Webサイトの運営を担当する副代表の阿部さん。「ハンズオン支援でデジタルマーケティングの基礎と実践を学び、ようやくスタートラインに立つことができました」と話す。
中古マンションのリフォームやリノベーションを手がける藤孝建設。会社設立から50年以上の歴史を誇る老舗企業だ。現在、主なターゲットを不動産会社から一般ユーザーへとシフトするため、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)でデジタルマーケティングに取り組んでいる。
※写真 副代表 阿部 哲
■本事業に申し込んだ背景■
三代続いた建設会社でリノベーションを開始
当社は社名の通りもともとは建設会社でしたが、現在はマンションのリフォームやリノベーションを中心に手がけています。以前の受注先は、中古物件をリノベーションして賃貸・販売する不動産会社が中心でした。しかし、昨今はリノベーション済み物件のニーズに加えて、コロナ禍を経て「おうちじかん」を大切にすることや、「自分らしさ」を大切にしたいユーザーが増えています。そこで将来を見据え、「自分好みの内装にしたい」「古くなったお部屋を新しくしたい」と考える一般ユーザーにターゲットを変更しようと考えました。また、コロナ禍の影響により対面営業ができない状況が続き、その頃からデジタルを活用した情報発信の必要性を感じていました。
コロナ禍での自社集客拡大にWeb活用を模索
まずはInstagramで自社の施工事例を投稿してみましたが、反響はほとんどありませんでした。「なぜ反響がないのか」、販路開拓につながるWeb活用法を基礎から学んでみようと考え、公社のハンズオン支援に申請しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
「SEO嫌い」がSEOに挑戦
2023年6月に行った初回のミーティングで、アドバイザーには受注状況をお話し、Web経由のお問い合わせを月2~3件、受注を年1件獲得するという目標を掲げました。
アドバイザーから最初に提案されたのが「ローカルSEO」です。これは近隣のお客様に当社を知っていただくことが目的の施策です。実は、就活時に多くの企業情報をネットで収集した経験から、SEOには良い印象を持っていませんでした。あきらかにアフィリエイト(成果報酬型広告)と思われるまとめ記事ばかりが検索上位を占め、本当に欲しい情報が埋もれてしまっていたからです。「SEOは嫌いです」と正直に言ったところ、アドバイザーから「私が嫌っているSEOは本当のSEOではなく、検索した人に欲しい情報を伝えるのが本当のSEOである」ことを教えていただき、私のSEOに対するイメージが偏っていたことを知りました。そして、積極的にSEO対策に取り組むことを決意しました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
お客様との良い関係が口コミの投稿につながった
まずはローカルSEO施策として、GBP(Googleビジネスプロフィール)の情報を整理しました。業種が「建築設計事務所」になっていたので「リノベーション業者」に変更し、「リフォームは大きな買い物だからお客様の評価が大事」とのアドバイザーの提案から、顧客の皆様に口コミを依頼しました。口コミは「ヤラセ」にならないよう気を付け、お客様の本当の気持ちを書き込んでいただきました。口コミの投稿を依頼したのは、施工後もお付き合いが続いているお客様ばかりでしたが、快くご協力していただき本当に感謝しています。
書きたいテーマで熱量のあるコンテンツを作成
次に取り組んだコンテンツSEOでは、リノベーションを検討している方が検索しそうなキーワードでブログ記事を作成していきました。最初のテーマは、営業の現場でお客様から質問されることが多い「リノベーションの費用」としました。ぜひ書きたいと思っていたテーマです。アドバイザーからSEOに有効な記事の書き方のレクチャーを受け、一人でも多くの方に見ていただけるよう、なるべく具体的に予算価格帯ごとの事例を示して作成しました。文章だけでなく表やグラフを使うと効果的なこと、また同様の検索キーワードで検索ページの上位に位置する企業の記事は必ず読んで参考にすることなども助言していただき、原稿の添削をしてもらった後に公開しました。
■デジタルマーケティングの効果■
ローカルSEO対策で着実な成果
ローカルSEO対策の効果で、Googleマップ上における「リノベーション」の検索順位は9位から2位へと上昇し、GBPの閲覧数は最大で前年比42.9%増加しました。また、さまざまな施策の結果、お問い合わせも月3件はいただくようになりました。今後はお問い合わせの質を向上させるため、Webサイトの見せ方も変えていく予定です。
専門家派遣で得た知識も活かして自走できる体制に
また、写真や動画の撮影方法を学ぶために専門家派遣も利用しました。施工例を魅力的に見せる室内の撮影方法を教えていただき、Instagramに掲載する写真も見違えるほど良くなっています。今後もより多くの知識を習得して自走できる体制を整えていく予定です。ハンズオン支援が終わっても継続的にデジタルマーケティングに取り組んでいきます。
「SEO嫌い」だからこそ熱量のあるコンテンツを生み出せる
最初に「SEOが嫌い」という話をされた時も、さほど驚きませんでした。若い世代はSNSに慣れているので、検索エンジンでのキーワード検索を利用しない方が多いからです。阿部副代表が質の低い記事を嫌うのは、コンテンツ制作に熱量をかけるタイプだということです。実際に完成した記事はクオリティが高く、効果が期待できます。助言したことに対応するレスポンスが早く、新しい知識の習得にも積極的に取り組んでいますので、今後が楽しみな企業です。
※本記事は、2023年11月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 藤孝建設株式会社 |
所在地 | 東京都杉並区荻窪1-2-5 |
設立 | 1969年5月 |
事業内容 | (一般ユーザー向け)マンションリノベーションの設計監理・施工/(賃貸物件オーナー向け)賃貸物件の原状回復・バリューアップリノベーション/(不動産会社向け)中古マンションのリフォーム・リノベーション 設計監理・施工/インテリアコーディネート・家具購入相談のサポートサービス/自社オフィス内のワークスペース・レンタルスペースの運営・管理など |
資本金 | 1,000万円 |
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