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製造業

事例集05:販路開拓を目指して オンライン展示会の出展にチャレンジ

2022/03/24

スパーク株式会社

Q 事業の概要を教えてください

A

ミネラルウォーターの製造・販売と、ウォーターサーバーの輸入卸売りが主な事業です。
厳選されたミネラルウォーターを、山梨県・忍野村と大分県・宇佐市の製造工場で非加熱処理し、大型のペットボトルに充填。完成品を宅配水としてお届けします。ミネラルウォーターと切っても切れない関係にあるのが、ウォーターサーバーです。当社は、日本でウォーターサーバーの使用が一般的ではなかった1997年から輸入を開始してきました。主な生産国は韓国ですが、日本市場にマッチした仕様を海外メーカーと共同開発し、現地で製造した製品を輸入して卸売りをしています。

2018年からはOEM事業を開始しました。当社製造のミネラルウォーター、ウォーターサーバーを他社ブランドで製品化し納入するのです。また関連事業として、飲料水製造プラントの設計から施工までを手がける飲料水製造コンサルティングも行っています。

このようにミネラルウォーターの製造、販売を主軸としたビジネス展開をしていますが、販路開拓は常に課題となっていました。従来の営業手法である訪問営業、電話営業、チラシ配布、DM発送、展示会出展などで販路開拓を行っていますが、一定の成果はあるものの十分な成果を上げているとは言えません。

※写真 代表取締役 村松和由

スパーク株式会社 代表取締役 村松和由
公社のオンライン販路開拓アドバイザーの廣木氏とは、営業のスタッフを交え、当初はオンライン展示会への出展に目標を定めミーティングを重ねた。
取材には代表取締役 村松氏にもご参加いただいた。同社においてもコロナ禍の影響は非常に大きく、事業所を対象としているOEM事業の取り引きが約40%も落ち込んだそうだ。公社にサポートしていただいて良かったと話す。

Q オンラインを活用した販路開拓に取り組んだきっかけは?

A

コロナ禍の影響は非常に大きいです。対面での営業が難しくなったこともありますが、緊急事態宣言によってテレワークが増え、事業所向けの売り上げが大きく落ち込みました。当社のOEM事業でお取引があるお客様は、ほとんどが事業所向けの展開なので、コロナ禍の前と比較すると4割ほどの落ち込みです。

法人営業部 欅田晃子

現在は、若干回復していますが、コロナ禍が収束しても一定の割合でテレワークが浸透しているので、この先ウォータービジネスは事業所向けだけでは成り立たないでしょう。ですから業界全体としては、一般家庭向け、一般ユーザー向けの販売に力を入れる流れになっています。
ところが、現実的にはリアル展示会の中止が相次ぎ、製品紹介の機会が激減。そのため業界ではオンラインを活用した販売促進が活発に行われていましたので、当社も力を入れる必要があると強く認識したのです。
 
もうひとつの要因として、営業を含めたDX対応がありました。現在、当社では社内業務を総合的にデジタル化することに着手していますが、今後は事業性評価や販売戦略にも、AIやビッグデータの利用が欠かせなくなるでしょう。ITリテラシーを高めて営業や販売促進を行わなければ、競争力を失い生き残れないと思います。デジタル化に乗り遅れ、取り残されてしまうことに危機感があったのです。
そんなときに知ったのが、公社のオンライン販路開拓支援事業でした。

Q 公社に相談後、どんな取り組みをしましたか

A

弊社のサービスは主にスマホのアプリを利用するものなので、そもそも主な集客はオンラインで行ってきました。これまで、あらゆる販促活動を自己流で行ってきており、アイデアは出し尽くした感がありました。そこでオンライン販路開拓のサポートを受けることにしたのです。担当していただいたアドバイザーの方は知識が広く経験も豊かで、私の疑問に明快に回答していただけるだけでなく、経営者としての視野を広げてくれました。「今の利用者はどのような方が多いのか」「どこが気に入っているのか」「他社のサービスと比べてどこが優れていてどこが劣っているのか」を分析・整理することから始め、その上で想定するユーザー像を明確化することなど、マーケティングの基本を体系的に教えていただきました。

また「問い合わせをいただいたものの成約には至らなかった方に再度案内をすべき」とアドバイスをいただき、試験的に一部の見込み客へ案内メールをお送りしたところ1件だけですがアポイントにつながったのです。たかが1件ですが、「迷惑ではないか、無駄ではないか」と自分のなかで築いてしまっていたバリアを打ち破る大きな1件になったと思っています。「無理」「無駄」は自分で決めることではないのです。

Q 今回の取り組みでは、どのような成果がありましたか

A

確実に成果は上がっています。オンライン展示会に出展後、大口の取り引きが見込めるコンタクトが3件ありました。また防災産業展の企画・準備と平行して、SEO対策やアクセス解析も行いましたので、デジタルに対する知識とオンライン販売促進の手法を手に入れることができたのも成果のひとつです。

法人営業部 欅田晃子

今回はオンライン展示会に向けて、ターゲットにあわせた展示の方向性や、商品の見せ方を工夫するということを考えました。これは対面での販売でも同じです。当社は8~9割がOEMや卸売りという、いわば受け身の仕事です。こちらからの発信ではなく、お客様のご要望に答えていくことが主体なので、流入経路の解析などは考えてもいませんでした。けれども、実はターゲットに向けた拡販のために非常に重要だということが見えてきました。これも大きな成果です。
 
オンライン販路開拓は、当社の課題だったデジタル化への入口になったと感じています。今回の取り組みで社員にとってもデジタル化が身近なものとなり、それぞれの業務においてデジタル技術を使って効率化を図り、生産性を上げるにはどうすればいいのかという視点ができました。

身についたことを生かしていくためには、試行錯誤と検証、修正を重ねて、より良い方法に収斂させていかなければなりません。ですから今後はハードとソフトの両方でデジタルを活用し、発展させていきたいと思います。

企業情報

スパーク株式会社 ロゴ
企業名スパーク株式会社
所在地東京都品川区戸越1-7-1 東急戸越ビル3階
設立1989年2月
事業内容ミネラルウォーター関連資材・設備の輸入卸売
ミネラルウォーターの製造・販売電子製品の輸入卸売
資本金5,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません