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今すぐ始める!初心者向けInstagram活用講座2

公開日:2025/03/13

坂本義和

デジタル化が加速する現代、企業がデジタル上で情報発信する手段として、SNSは欠かせないツールとなりました。
中でも視覚的な表現力に長けたInstagramは、多くの企業が注目するプラットフォームです。
中小企業のマーケティング活動でも重要な情報発信ツールになっています。

前のコラムでは、Instagramの基本的な使い方についてお伝えしました。本コラムでは、ビジネスで成功するための具体的な戦略まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

新規フォロワーを狙うのならInstagramのアルゴリズムを理解すべき

SNS活用の目的は様々ですが、自社や商品の認知を広げたいという目的の運用も少なくありません。まだ自社アカウントをフォローしていない人に、自社の投稿を届けるためにはその人のフィードや発見タブ、リールタブに表示されなければなりません。
Instagramではユーザーの行動や興味に基づいて、各タブに表示される投稿をアルゴリズムが決定します。そのため、投稿の表示順を決めるレコメンドアルゴリズムを理解した運用をする必要があります。
アルゴリズムとはInstagramでおすすめされるためのルールのようなものだとお考えください。

アルゴリズムは定期的にアップデートされており、例えば2024年5月1日のアップデートではリール投稿についてはフォロワー数に関係なく表示されるようになるなどの変更がありました。これにより、フォロワーが少ないアカウントでも表示される可能性が高くなり、リール投稿の重要性が上がっています。

フィード・発見・リールごとにアルゴリズムのポイントがありますが、本コラムではすべてに通ずる、表示されやすくなるための基本をお伝えします。

適切な投稿タイミングを知る

まずは、既存フォロワーにしっかりと投稿が表示され評価されることが重要です。そのために、フォロワーがどのような時間帯に投稿を見ているのか、その行動パターンを理解する必要があります。
それぞれのアカウントには独自の最適な投稿タイミングが存在し、これはInstagramのインサイト機能(アカウントのパフォーマンスを分析するためのツール)を通じて分析することが可能です。

新規アカウントの場合は、異なる時間帯で投稿するような実験・テストを通じて、投稿を見た方の反応を検証することが重要です。このような時間帯に関する分析は、フォロワーが増えていく過程で定期的に実施し、変化するフォロワーの質や行動に合わせて投稿戦略を最適化していく必要があります。

コンテンツの目的を投稿形式ごとに意識的に設定する

Instagramの多様な投稿形式(フィード、リール)は、それぞれ異なる役割と効果を持っています。効果的な活用をするために、各投稿形式の特性を活かしたコンテンツ制作が不可欠です。

例えば、リール投稿ではまだアカウントをフォローしていない人へのブランド認知向上のためにより詳しくブランドのことを説明する、フィードではフォロワーが知りたいと思われる詳細な商品情報を提供するなど、投稿形式ごとに明確な目的を設定し、それに応じたコンテンツを展開することで、投稿の効果を高めることができます。

エンゲージメント率を高める工夫をする

ユーザーのエンゲージメント率は、Instagramのアルゴリズムにおいて重要な評価指標となっているといわれています。エンゲージメントとは投稿に対してのユーザーの反応のことをいい、エンゲージメント率とは投稿に対してユーザーが実際に反応した割合を数値化した指標です。具体的には、投稿に対するいいね!やコメント、保存などの反応があった場合、その数をフォロワー数で割って算出します。
エンゲージメント率を高めるということはユーザーに評価される投稿を増やすということであり、ユーザーが評価したコンテンツはInstagramからも評価されるため重要な指標といえます。

投稿に対する反応(いいね・保存・コメント)を増やすためには、すでに書いたような戦略的なコンテンツ設計を行い、投稿形式ごとに適切なコンテンツを投稿することが重要ですが、それだけではエンゲージメント率は高まりません。
投稿を見たユーザーに「何をしてほしいのか」を伝え、行動を促さないとエンゲージメント率は高まらないのです。

具体的には、「いつもコメントありがとうございます」と感謝を伝える、「他にも〇〇があったらコメントに書いてください!」などコメントを促す、「よかったと思ったらいいねしてくださいね!」といいねを促すなど、ユーザーの行動を促す必要があります。
どんなにいいコンテンツを投稿しても、こちらがして欲しいことを伝えないと「いいコンテンツだったな」で終わってしまいかねないので、必ず行動を促すことが重要です。

ハッシュタグを効果的に使う

ハッシュタグは投稿のリーチを拡大する重要なツールですが、その効果を最大化するには工夫が必要です。

ハッシュタグは最大30個つけられますが、多すぎても何に関する投稿かわからなくなり投稿自体がぼやけたものになったり、スペースをとることで投稿自体が読みにくくなり本末転倒になったりもするので、ハッシュタグはある程度厳選しましょう。

厳選するにあたっては、一般的なものをつけることも重要ですが、ハッシュタグの投稿数に着目し、まだ投稿が少ないハッシュタグを使うことで上位表示を狙うことも重要です。

一般的なハッシュタグと特定のニッチなハッシュタグをバランスよく組み合わせることで、ハッシュタグを経由した投稿閲覧を効果的に狙うことができます。

また、競合アカウントの分析も有効な手法であり、成功事例から学びながら、自社アカウントのコンテンツに適したハッシュタグをつけることが重要です。

Instagramアカウントを継続的に成長させる

Instagram活用の成功への近道は存在しません。
重要なのは、戦略の立案と実行、そしてデータに基づいた継続的な改善です。
競合他社の成功事例を参考にしながらも、自社独自の価値提案を明確に打ち出していくことが、長期的な成功への鍵となります。

最新のInstagramマーケティングでは、投稿が本物であり価値があることと、ユーザーとのエンゲージメント・関係性構築が重視されています。
単なる商品宣伝ではなく、ブランドストーリーを適切に伝え、フォロワーとの継続的な関係構築を目指すことが重要であり、これはInstagramだけでなく現代のデジタルマーケティングにおいて不可欠な要素といえます。

InstagramをはじめとしたSNSは情報発信の手段にすぎません。企業として、誰にどのような情報を伝えたいか、こちらが伝えたい情報だけでなくその人たちが知りたい情報は何か、どうすればわかりやすく伝えられるかを考えることが成功のための重要な要素です。

Instagramは、中小企業でも簡単に始められる強力なマーケティングツールです。
しかし、ただ投稿するだけでは効果は期待できません。ターゲットを明確にし、魅力的なコンテンツを継続的に発信していくことが重要です。
トレンドを意識し、他のユーザーとの交流を深めることで、より多くのフォロワーを獲得し、ビジネスの成長に繋げましょう。

コラムニストプロフィール

中小企業診断士

坂本 義和(さかもと・よしかず)

大学卒業後、すぐに起業。Web制作・マーケティング支援の会社を経営し、Web業界には20年以上関与。「経営に役に立つ」デジタルマーケティング支援を得意とする。活動の源泉は、よい商品・サービスが届けたい・届くべきお客さまに「知られていない」状態を世の中からなくすこと。