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製造業

ターゲットに合わせたコンテンツマーケティングで「封筒のことなら何でも分かる」Webサイトを目指す

2023/11/06

株式会社澤村商店

「娘の方がターゲットの年代に近いので、Webサイトのフルリニューアルは任せています」と話す澤村幸夫社長。自社内でサイト運用を行っていくことが当面の目標。

各種封筒の製造を手がける企業。主要取引先からの受注量が漸減しているため、デジタルマーケティングで新たな販路の開拓を目指す。既存のWebサイトを反響の大きいターゲットに合わせて改修し、ブログ記事も作成。サイト運用を自社内で行う体制づくりに取り組む。


※写真 代表取締役社長 澤村 幸夫

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■本事業に申し込んだ背景■

主要取引先からの受注減に対応し、新たな販路を開拓

当社は1974年の創業から、窓付き封筒を中心とした各種封筒の製造を手がけております。メインの取引先は業界大手の紙製品メーカーです。長いお付き合いを続けていますが、ここ10年ほどは受注量が毎年1~2%ずつ減少しています。このままでは事業規模の縮小が予想されるため、新たな販路の開拓が当面の課題になります。 以前から、営業先で「Webサイトはないの?」と聞かれることが多く、サイトの必要性は感じていました。実はこれまで、自社サイトを持っていなかったのです。

Webサイトを制作したものの、効果は振るわず

中小企業庁の事業再構築補助金が採択され、2022年秋に、販路を開拓することを目的とした自社サイトとECサイトを制作しました。サイトを作る際に想定したターゲットは私と同じ60代の経営者です。ITが苦手な方々を想定していました。そのため、サイトのトップページから封筒を注文できるようにレイアウトし、欲しい封筒が決まっていれば、すぐに見積り・発注ができる構造にしました。
自分なりに熟考した仕組みにしたのですが、効果は思わしくありません。PVは月100~200ほど、リスティング広告を利用しても最大300程度でした。新たに取引が始まった企業が2社、単発の発注が10件ほどありましたが、売上の減少をカバーできるほどではありません。まずは多くの方にサイトを見てもらいたい、そのための知恵を借りたいと考え、公社のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)に申し込みました。

最新の封筒製袋設備が並ぶ工場。封筒の種類によって異なる機能を持つ各機には、封筒製袋に精通した担当のスタッフが付き、一貫した製造を行う。現在の社員数は25名。

■アドバイザーへの相談内容■

自社でWebサイトを運用できる体制づくりを目指して

支援の申請時に考えていたのは、とにかくサイトのPVを上げたい、それを売上につなげたいということです。具体的には、PVは月1,000、Web経由での売上は年間2,000万円を目指していました。しかし、アドバイザーとお話した際には、数値目標の話はしませんでした。具体的な数字の前に、現状のサイトを見ていただいて、どう改善すればPVを上げられるのかについてご相談しました。また、社内でサイトを運用できる体制を整えたいこともお伝えしました。

ターゲットの読み違いとUIのアンマッチ

最初に指摘されたのは、Webサイトの機能面です。サイトを訪れた人が見たいものを見つけられない、目的に対する答えがないと指摘されました。アドバイザーが検証すると、私が想定したターゲットと、実際にサイトを訪れた人の層が大きく異なっていることが分かりました。サイト経由でお問い合わせや発注をいただいた8割は20~40代の女性です。つまり、自社封筒の代替品を探している総務や一般事務の担当者だったわけです。 そうした方々がサイトを訪れる目的は、「どんな封筒がいくらで作れるのか」を知ることです。コスト面を確認し、そして上司に相談し、検討後に発注が決まります。ですから、既存サイトのように「この封筒が欲しい」という人がすぐに発注できるサイト構成は、かえって分かりにくくなっていたのです。そのような経緯から、まずは封筒の種類や価格などを知りたいというターゲットに向けたサイトへのフルリニューアルに取り組むこととなりました。

企画担当の澤村のぞみさん。アドバイザーと相談しながらサイトリニューアルの方向性を決め、さらにWebデザインの専門家派遣も利用して、具体的なコンテンツ制作を進めていく。

■取り組みの方向性■

娘が入社しコンテンツ制作の主戦力に

公社への支援申請と前後して、娘ののぞみが入社しました。大学でデザインを学んでいたので、そのスキルを当社で活かしてもらいたいと考えたのです。
専門家派遣で来ていただいたWebデザインの専門家の方とも年代が近く、充実したブレストになりました。そして、絵が得意な娘が、封筒の選び方をマンガで紹介する新規コンテンツも制作することになりました。現在は、販路開拓の企画担当として、デジタルマーケティング関連の業務を一手に担っています。将来的には、ECサイトでオリジナルデザインのペーパーアイテムなども販売したいと考えています。

ターゲットに合わせたサイト改修に着手

現在の取り組み状況ですが、アドバイザーやWebサイトの専門家からいただいたアドバイスをもとに、サイト改修の企画書を作成した段階です。お二人に企画書をチェックしていただき、充分に練ったプランを制作会社に依頼したいと考えています。大きな改修になるので、期日を決めて急ぐのではなく、内容を精査して、ターゲットに見てもらえるサイトに仕上げていくつもりです。
また、サイト改修と並行して、封筒の種類や選び方のほか、歴史や文化なども紹介するブログコンテンツの制作にも取り組んでいます。封筒のことなら何でも分かる、封筒好きが集まるブログにする予定です。この新規コンテンツはPVを上げることが目標です。ニッチな分野になりますが、競合が少ないのでSEO対策にも有効だと考えました。
2024年2月までに、オーガニック検索で上位に表示されるようなサイトになることを目指し、自社内で効果を分析しながら、PDCAサイクルを回せるようにします。

コンテンツを生み出せるのは大きな力 得意を活かしたWebサイト制作に期待

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石井 里幸

澤村商店の強みは、何と言ってもコンテンツ制作力。のぞみさんがコンテンツを作れる人なので、スピード感があり今後の期待は大きいです。良いサイトを作るためには、得意なことを活かしてもらえるのが一番ですね。今後はコンテンツを充実させて、効果を検証していきます。サイト改修の終了後は、リスティング広告にも取り組む予定です。サイトを見る人が増え、売上につながれば、それが担当者の自信につながり良い流れができると思います。

※本記事は、2023年9月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社澤村商店
所在地東京都台東区今戸2-27-4
創業1974年
事業内容各種封筒の製造販売

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。