谷若さんは、ミトコンドリア研究の第一人者である学習院大学理学部生命科学科の柳茂教授(同社取締役)とともに研究成果の社会実装を目指して起業。商品化した「MitoRubin®」のEC販売基盤整備に向けて公社支援を受けながら、プロジェクトマネージャーの尾形さんと連携し、デジタルマーケティングを推進している。
※写真 代表取締役 谷若 慶人

ミトコンドリア活性化成分「マイトルビン」の研究成果を活かしたサプリメントと入浴剤を開発・販売する学習院大学発バイオベンチャー、株式会社マイトジェニック。クラウドファンディングでの盛況を持続的成長へとつなげ、EC販売体制の整備を目指し、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を申請。ブランドサイト構築やSEO対策、ECサイトとCRMの連携を推進し、発信力と販売基盤の強化を図る。
■本事業に申し込んだ背景■
大学発サプリのさらなる拡販へ、EC販売の基盤強化
学習院大学と日本女子大学の共同研究で発見された「マイトルビン」は、“若返りの鍵”とされるミトコンドリアを活性化する機能性成分です。当社では、将来的なその創薬応用の可能性を見据えながら、「MitoRubin®」としてサプリメントや入浴剤を商品化しました。創業直後からメディア掲載やクラウドファンディングで反響を得て、後の自社ECを中心とした一般発売でも、特にエイジングケアへの関心や健康意識が高いお客様からご好評をいただいており、リピーターも増えています。公社が実施している事業可能性評価事業にて、「販路がEC主軸ならデジタルマーケティングは必須」との助言を受け、本支援を申請しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
「なぜ売れるか」を紐解き、発信・販売の土台を築く
「世の中の人気商品が、なぜ売れているのかを理論的に学びたい」、これが申請の目的です。マーケティングの基礎を学び、有識者の意見を伺いたいと考えました。同時に、研究背景を一般消費者にどう伝えるかも大きな課題でした。ミトコンドリア自体の認知も低いのが現状。対面では説明できても、Web上ではコミュニケーション設計が必要です。自社だけでは研究寄りの訴求に偏るため、価値を正しく・分かりやすく伝える発信設計と、事業発展を見据えた販売戦略について、その礎となる知見を学びたい旨をアドバイザーにご相談しました。
商品の強みを再発見、成長へのシナリオを具体化
アドバイザーとは、まずFABE分析などのフレームワークを「MitoRubin®」に当てはめてディスカッションする形で商品の強みを再定義し、誰に・どのようなストーリーで伝えるかを明確にしていきました。そのうえで施策の優先順位を①ブランドサイト新設、②SEO対策、③アクセス解析の基盤構築、④CRM(顧客管理システム)導入の検討とし、レクチャー・検討・実装・改善を繰り返す形で進めました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
類似品と差別化、研究発製品らしいブランドサイトに
既存の企業サイトとマイトルビン学術情報ポータルに加え、新たにブランドサイトを開設しました。サイトデザインやブランドストーリーの方向性は、競合調査も行いつつアドバイザーと綿密に議論を重ねました。ターゲットに設定した「健康と美容意識が高い50代女性」に寄せたLPサイト風の表現案もありましたが、一般的なサプリとは異なる大学発・研究に裏打ちされた商品である点で差別化すべきだと考え、最終的には“誠実さ”を前面に出す設計としました。研究エビデンスはポータルサイトに集約し、記載を分けることで情報過多にならないようにしています。
SEOと効果検証の整備、PRも絡めた訴求で市場浸透へ
薬機法上、効果効能を直接訴求できない製品のため、「エイジングケア」を軸に「細胞本来のエネルギー」「最先端の医学研究」「大学発・世界初」など、製品の特長と独自性を押さえたキーワードを選定しました。これらをブランドサイトのトップページに反映し、タイトルやディスクリプションなども整備。GA4やサーチコンソールも導入し、データに基づく改善を進めています。一方で、マイトルビンの認知向上には自社コンテンツだけでは限界があります。先日開催したリアルイベントでも複数のメディア露出に成功しましたが、今後もプレスリリース配信などパブリシティも上手く活用し、情報発信していきます。

2025年11月、銭湯振興と「MitoRubin®」ブランドの訴求を目的に、都内390か所の銭湯でイベント「マイトルビンの湯」を開催。イベント来場者への情報発信や購入割引クーポン配布によりECへ誘導。大手メディアにも取り上げられ、認知拡大と新規顧客獲得を実現した。
顧客管理に課題、未来に向けた最善策を模索
ECサイトは導入ハードルの低いプラットフォームで構築しましたが、商品発送以外に顧客データを十分に活用しきれない可能性が判明しました。さらに、ECやクラウドファンディング、イベントと接点が増える中で、顧客情報を一元管理する仕組みの必要性が議論されました。そこで複数のCRMツールを比較し、専門家派遣も活用してノーコード連携の可能性も探りながら、「内製で対応できる範囲」と「外注が必要な範囲」を明確にしました。将来の顧客増やセグメント配信も見据え拡張性を重視しつつ、ECリプレイスも視野に入れ、最適解を見極めています。
「アドバイザーがいなければ、SEOのタグ整備やアクセス解析の基盤構築まで辿り着いていなかったと思います。ECの顧客データ連携の課題に気づいたことも大きな収穫です」と谷若さん。

■支援の感想と今後の展望■
学びを実装へ、事業段階に即したDX進化への知見獲得
今回は、将来の事業成長を支える基盤づくりに必要な考え方の習得を重視しましたが、この学びをブランドサイトに反映させたことで製品への信頼感醸成に成功し、併せて実施したEC導線改善により今後の「バズり」にも対応できる受け皿ができたと感じています。デジタルマーケティングに「終わり」はなく、事業フェーズに応じて実装を重ねる必要があります。外部視点により現状を整理し、次に何をすべきかを明確にできる本支援は、その思考基盤を与えてくれました。
科学的根拠のあるサプリメントは希少 情報発信と顧客管理で可能性は無限大に
健康分野は大きな市場ですが、根拠がビフォーアフターや個人の感想に依存する商品も多く、エビデンスをベースとする本商品は希少です。その信頼性を活かし、いかに認知を高めるかを重視しました。ブランドサイト構築時の侃々諤々の議論も、そのプロセスにこそ価値があり、自社の強みの再確認につながったと思います。谷若さんと尾形さんは常に主体性を持ち、支援をセカンドオピニオンとして活用され、納得した施策は着実に実行されました。Webを活用し、発信と販売の体制を固めることで、健康分野を代表する商品になることを期待しています。

アドバイザー 岩岡 博徳
※本記事は、2026年1月時点の情報です。
企業情報
| 企業名 | 株式会社マイトジェニック |
| 所在地 | 東京都新宿区高田馬場3-1-5 サンパティオ高田馬場309号 |
| 設立 | 2023年4月 |
| 事業内容 | サプリメント・入浴剤の開発・製造・販売 |
| 資本金 | 965万円 |
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