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馬着のクリーニングにおいて前年比受注250%を達成 デジタル施策が大きな変革に

2024/03/25

和協クリンシン株式会社

「何事もまずは自分でやってみたい」と語る和田代表。絨毯クリーニングのプロとしての情熱は、未経験ながらブログや動画制作に真摯に取り組む姿勢にも通じている。

創業57年、絨毯や馬着といった特殊クリーニングの専門会社として高い技術を持つ和協クリンシン株式会社。これまでは下請け案件が中心であったことから新規顧客の獲得を狙い、中長期的な視点で自社サイトにおけるブログや動画配信などの施策を進めている。

※写真 代表取締役 和田 浩幹

■本事業に申し込んだ背景■

リソースとノウハウが不足

当社の主力事業は絨毯などの特殊クリーニングです。受注の約8割を大手の下請け案件が占め、残りの約2割が一般家庭や馬着(=馬服:冬場に防寒などの目的で馬に着せる)などの直請けという状況でした。以前からデジタルの力で新規顧客開拓の活路を見出したいという考えはありましたが、人的リソースも、ノウハウも不足しており、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を申請しました。

「半信半疑」だったハンズオン支援

当初は「うちのような小さな会社にもできるのだろうか」と懐疑的な部分もありました。ハンズオン支援に先だち行われた面談の際、「御社の場合、Webサイト改善と動画活用が良いのでは」と、当社にマッチしたアドバイザーを推薦していただき、しっかり寄り添ってくれる公社の姿勢に安心したのを印象的に憶えています。

洗浄した絨毯は基本的に自然乾燥させる。絨毯は、材質・織り方・染色法などによってメンテナンス方法も異なるため、一枚一枚を検証して手間をかけ丁寧に仕上げていく。

■ハンズオン支援の内容■

視点を変えることで見えた「強みの再発見」

初回のミーティングでは、アドバイザーから、直請けにも通ずる自社の強みと訴求ポイントを教えていただきました。例えば、「創業57年の歴史」はBtoBの営業活動において信頼を築く重要な尺度になりますが、BtoCでは「親切で丁寧、ご自宅の絨毯がきれいに蘇るプロの技」と切り口を変えてアピールした方が伝わりやすくなります。また、下請け業者としての豊富な技術や機動性も、視点を変えれば顧客対応力として直請けのターゲット層に響く大きな強みになることなど、基礎的なマーケティング知識を得ることができました。

顧客目線での訴求の重要性

印象に残っているのは、「絨毯の専門家ではなく、絨毯洗いのプロであることを伝えましょう」という助言です。それまでは「絨毯を扱う会社は、絨毯について詳しく伝えるべき」と、『ペルシャ絨毯とは?』などの情報を発信していましたが、お客様が欲しい情報は「絨毯をいかにきれいに洗ってくれるのか」です。当社が持っている「クリーニングにかける想いや技術を伝えていけばいい」と言われたことは、その後の情報発信における指針になりました。

■具体的な販路開拓への取り組み■

「WordPress」を習得してサイトを内製

まずは、ブログや動画を制作し、Webサイトコンテンツの充実化を図るデジタル施策に取り組みました。しかしながら既存サイトは新しいコンテンツを追加できない仕様になっていることが判明しました。そこで専門家派遣の活用を提案され、Web制作のプロから「WordPress」を学び、内製にてサイトの作成を行うことにしました。

ブログと動画制作を長く続ける秘訣

ブログと動画の作成は、「テーマの立て方や長く続けるためのコツ」のレクチャーからスタートします。全く別のネタで10本のブログを書くのは大変ですが、例えば「シミ取り」をテーマにした記事でも、赤ワインの場合、白ワイン、ケチャップ…とそれぞれの事例で展開すれば、さほど苦労せずに本数を書くことができます。あわせて、そのシミを落とす動画もセットで載せ、ターゲットに興味を持っていただける情報発信に取り組みました。

X(旧Twitter)やInstagramの反響から顧客を分析。遠方のお客様、ペルシャ絨毯やキリムの愛好家など、絨毯クリーニングを求める層の厚さにも気づいたという。

■デジタルマーケティングの効果■

Webでの情報発信で前年比250%を達成

Webサイトの改修・コンテンツ強化とともに、X(旧Twitter)やInstagramなどSNSでの発信にも注力したことにより、すでに馬着クリーニングの受注において前年比250%の成果が出ています。ブログや動画、SNSをきっかけにユーザーと接点を持つ機会が増えて、馬着洗浄のニーズがあること、乗馬クラブから畜産関連の学校までさまざまな顧客がいること、また絨毯クリーニングについても一般のお客様が「どこに発注すればいいのか分からない」「宅配便で送れるのか」といったお悩みや疑問をお持ちであることなどを知りました。これは今後の営業活動の方向を決めるうえで重要な情報になります。

ハンズオン支援は実践型サポート

八方ふさがりだった1年前の状況を考えると、ここまで大きな成果が得られたのは信じられないことです。当社のレベルに寄り添い実践型のサポートを行ってくれたアドバイザーには本当に感謝しています。

気づいていない自社の強みを認識することからスタートしました

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 酒井大輔

和協クリンシンさんの取り組みは、デジタルマーケティングの基礎的な部分です。和田代表のデジタル施策にトライする熱心な姿勢がスピード感を生み出し、優れたクリーニング技術を背景に、短期間での成果につながった好例だと思います。新規顧客の獲得は多くの中小企業に共通する課題ですが、意外と自社の強みに気づいていないケースが多いものです。

※本記事は、2024年1月時点の情報です。

企業情報

企業名和協クリンシン株式会社
所在地東京都稲城市東長沼1439
設立1967年
事業内容絨毯クリーニング、ソファーカーテンなどの特殊クリーニング、馬着クリーニングなど

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。