援前と比較してエンゲージメントは大きく向上しました。支援のメリットは、自分たちだけでは気づかない客観的な視点で専門家の意見を聞けることで、ECサイトのUI/UX向上や特集ページの企画などは、アドバイザーの助言があってこそ完成できました。支援終了後も課題をクリアしながら、自走体制を整備していきます。

「価格以上の価値をデジタル施策でより幅広い層に訴求」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石井 邦利

この2年間、限られた人的リソースの中でデジタル施策にコツコツと取り組み続けてきた松岡さんをはじめとするメンバーの姿勢には感銘を受けました。憧れの家具である「エレクターシェルフ」の魅力が、今回の施策をきっかけにより幅広い層に伝わってほしいと思っています。プロ仕様の隠れた名品をコンシューマー向けに紹介するなど、アピールの余地は十分にあります。価格以上の価値をもっと多くの方に伝えられるよう、SNSの活用を含め最後まで伴走していきます。

※本記事は、2024年11月時点の情報です。

企業情報

企業名エレクター株式会社
所在地東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー14F
設立1966年8月
事業内容ワイヤーシェルフの製造・販売/病院向け配膳車・下膳車、物流向けパレットラックの製造・販売 ほか
資本金8,800万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。