代表の山﨑氏は、テーラードに強みのあるラグジュアリーブランド出身。高級ブランドで培った接客力と、高品質な生地を用いたオリジナルオーダースーツを強みとし、公社支援を最大限に活用しながらデジタルマーケティングを推進している。2025年11月には青山店をオープン、銀座本店と2店舗の経営と並行して、各種デジタル施策を推進している。
※写真 代表取締役 山﨑 翼

MANDARIN株式会社は、50か所のサイズ補正と1,500種類の生地レパートリーを誇るオーダースーツ専門店を運営。ロイヤルカスタマー獲得を目指し、公社支援1年目はコアターゲットに向けた訴求として、LP(ランディングページ)制作とリスティング広告を実施し、成果を創出。2年目はさらなる顧客体験(CX)の向上を目指し、自社の事業モデルに即したCRM(顧客管理)システムを構築。新規顧客の獲得から関係深化までを一貫して支えるデジタル基盤を整備し、接客品質の標準化と営業効率化を実現した。
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■本事業に申し込んだ背景■
オーダースーツの常連客との出会いをデジタルに求めて
当社は2022年に「MANDARIN」銀座本店を構え、「メイド トゥ メジャー」での国内仕立て・高品質なオーダースーツを提供しています。一般的なパターンオーダーと比べ、より細かく体型やシルエットのお好みに対応できる点が特長です。お客様はライト層や結婚式などのスポット需要がやや多く、「MANDARINの常連様」をさらに増やすには、オーダーの体験価値や当店の独自性をWeb上でも的確にお伝えする必要があると考え、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)に申し込みしました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
1年目:LPとWeb広告整備で新規獲得を仕組み化
支援1年目は主力のビジネススーツを日常的にお召しになるお客様とのご縁を求めて、LP改善とリスティング広告を実施。LPは単なる商品説明ではなく、店頭接客を疑似体験できる構成・導線設計とし、生地選択や採寸、裏地のカスタマイズなど、オーダーの魅力や価値を表現しました。初来店の方にも期待感と安心感を醸成する土壌が整い、来店予約数は大幅に増加し、お客様との出会いにつながりました。
2年目:顧客関係強化と接客品質の高水準での維持
2年目は新たなお客様との関係強化がテーマでした。来店数増加に伴いスタッフを増員する中、強みである「密な関係性」の維持と、新店舗展開を見据えた「接客品質の標準化」が必要となりました。お客様のお好みや採寸情報を全スタッフで共有し、常に「MANDARINの接客」を提供するため、CRMの導入を決定。これまでコスト面から難しいと思い込んでいましたが、アドバイザーから複数のツールを提案いただいたことで選択肢が広がり、当社でも導入可能な価格帯と将来的なカスタマイズ性を決め手にツールを選定しました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
支援を活用して要件定義を精緻化、高度なCRM構築
CRM導入で苦労したのは、要件整理や項目設計といったシステム構築の下準備でした。将来を見据えて何の情報を蓄積すべきかをアドバイザーと相談し、CRMの専門家派遣も2回利用して仕様検討を進めました。オーダースーツは一般的な小売とは異なり製造工程や接客プロセスが複雑なため、システム会社側にも事業を深く理解いただく必要があります。打ち合わせでは細かな要望をエンジニアに直接共有し、仕様へ落とし込みました。結果、製造から顧客管理、デジタルマーケティングのデータまでを統合した、当社オリジナルのCRMが完成しました。
広告最適化とメルマガ開始で来店を促進
CRM整備が一段落し、広告改善として既存のリスティング広告のターゲティング調整に加えリマーケティング広告を開始しました。現在、P-MAX活用も検討中です。さらに11月の青山店オープンに合わせてメールマガジンも創刊しました。WordPressにプラグインを導入し、店舗ビジュアルや新作スーツの画像入りHTMLメールを制作。CRMで整理したお客様データを基に配信を行った結果、開封率は50%を超えました。新店舗だけでなく銀座本店へのご来店にもつながりました。

写真の専門家派遣も活用し、撮影ディレクションの手法を習得。絵コンテを作成し、構図や使用目的、Webサイトの掲載位置まで具体的にフォトグラファーへ共有したことで、オーダーの価値が伝わるビジュアルを実現。ブランド訴求力の向上につながった。
「女性アドバイザーと男性のSEO専門家の双方からWebサイトを評価いただき、多角的な視点を得られました。お二人とも当社のターゲット層でもあり、ペルソナ顧客視点での新たな気づきにつながりました。公社の幅広い専門家からの支援メリットを実感しています」と山﨑さん。

■支援の感想と今後の展望■
営業DXがもたらしたロイヤルティと生産性の向上
CRM導入により顧客情報を「人」ではなく「組織」に紐づけて管理できるようになり、いつ、どのスタッフでも同水準のサービスを提供できる体制が整いました。さらにデータ入力などの業務負荷が低減され、念願であった接客に集中できる環境も実現。今スタッフに一番喜ばれているのはこの点かもしれません。2年間で段階的に構築したWeb集客やCRM導入といったデジタルによる営業効率化は、CXの向上はもちろん、スタッフの定着率向上や新店舗の早期実現を支えた重要な経営基盤の一つであると実感しています。
支援を糧にCRMを深化、個別最適な関係づくりへ
本支援で特に有益だったのは、CRMの導入支援だけでなく、目標設定や仮説構築といった中長期視点での施策設計や、CRMの本質といったマーケティング思考を学べた点です。支援は終了しますが、この考え方やアドバイザーの助言は私の中にしっかりと残っています。今後はCRMを発展的に活用しながらお客様によりパーソナライズした価値を提供し、「MANDARINのファン」とのつながりを深めてまいります。
マーケティングのコア部分を習得され 持続的に成果を創出できる基盤を確立されました

アドバイザー 吉野 太佳子
オーダースーツは採寸データを継続活用できるため、リピーター獲得が事業安定に直結します。1年目はWeb集客でコア層との接点創出、2年目はCRM導入による顧客ロイヤルティ向上を推進しました。山﨑さんは難度の高い提案にも期待以上の行動と成果で応えてくださり、支援計画を前倒しで進められました。マーケティング理論やデジタル施策は変化が速く、ハウツーだけでは陳腐化しがちですが、今回、本質や考え方の部分も習得されたことで、今後の環境変化にも対応できる再現性の高いノウハウを蓄積されたと感じています。
※本記事は、2026年1月時点の情報です。
企業情報
| 企業名 | MANDARIN株式会社 |
| 所在地 | 東京都中央区銀座4-13-1 松戸ビル1階 |
| 設立 | 2021年9月 |
| 事業内容 | オーダースーツ販売ほか |
| 資本金 | 800万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。