Webサイトの訪問者が大幅に増加し、はるばる遠方から訪れて大切な靴の修理を依頼されるケースも増えている。Webサイトのブログを通じ、修理技術を認めてもらえた証でもある。
男性用高級革靴の修理を中心に手がける専門店。近年は厳しい経営状況が続いていたが、アドバイザーのサポートでWebサイトのブログ記事作成に注力したところ修理依頼が急増。開店以来最大の来客で多忙を極めながらも、配送による修理依頼を受付できるようWebサイトの改修を継続。さらに販路を開拓していく。
※写真 哲学堂靴修理店 店長 折田 康之
■取り組みの進行状況■
ブログの効果で来店や依頼が急増
予定では、10月にはWebサイトの改修を終えているはずでしたがかなり遅れています。リスケジュールの理由はいくつかありますが、実は、修理依頼の急増で多忙になり時間を割けないのです。アドバイザーのサポートにより新規制作したサイトのブログ記事を読んで、当店を知った方が想定していた以上に来店されています。遠方から車でご来店されるお客様、また都内各地からもご来店いただき、当初目指していた配送修理の形ではありませんが、デジタルマーケティングの効果は驚くほどです。
さらに、銀座の高級靴店からの依頼も回復してきました。そのような状況のため、配送修理ページ制作が遅れています。以前はお預かりから2~3日で完了していた修理も、現在は1週間ほどいただている状況です。今後はもっと多くの受注に対応できる体制を整えていきたいと考えています。
■公社支援のもとで取り組んだ感想■
注目度の高いテーマでブログ記事を更新
アドバイザーとのミーティングでは、ブログの効果分析を継続して行っています。Webサイトの訪問者は、ブログに取り組み始めて3カ月ほど経った10月くらいから一気に増加し、前年の約10倍になっていました。特に効果があったのは人気ブランド「リーガル」の修理に関する記事です。リーガル公式のリペア料金が大きく値上がりしたこともあり、より手軽に修理を依頼できる腕のいい店を探す方が増えているのだと思います。「リーガル 修理」での検索順位は当店が5位という状況で、1、2、4位がリーガルの公式ページなので、これも今回のデジタルマーケティング施策の効果だと考えられます。他の高級ブランドの記事も閲覧されてはいますが、リーガルの記事が全体のPVを押し上げている状況です。この良い流れに乗り、同ブランド関連のブログ記事をさらに制作していく予定です。
専門家の助言は時間を作ってでも聞くべき
靴修理職人の私がデジタルマーケティングに取り組み、ここまで成果を出せたのはハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)があったからです。何から手をつけていいのか分からない状況の中、アドバイザーの根気強いサポートを受けて効果的なブログ記事を作成できました。自分では考えもしなかった意見を専門家から聞ける機会は、当社のような家族経営企業ではなかなかありません。専門家のアドバイスは時間を作ってでも聞く価値があると思います。デジタルマーケティングの取り組みは途上ですが、ブログ記事による成功は経営的にも大きいです。「やれば成果は出る」という確信があるのでモチベーションも高まります。
■これまでの成果と今後の展開■
さらなる依頼増加に対応できる体制づくり
リーガルの修理依頼は前年の4倍に増え、11月の売上は過去最高額を記録しました。とはいえ、修理材価格の高騰などがあり、利益面は改善していかなければなりません。私一人の力では限界があるので、最近は事務作業やブログ記事のタイピングを妻に手伝ってもらっています。このまま妻に入社してもらうか、事務スタッフを採用するかも検討が必要です。配送修理の依頼が増えても対応できるようなビジネスモデルへの転換を早急に進めていきます。
今後はWebサイト改修と効果測定を実施
当初の予定より遅くなりましたが、懸案となっていたサイトの改修を外部の方に依頼しました。2023年中にデザインとワイヤーフレーム案を出してもらえるので、アドバイザーにも一緒に検討していただき、2024年1月下旬には改修したサイトにスイッチする予定です。改修したサイトには配送修理のページを新設しており、ブログ記事を読んだ方を誘導していきます。また、ブログ記事の効果により、お車でご来店される方が思いのほか増えてきたので、車でのアクセスや近隣の駐車場情報も掲載したいと考えています。最終的には配送修理で安定した受注を獲得するのが目標になりますが、ハンズオン支援が終了するまでにアドバイザーとこれまでの施策の効果を検証し、運用体制整備の方向性を決めていきたいと考えています。Web広告やSNSにも挑戦したいですが、今年度は時間的に難しいかもしれません。2年目の継続支援が可能なら、ぜひ申請したいと思います。
配送修理依頼を順調に獲得できれば事業が飛躍するきっかけになります
Google検索からWebサイトのブログコンテンツへの流入が大きく増え、さらに新規受注につながっているのはアドバイザーとして素直に嬉しいです。この良い流れを当初から目標に掲げていた配送修理依頼の獲得につなげるため、次の一手に取り組んでいきたいと考えています。サイト集客、サイト内の動き方、配送依頼の獲得状況を検証しながら、新しいビジネスモデルも視野に入れた施策が必要になりますので、今後も伴走しながら進めていきます。
※本記事は、2023年12月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 有限会社折田商会 |
所在地 | 東京都新宿区西落合2-15-11 |
創業 | 1945年 |
事業内容 | 靴の修理/革物補修 |
資本金 | 300万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。