公社の連続講座でデジタル知識は得たものの、それをどうWebサイトに実装するかで悩んでいた新堀さん。「このままでは何も変わらない。『やるしかない』と腹をくくり、アドバイザーに背中を押してもらいながら手を動かしました」。学びをアウトプットするプロセスで伴走してもらえたことは大きな成果につながったと語る。
※写真 営業部 営業課 主任 新堀 光子

スマホや自動車に欠かせない半導体・電子部品へのめっき加工を得意とするニシハラ理工株式会社。新規顧客開拓の必要性を背景に、Webサイトを活かしたリード獲得に着手。公社のデジタルマーケティングの連続スクールで基礎を学び、実地型の支援も活用して、サイト導線の改善と自社の「強み」ページの再構築を実施。Webサイトが持つポテンシャルを引き出し、集客を図るサイトへの転換を着実に進めている。
■本事業に申し込んだ背景■
「機能めっき」の新規開拓へ、Web活用を本格化
当社はめっき加工の中でも、製品に耐久性や導電性などの性能を付与する「機能めっき」を主力事業とし、24時間加工可能な設備での大量生産体制を強みとしています。最終製品の小型化・軽量化・多機能化に伴い、機能めっきの需要が拡大している反面、メーカーの海外生産シフトが進み国内の販路開拓が課題となっています。しかし、受注生産型事業のため新規客獲得は容易ではなく、展示会で多くの接点は得られるものの、試作やその先の量産につながる引き合いは限られていました。そこで営業効率や受注確度の観点から、Webサイトを活用したリード獲得に取り組みたいと考え、公社のデジタルマーケティング導入スクールを受講しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
講座で概論を学び、伴走支援で個別具体策を実装
スクールで得た知識をいざ実践に移そうとしたものの、何から着手すべきかが分からず、さらなる手ほどきを求めてハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)にも申し込みました。最初に行ったのは、過去の実績と売上目標から逆算した数値目標の設定です。「Web経由の問い合わせ月10件獲得」をKPIに定め、新規受注に向けての取り組みを開始しました。
Webサイトの「もったいない」を徹底改善
アドバイザーからは、Webサイトは高機能なプラットフォームで構築されており、問い合わせフォームも目的別に分かれているなど、基盤は十分に整っている一方で、当社ならではの強みやソリューションの訴求不足を指摘されました。例えば、技術紹介ページは冒頭にめっき加工の一般論が記載されており、「フープめっき(連続加工)」「微細部分への対応」「優れた前処理技術」といった当社の強みを全面に打ち出せていなかったのです。こうした「もったいない」部分の改善を図る施策に取り組むことにしました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
試作実績ページの導線改善で得た気づきと可能性
まず着手したのが、「試作対応実績ページ」の導線改善です。引き合い獲得に重要な情報であるにもかかわらず、サイト階層の奥に埋もれていたため、グローバルナビゲーションに追加しました。すると、すぐにページの閲覧数が増加。数字に表れたことで、小さな改善でも成果につながること、またWebサイトが持つポテンシャルを実感するきっかけとなりました。
強みを全面に発信、ワイヤーフレームから再構成
技術紹介ページは、機能めっきの中でも高難度の「アルミめっき」から刷新しました。めっきの一般論ではなく、ベネフィットを伝えるため、コンテンツ内容は「お困りごと、当社が選ばれる理由、商談の流れ、技術詳細と対応仕様」などの当社の技術・サービスを訴求できる内容を中心にし、ワイヤーフレームの構成案をエクセルで作ってアドバイザーと改善を重ねていきました。テキスト作成では、効果的なプロンプト作成の助言を受け生成AIも活用しつつ、必ず社内の営業・技術担当に確認を取って正確性を担保しています。その後、CMSを一緒に操作しながら実際のコンテンツ制作を進めていきました。
営業部の須藤部長は、生成AIの導入に向けて管理部門と折衝するなど、社内の協力体制構築に奮闘。「担当者がデジタル施策に集中できる環境を整える、業務量を調整するなど、組織としてバックアップすることも重要です」と話す。

専門家派遣で視野と写真表現の幅を拡大
ページに掲載する写真素材は、アドバイザーと相談してストックフォトサービスを併用する方針としました。工場内の様子など自社の強みを伝えられる写真については、公社の専門家派遣を利用し、カメラ操作や構図についてのレクチャーを受けて撮影しました。既存サイトの写真を見慣れているせいで、構図に固定観念がありましたが、プロの視点で別アングルを提案いただき視野が広がりました。
「当社はBtoBの受託加工業でメーカーではありません。故にWebコンテンツで何を訴求すべきかで悩んでいましたが、『強みと実績を載せるのがスタートラインです』というアドバイザーの助言で一気に視界が開けました」と新堀さん。

■支援の感想と今後の展望■
流入拡大とリード育成を推進、自走体制の整備へ
公開後の流入拡大策として、SEOを意識したブログ記事の拡充を進めています。ターゲットの技術的な悩みや課題解決に役立つ記事を掲載していく計画です。さらに、メールマーケティングの準備も進めています。使用しているCMSはBtoB集客に強くMAツールと連携できるのですが、これまで十分に活用できていませんでした。メール配信先相手の閲覧ページや読了状況といったWeb上の行動を把握できるため、問い合わせ前の関心度に応じたフォローが可能になると期待しています。まずは専門家派遣を利用して、運用に向けての知識を習得する予定です。
アドバイザーの伴走により、自分でWebページを改修できるようになりました。今後は施策の効果測定と検証を重ね、リードを獲得できるサイトに育てていきます。
自社の強みと顧客視点を熟知した営業部主導のWeb改善がポイントです
ニシハラ理工さんの高度な技術力をWeb上で的確に伝えるため、既存サイトでは訴求できていない内容(自社の強みや提供価値)を、一つひとつ話し合いながら整理してコンテンツ化してきました。BtoBサイトの重要な役割であるリード獲得に向け、「強み」と「顧客目線」を、そこに精通している営業部門が主体となって推進された点が非常に良かったと感じています。コンテンツ制作からCMS実装までを一通り体験されたことは「内製か、外注か」の判断に役立つと思います。サイトにはまだ伸びしろがあり、メールマーケティングやオウンドメディア(ブログ)の強化によるさらなる成果を期待できます。

アドバイザー 松田 健太郎
※本記事は、2025年12月時点の情報です。
企業情報
| 企業名 | ニシハラ理工株式会社 |
| 所在地 | 東京都武蔵村山市伊奈平2-1-1 |
| 設立 | 1951年8月 |
| 事業内容 | 半導体・電子部品の製造、生産装置の設計、製作 |
| 資本金 | 7,620万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。