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製造業

課題や優先順位を「可視化」 顧客獲得と売上向上につながる導線を強化し、月間最高収益を更新中

2024/02/22

株式会社エー・ディー・ピー

Webサイトの企画・運営からSNS活用、展示会の出展まで、広報全般を担っている野﨑さん。「自社のものづくりの魅力を広く伝えたい」と、デジタルマーケティングに取り組んでいる。

オリジナルのプリントTシャツなどの販売、法人から依頼されたアパレルプリント全般を行う。シルクスクリーン印刷の技術力や国内生産の品質の高さに定評があり、サステナブル志向に対応した製品は海外からも注目されている。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)は2年目の企業。

※写真 本社・北斎通りファクトリー プリント事業部 課長 野﨑 誠

■本事業に申し込んだ背景■

競合と差別化、Webでの販路拡大に課題

当社は、アパレルを中心とした法人や個人向けにオリジナルのプリントTシャツなどを販売しており、シルクスクリーン印刷をはじめとする高難度印刷における技術力と品質へのこだわり、いくつかのプリントの組み合わせによる提案力などが強みになります。以前からWebサイトやSNSの活用には積極的に取り組んできましたが、思うような手応えが得られないという課題がありました。

試行錯誤の末に辿り着いたハンズオン支援

「伝えたいことが伝わっているか」「正しくアプローチできているのか」、試行錯誤を続けましたがうまく収益につながらず、「これはもう自分たちだけでは難しい」と判断。課題解決につながる突破口を求めて、2022年の春に行き着いたのが公社のハンズオン支援でした。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

改善プロセスの「可視化」で取り組みが加速

アドバイザーとの初回のミーティングでこちらの課題を伝えたところ、次のタイミングには当社のターゲットと商品特性を整理したマトリクス分析(ポジショニングマップ)と、目標達成までのロードマップをご提示いただきました。具体的なゴールや改善プロセスを設定することで、今後進めるべき取り組みが「可視化」されたのはとても大きかったと思います。施策の内容や成果も把握しやすくなりました。

売れる「仕組み」を作る助言が気づきに

印象的だったのは、「まず売れる仕組みを作りましょう」という言葉です。「重要なのは各Webサイト、ECサイト、SNSなどさまざまなチャネルがシームレスにつながり、どのチャネルからでも顧客が商品の情報収集や購入を簡単にできる仕組みになっているかということです」との指摘を受けました。アドバイザーとは、BtoB、BtoCの顧客に向けてどこに注力し、どうアウトプットすれば良いかの議論を重ね、取り組む方向性を固めていきました。

「本社・北斎通りファクトリー」の他に、埼玉県三郷市の三郷シルクセンターと京都府久世郡久御山町の久御山支店にもプリント工場を有している。3つの工場にはベテランの職人が多数在籍。

■具体的な販路開拓への取り組み■

Webサイトを改修して流入経路を整理

当時、当社が運営していたWebサイトは計17本ありました。アドバイザーから指摘されたのは、数が多すぎること、申し込みにつながる導線が不足している点です。そこでまずは二つのWebサイトに絞って改修に取り組みました。各サイトへの流入経路を整理した上で、双方のサイトをストレスなくつなぐことができて、法人・個人どちらからアクセスしても機会損失を回避できるように、バナーやボタンの位置を変更しました。全面改修ではなかったものの、アクセス数や申し込みがかなり増え、手応えを実感したところまでが、1年目の主な取り組みと成果です。

動画制作や導線設計で展示会の集客をUP

ハンズオン支援2年目となる2023年度は、主に展示会の効果を最大化するための施策に取り組んでいます。専門家派遣で動画のプロによるレクチャーを受け、10月の展示会では初めて動画も制作し、来場者様に動画で関心を持っていただき、営業担当が声をかけ、商談につなげる一連の導線を強化しました。さらに、Webサイトとの連携、名刺獲得後の営業のポイントなど多くの学びがあり、「展示会を商談の契機として最大限に活かす」という社員の意識改革にもつながりました。また、当社の想いとマッチするサステナブル志向のお客様との接点を持てたことも含め、価値の高い取り組みになったと思います。

展示会関連のミーティングでは、動画制作、事前のメール周知、フォローメールなどを協議し実践していく。(左:プリント事業部 課長 野崎さん、中:広報・Web担当 須郷さん、右:アドバイザー 石井さん)

■デジタルマーケティングの効果■

今年度は月間最高収益を実現

今年度は月間最高収益を達成することができました。とはいえ、ロードマップ上の進捗は登山にたとえるとまだ3合目あたりです。1年目の支援で、WebサイトでのBtoBとBtoCの棲み分けと顧客獲得の導線はようやく整理ができました。2年目は主に展示会の取り組みやWebデータの解析を行いながらコンテンツの内容を調整していますが、顧客データの本格的な分析などはこれから行っていくことになります。

顧客データの蓄積・分析にさらに注力

幸い売上は向上していますが、それがなぜなのか、どのチャネルが最も効果的なのかなど、具体的な要因はまだ把握できていません。今後は顧客データを収集・蓄積・分析し、次のアクションにつなげるなどデジタルマーケティングにより力を入れていく予定です。保有する顧客の属性情報や購買履歴といったデータを分析し、マーケティング戦略や顧客へのアプローチに活用していきたいと考えています。

サステナブルな視点や斬新な取り組みなど成長の種が多い

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石井邦利

もともと豊富なコンテンツや企業ビジョンがしっかりとある企業なので、ゼロベースではなく、ユーザービリティの改善や、誰にでもわかりやすいようコンテンツを補うことで大きな成長につながりました。デジタルマーケティングの成果は長期的な戦略を立てて進めていくものですが、野崎さん、須郷さんをはじめ、従業員の皆様が常に課題と真摯に向き合い、積極的に取り組む姿勢が成果につながったと感じています。

※本記事は、2023年12月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社エー・ディー・ピー
所在地東京都墨田区亀沢2-15-9 第1はすめビル
設立1975年6月
事業内容Tシャツやトートバッグなどの布製品へのプリント、シルクスクリーン印刷ほか各種印刷、製本など
資本金500万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。