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製造業

消費者目線でのSNS戦略・EC価値創出でファンを育成 デジタルを根本から問い直し「つながる場」へ

2026/03/25

ニチフリ食品株式会社

1年目の支援では塩坂社長が中心となってデジタル施策を推進。2年目は営業部門のメンバーも加わり体制を強化。「Webと営業が連携することにより、リアルイベントや新商品キャンペーンで成果を上げることができました」と塩坂社長。

※写真 代表取締役社長 塩坂 恵理子

ふりかけメーカーのニチフリ食品株式会社は、問屋流通を主軸とする中で、対消費者へのアプローチ・認知度不足に課題を抱えていた。公社のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を通じ、「消費者目線」を起点にWebサイト・EC・SNS戦略を再構築。1年目はECの価値創出、SNS連動イベントを通じて認知向上・ファンづくりに成功。2年目は営業部門も巻き込んでイベントの進化、Webサイトのブランディングを推進している。

■本事業に申し込んだ背景■

消費者との接点拡大にオンライン活用を求めて

当社は長年磨いたふりかけの「顆粒」技術による高い「味の再現性」を強みに、コンビーフ味などの企業コラボ商品を得意としています。主な販路は問屋経由での全国スーパーや小売店ですが、5年ほど前、SNSのコメントをきっかけにコラボした「岩下の新生姜味ふりかけ」が話題となり、発売前からバイヤー側から問い合わせが相次ぐ経験をしました。これを機に「消費者と直接つながる」重要性を実感。効果的なECサイト運用とSNS発信を模索していた際に、『デジポート』にて本支援を知りました。

アドバイザーによるハンズオン支援の内容

ECサイトの在り方を再考。「買う理由」を創出

1年目の支援は「そもそも、ふりかけをECで買う理由があるのか」という根本的な問いから始まりました。新商品の先行発売や送料無料のお試しセットを企画し「ここでしか買えない」価値を創出するとともに、SNSキャンペーンからの導線をECに一本化して連動を強化するなど「買いやすさ」も整えました。専門家派遣も活用しています。特に自己流だったプレスリリースについて「いつから・どこで買えるか」を明記するのが基本との助言はその後の指針になっています。

SNS連動型イベントで認知向上を実現

SNS発信の機会創出の一つとして「推しふり総選挙」を開催しました。アドバイザーと一緒にオンライン投票サイトを設計し、リアル投票用チラシにはQRコードを掲載しGA4を用いて流入を計測できる仕掛けも整備。SNS拡散に加えて地元テレビ局にも取り上げられ、想定以上の票が集まり、ハイブリッド集客の効果を体感しました。 併せて、SNSのアイコン統一やサブアカウントの廃止など運用体制も見直し、これら1年目の施策により、ECサイト戦略の明確化とSNSを通じた認知向上・ファンづくりの土台が完成しました。2年目はSNSを通じたファン育成の強化とコーポレートサイト刷新を柱に、営業部門も巻き込んだ5名体制で、より踏み込んだ施策を進めています。

具体的な販路開拓への取り組み

「人」を軸に共感を生むSNS戦略でコアファンを育成

SNSは発信軸を「コンテンツ」か「人」のどちらかで設計する必要があります。アドバイザーと協議し、「人」にフォーカスすることにしました。その実践として、2年目の推しふり総選挙は「新人営業が商談時にどの商品を推すべきか悩んでいる」というリアルなストーリー設定にし、当社製品の未体験層でも参加・共感しやすい企画に改めました。この企画設計のもと、新規リーチ拡大を目的にInstagramのリール動画を活用したところ、インプレッションは大きく伸長。応援コメントも寄せられ、参加型・共感型キャンペーンのファン育成効果を実感しており、企画や発信における設計の重要性を実地で深く学びました。

ニチフリ食品株式会社のInstagram投稿ページ

専門家からCanvaの使い方を学び、画像・動画編集の内製体制を強化。現在、XとInstagramを中心に新商品やイベントに合わせた情報発信を継続。写真は2年目の「推しふり総選挙~迷える営業2年目ワタナベ編~」のInstagram投稿より。

BtoC視点で進めたWeb再設計とブランディング強化

コーポレートサイトは、BtoB向けの内容からBtoC向けに刷新しました。商品案内ページでは、新商品・看板商品・コラボ商品・業務用といったシリーズ整理を行い、新規ユーザーにも分かりやすい構成に再設計。レシピコンテンツも強化し、新商品発売時にはレシピ専用の特設ページも設けて商品パッケージ裏面のQRコードからも誘導しています。

「『消費者と直接つながる』デジタルマーケティングは、義務感や不安感よりも『次はどんな反応だろう!』というワクワク感のほうが大きく、社員も同じ感覚で探究心を持って取り組んでくれていることが、私にとっては一番喜ばしいことです」と話す塩坂社長(写真真ん中)。写真左は東京営業所 渡邉さん。

ニチフリ食品株式会社 東京営業所 渡邉氏、代表取締役社長 塩坂氏、坂本アドバイザー

支援の感想と今後の展望

準備がチャンスを掴み、既存営業への好循環へ

2025年初頭から物価高による節約志向を背景に、立て続けにメディア取材を受けました。露出直後はEC売上が大きく向上、販売実績という根拠ある提案を商談で行えるようになりました。従来は、既存の営業活動とEC売上・SNSの反応は別物と捉えていましたが、デジタル施策が営業現場の売上につながるプラスのスパイラルも生まれています。アドバイザーの助言により、EC導線の整備や広報対応の準備をしていたからこそ好機を最大限に活かすことができたと考えています。

Webを越えて全社に波及した意識変化

最大の変化は「消費者目線」が社内に根付いたことです。これまでは作り手・技術寄りの発想や発信になりがちで、Webや商談でも競合を意識した訴求が中心でした。繰り返しアドバイザーに問われたのは「そもそも、誰に届けたいのか」です。この言葉はWebチームを越え、営業会議や商品開発の場にも波及し、今ではあらゆる戦略の根底に浸透しています。社全体でより本質的なマーケティングへと進化できたとともに、ECやSNSを「売る手段」から「つながる場」へと刷新できたことは、メーカーとして大きな転換点になったと思います。

社長のリーダーシップで組織改革 マーケティングと組織改善が連動

坂本アドバイザー
デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 坂本 義和

同社の優れた開発力とユニークな商品に対し、認知度不足の解消と消費者との接点創出のため、SNSやメディアを活用しました。1年目はECサイトで「買う理由」を創出し、2年目のイベントは会社や商品を知らない方でも応援でき、ファンになれるよう、より親しみやすい企画・発信設計へと改善しました。歴史ある企業での変革は容易ではありませんが、社長が社員の皆さんを上手に巻き込んだことで、消費者目線のマーケティングが全社に根づき、高いレベルの情報発信が活発化したことが、成功の最大要因です。今後はふりかけのアップサイクル視点での発信にも可能性を感じています。

※本記事は、2026年1月時点の情報です。

企業情報

企業名ニチフリ食品株式会社
所在地東京営業所 東京都世田谷区池尻3-21-2 アドルク305号
(本社 静岡県静岡市清水区蒲原5190-2)
設立1940年
事業内容ふりかけ・お茶漬け・その他食品の製造、販売
資本金2,100万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。