
「波動スピーカー」を通じて社会の調和の実現を目指す三浦社長は、2年間のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を機に「デジタルに真正面から取り組む重要性」を実感したという。睡眠をはじめ現代の多様な課題を「音」で解決する提案を発信し続ける。
※写真 有限会社エムズシステム 代表取締役 三浦 光仁
独自の技術により音で心身を整える「波動スピーカー」を製造・販売する有限会社エムズシステム。公社支援では、デジタル施策を「リアル試聴への招待状」と銘打ち、「課題解決型商品」としての訴求を追求。1年目はオウンドメディア『音と睡眠研究所』の設立とCRM(顧客関係管理)整備を進め、発信・分析基盤を構築。2年目は仮説検証を重ねつつターゲット別戦略とリアル試聴への導線を強化。PDCA文化の醸成と販路開拓の進化を成功させた。
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■本事業に申し込んだ背景■
デジタルを「体験への誘い」に、自社メディアを始動
当社の「波動スピーカー」は、実際に体感いただければ多くの方が魅了される製品です。長年、全国の音楽ホールにて体感型イベント『演奏家のいない演奏会』を500回近く開催し、スピーカーの「生の音」をお届けしてきましたが、コロナ禍を機にデジタルでの接点創出が急務となりました。 本支援の1年目は、アドバイザーの助言「Web上では『課題解決型商品』としてのアプローチが重要」のもと、デジタル施策を当社のスピーカーと出会う“インビテーション”と位置づけ、「睡眠」をキーワードに展開しました。その象徴がオウンドメディア『音と睡眠研究所』の設立で、コラムを軸に専門性と信頼性を高める発信基盤を構築。同時にCRMも見直し、「送りっぱなし」だったメルマガを分析し、データで捉え、改善につなげる基礎体力を養いました。後に実施したキャンペーンではメルマガの事前案内に反応したお客様にのみセグメント配信を行い、成果を得るなど、CRMを活用した精度の高いマーケティングに挑戦しています。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
課題解決型・ターゲット別訴求への深化と試行錯誤
2年目も「課題解決型」をコンセプトに、ターゲット別の丁寧な訴求を模索しながら、仮説検証を重ねました。まずは百貨店での購買理由「65インチ大型テレビの音質改善」ニーズに着目し、Web上での需要喚起を試みました。しかし反応は限定的で、アドバイザーと「テレビの音質といった『ゼロをプラスにする』課題より、睡眠のように『マイナスをゼロにする』切迫した課題への提案の方がWeb上では効果的」と判断し、再び睡眠市場へ注力しました。 睡眠に特化したLP(ランディングページ)を制作してWeb広告を試験運用したところ、一定の反応はあるもののEC購入には至らず、やはり認知と体感の積み上げが不可欠だと再認識。そこで『音と睡眠研究所』を含む各種Webコンテンツを磨き込み、リアル試聴への導線強化を推進しました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
サイトのUI改革、型番から「課題別」へ
改めてWebとECの両サイトを見直すと、長年沁みついた「メーカー目線」が浮き彫りになりました。製品を型番中心に掲載していたため、ユーザーが「自分に合う製品がどれか」が分かりにくい状態だったのです。また、アクセス解析では商品ページの閲覧が多いことから、訪問者は認知層や顕在層が中心という仮説も立ちました。そこでサイト構成を抜本的に見直し、トップページからすぐに課題や目的から製品を探せるUIへと舵を切り、現在改修を進めています。

ターゲット別訴求の徹底に伴い、Webサイトの表記を見直した。「お客様の声」を「個人のお客様の声」、「導入事例」を「法人の導入事例」へと変更。小さな改善ながら、顧客視点の浸透を象徴する取り組みとなった。
リアル接点を最大化する導線・CVポイントの最適化
「リアル体験へのインビテーション」として、Webサイトの取扱店一覧を大幅に拡充しました。試聴可能機種や売り場写真、担当者メッセージも掲載し、来店試聴へのハードルを低減。さらに『演奏家のいない演奏会』の専用ページを新設すると、CRMでのメルマガ改善も相まって来場者が倍増し、デジタルがリアル集客を牽引する循環が生まれました。
併せて法人への訴求も強化。現在、ホテルなどのラグジュアリー空間に広く導入いただいていますが、法人の導入事例ページを再構築し、業態別に導入メリットを整理しました。またコンバージョンポイントも多様化させ、従来の資料請求に加えて「訪問デモ」も追加し、導入促進化を図っています。 当製品は一度耳にすればその音色に心を動かされ、さらに体験が重なることで「本物だ」という確信に変わります。今後もリアルでの出会いの場を増やし、Webで広く招待状を届ける取り組みを続けます。
表層的なデジタル施策にとどまらず、根本からの解決策を導き出すアドバイザーの手法に大きな刺激を受けたと語る三浦社長。「もし最初に『睡眠』というコンセプトを提示いただかなければ、ここまでの成果はありませんでした。公社アドバイザーとの出会いには本当に感謝しています」

■支援の感想と今後の展望■
市場ニーズへの確信、「デジタルの向こう側」へ
『音と睡眠研究所』の発信は予想外の成果を呼び込みました。メディア露出に加え、複数の法人からの大口注文へと発展したのです。広く撒いた種がどこで花開くか予測できないのがデジタルの面白さかもしれません。2年間の試行錯誤を通じて「睡眠の課題解決としてのスピーカー」に確かなニーズがあることが立証されました。 何よりの成果は、分析データや仮説を基に社員から自発的な改善提案が生まれるようになったことです。小さな改善が大きな結果となることを実感し、PDCA意識が根を張りつつあります。近年は、ネットの検索結果に載らなければ、どんなに素晴らしい製品であっても、リアルに存在しないも同然です。今回、デジタルに真正面から向き合ったことで、「デジタルの向こう側」にある根源的なマーケティングへの糸口が見えてきました。
波動スピーカーを課題解決型商品として再定義 睡眠市場の可能性が確信に変わりました

アドバイザー 坂本 義和
支援の2年目は波動スピーカーを「課題解決型商品」と再定義し、複数の切り口でWeb上での仮説検証を繰り返しました。テレビの音質改善の訴求や睡眠特化のWeb広告出稿などの過程を通じて、意図した通りの道筋ではありませんでしたが、結果的に睡眠市場の可能性を確信できました。特筆すべきは、問い合わせフォームの改善など、次第に社員の皆さんからの改善提案が出るようになり、「分析→改善→再実行」の意識と実行体制が社内に育ったことです。自走体制構築は本支援の本質。これが最も大きな成果だと思います。
※本記事は、2026年1月時点の情報です。
企業情報
| 企業名 | 有限会社エムズシステム |
| 所在地 | 東京都中央区新富2-1-4 |
| 設立 | 2000年9月 |
| 事業内容 | 波動スピーカーの開発、製造、販売 |
| 資本金 | 2,000万 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。