「デジタルマーケティングで新規顧客の獲得に取り組み、働きやすい会社環境をつくり、従業員により幸せな暮らしを実現してもらう」と話す藤森社長。
排水管高圧洗浄をメイン事業とする日本クリーン・アップ。仕事量はあるものの、下請け受注が大半で工数に見合う利益を得られていなかった。少しでもエンドユーザーに近づき価格決定権を持てる新規顧客の獲得を目指し、デジタルマーケティングに取り組んでいる。SEO対策と解析データに基づいたWebサイトの改修を進行中。
※写真 代表取締役 藤森 潔
■本事業に申し込んだ背景■
自社の強みを磨いて幸せな人生を歩む
当社は長年にわたり排水管の清掃事業に特化しており、さまざまな現場の排水管清掃のノウハウを蓄積しているのが強みです。お客様は飲食店やスーパーマーケット、マンション管理会社のほか歯科医院などもあります。仕事の依頼は多数いただいていますが、二次請け三次請けが中心で価格交渉が難しく、土日や深夜の対応も珍しくありません。当社の理念の一つに「人として幸せな働き方とは、太陽の出ている間に働き、好きなことを充分にできること」があります。従業員の「幸せな生活」を実現するためには、当社が持つ経験と技術力を発揮できる付加価値の高い案件を受注し、働き方と給与水準を改善しなければならないと考えていました。
施工事例で技術力をアピールしたい
付加価値の高い案件を受注するためには、技術力と専門性をアピールすることが重要です。そのためにはデジタルの活用が有効な手段だと考え、まずはWebサイトに施工事例のコラムを掲載してみました。自分では上手く文章にできないので、経理事務の社員が客観的な視点で施工事例のコラムを書いてくれましたが、効果は得られず、二人で悩んでいました。そんな時、公社のメルマガでデジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム事業の案内をいただき、すぐにハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を申請しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
専門性訴求による問い合わせの獲得が目標
支援を申請した時の目標は、Webサイト経由のお問い合わせを月2~3件から月30件に増やすことでした。まずはサイトの閲覧数を増やし、当社の技術力を知ってもらいお問い合わせにつなげたいと考えていました。アドバイザーとの初回のミーティングでは、受注状況や利益率、目標などを丁寧にヒアリングしていただきました。
閲覧者の離脱ポイントを分析
アドバイザーと一緒にWeb解析ツールで閲覧者の行動を分析したところ、重要なことが分かりました。キーワード検索から施工事例コラムに流入してはいるのですが、ほとんどがコラムを読んだ後にそのまま離脱しているのです。アドバイザーには、コラムからトップページへの誘導、加えてターゲットのお悩み別のページを新設し、そこからお問い合わせまで誘導する仕組みが必要だと指摘されました。また、ヒートマップ分析(Webサイト訪問者のページ内行動を可視化)によると、PCでの見え方を中心に作成されたサイトのため、スマートフォンで不自然な見え方になってしまう箇所で離脱が多いことが判明しました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
コンテンツ強化とWebサイトの改修
まずは、SEO対策と離脱を防ぐためのサイト改修に取り組みました。検索されやすいワードを組み合わせて新規コラムのタイトルを作成するほか、専門性の高い事例のコラム作成にも着手、また既存のコラムにも検索されやすいワードを盛り込んでタイトルと文章を変更していきました。また、解析データを参考にしながらサイトデザインの改修も進めています。
LINE投稿で既存顧客を定期フォロー
さらに、アドバイザーからの提案でLINEの施策に取り組んでいます。当社の公式アカウントには過去お取引のあったお客様など200人ほどの「友だち」がいましたが、これまで何も発信していませんでした。そこで、月1回の投稿で直近の施工事例をご案内するほか、トーク画面下部にリッチメニューを追加してお問い合わせをしやすいよう対策を施しました。
■デジタルマーケティングの効果■
歯科医院からの受注を獲得
アドバイザーと協議し、サイトのトップページに歯科医院専用の入口を設置、またコラムに歯科医院の施工事例紹介も掲載しました。結果、閲覧数は徐々に増加し、歯科医院からのお問い合わせが10件近くあり、そのうち2件が受注に結びついています。歯科医院の排水管清掃には高度な技術が必要となりますので、当社がこれまでの経験で蓄積したノウハウが活かされます。今回のハンズオン支援により、専門性が高い歯科医院からの受注獲得に成功しました。
運用体制の整備
今後の課題は、自社内で効果を分析しながらWebサイトを運用していく体制づくりです。継続支援を申請し、来年度もアドバイザーに伴走していただきながら、2024年度中には月30件のお問い合わせという目標を達成したいと考えています。
デジタル技術への好奇心と判断スピード、実行スピードが成果につながる
代表の藤森さんはデジタルマーケティングの可能性を理解し、信頼してくれる方です。やりたいことを言語化するのが上手で、デジタル技術への好奇心も旺盛です。ヒートマップ分析の導入を提案した際には「いいね!入れよう!」と即断即決してくれました。施工事例コラムを担当する経理部の方は実行スピードが非常に速く、PDCAのD(DO・実行)を一手に担っています。日本クリーン・アップの取り組みは同業の皆様の参考になるのではないでしょうか。
※本記事は、2023年12月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 株式会社日本クリーン・アップ |
所在地 | 世田谷営業所 東京都世田谷区代田1-16-3-101(本社 埼玉県草加市高砂1-11-55) |
設立 | 1990年5月 |
事業内容 | 排水設備維持管理(グリストラップ清掃・排水槽 清掃作業・排水管緊急修理・グレーチング・雨水槽清掃) |
資本金 | 1,000万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。