Q 事業の概要について、教えてください
A
自動車用品のケミカル製品を販売しています。自動車用窓ガラス撥水剤、ボディーコーティング剤、クリーナー、洗車ツールなどが主な商品です。私たちはプロユーザーとお呼びしていますが、ターゲットはガソリンスタンド、整備工場、カーディーラーなどで、個人の方には販売しておりません。顧客は、全国規模で展開されている企業から、1店舗だけを運営されている会社まで、規模もさまざまです。
当社が取り扱うのは消耗品に近い商材ですので、継続してお使いいただくことが重要となります。ですから営業担当者の主な業務は、納品させていただいたお客様を継続してフォローすること。いわゆるルートセールスです。新規顧客を開拓しながら既存のお客様をフォローするのが理想ですが、なかなかそうもいかないのが現状です。
現在、日本では自家用車の需要が減っています。当社にとってメインのお客様であるガソリンスタンド業界でも、ガソリンの需要は減少しており市場は縮小しています。店舗数は約30年前をピークに減少し続けており、今後上昇することはないといわれているので、燃料油以外の商品で生計を立てることが必要になってきました。車検を受注したり、タイヤやエンジンオイル、メンテナンス商品を販売したり、洗車に力を入れるなどの取り組みを行っているのですが、当社は洗車に関わる商品を扱っています。整備工場やカーディーラーも同じような状況で、本業以外のサービスや販売で集客しようとしているので、実は私たちに対するニーズやリクエストは、増加しているのが現状なのです。
※写真 営業部 営業一課 課長 佐々木将史
Q オンラインを活用した販路開拓に取り組んだ理由は?
A
時代の流れとして、これからはオンラインにも取り組む必要があると感じていました。デジタル化やDXなど課題はいろいろあります。
ところが、私たちはその対極にあるアナログ的な仕事が圧倒的に多いのです。先ほどもお話したように、業務用の自動車用品の需要は伸びていますので、新規開拓の必要性を感じ、社内でもオンラインを取り入れてみてはどうかという声がありました。何かきっかけがほしいと思っていたときに知ったのが、公社の支援事業です。その頃は新型コロナ禍の影響で、お客様への訪問もままならない状況でしたので迷わず応募しました。
オンラインに関しては、興味はあったものの何から初めて良いかわからない状態でした。それでもアドバイザーからレクチャーを受けながら、ホームページの活用や、オンラインを活用して取り組みたい新規事業など、私なりのアイデアをお話しました。その結果、オンライン販路開拓を目指して、ランディングページの作成に取り組むことになったのです。
Q 具体的には、どのようなアドバイスがありましたか
A
当社のホームページは会社案内や商品紹介が記載されているだけで、パンフレット代わりのような位置付けでした。そもそも私の中にランディングページという概念がなく、今回初めて知ったのです。
アドバイザーからは、「すごく良い商品なのはわかるが、ユーザーのメリットという視点がない」と指摘されました。これまでは、主に機能や商品の性能を訴求していましたが「それではお客様を取り込むことはできない。ユーザー側のメリットを伝えて、課題を解決できる商品だということを表現しましょう」との助言がありました。そして、具体的な取り組みとしてご提案をいただいたのが、お客様へのヒアリングです。
私たちは既存のお客様にアンケートを実施し「当社の商品にどのようなイメージを持っていますか?実際に使ってみてどうでしたか?」とお聞きしました。そして、その結果を元にしたランディングページの構成を考え、実作業を制作会社に発注したのです。
さらにGoogle の活用方法もレクチャーしていただきました。現在、ネットの検索はGoogleが中心になっており、インターネットでの販路開拓や集客にもGoogleの活用は必須で、設定から成果の確認方法まで教えていただいたのです。最後のミーティングでは、リスティング広告による集客についてレクチャーしていただき、オンラインを活用した販路拡販が実行できる下準備を整えることができました。
Q 今回の支援による成果を教えてください
A
アドバイザーからは動画の講習も受けました。YouTubeを活用すれば自分たちで動画を作れることがわかりましたので、さっそく制作中です。外注していた動画が内製化できればコストダウンにつながります。また、現在は海外の販路開拓にも力を入れていますので、見るだけで効果が理解できる動画を作成し、言葉の壁を越える強力な販売ツールとして活用したいと考えています。
今回の支援に関して私が最も大きな成果だと感じているのは、オンラインの活用について基礎から学べたことです。IT化が進んでもオンラインに否定的で「やはりフェイス・トゥ・フェイスだ」という人もいます。
私もどちらかといえば、そちらの対面派で、営業や商品販売の基本は変わらないと思っています。それは人間同士のコミュニケーションを通して、商品を買っていただき、使っていただいたりするからですが、今回のことで、今後はオンラインもリアルも限りなく近づいてくるのではないかと感じました。その中で、オンラインを道具として使いこなせたら、もっと豊かになるのではないでしょうか。ですから拒否するのではなく、今までの営業スタンスは変えないようにしながら、効果的に取り入れたいと思っています。
企業情報
企業名 | 株式会社コスモ |
所在地 | 東京都府中市是政3-15-5 |
設立 | 1972年1月 |
事業内容 | 自動車用化学製品製造販売 石油製品販売卸売 SS運営 (株)ロイヤル化学研究所製品総発売元 |
資本金 | 1,000万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません