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製造業

Web運用の内製化と顧客起点の発信にシフト 検証の継続と柔軟な戦術転換が最適解を導く

2026/03/17

株式会社吾嬬製作所

大正13年創業、創業100年を超える同社のデジタルマーケティング全般を牽引する松村さん。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)にて、Webサイトの効果検証・改修、SNS運営などを体系的に行い、デジタル施策による販路開拓を目指す。

※写真 お客様相談係 松村 珠実

プラスチックシートを加熱し立体形状へ加工する「真空成型」を主力事業とする株式会社吾嬬製作所。Webサイトを活用した販路開拓に向け、公社支援を通じてアクセス解析ツールの導入やCMS改修、コンテンツSEOなどを実施。「感覚的」な発信から脱却し、状況に応じて軌道修正を図りながら、顧客視点でのサイト改善を積み重ねている。

■本事業に申し込んだ背景■

真空成型メーカー、Webの内製運用で攻めの営業へ

当社は「真空成型」技術にて工業用トレーやブリスターパック、販促用POPを製造しています。金属の挽物加工が原点なので金型製作から加工物への印刷、立体成型までを一貫して行える体制が強みであり、この「印刷成型」技術を駆使した「販促用立体POP」が当社の差別化製品です。近年は原材料費高騰、既存顧客の海外移転や廃業が進み、既存顧客や展示会中心の営業だけでは先行きに不安を感じていました。デジタルマーケティング関連のセミナーを受講するなどして、Webサイトリニューアルを試しましたが、大きな成果には至りませんでした。そこで、自社でデジタル戦略立案・検証・改善、集客できる体制を構築したいと考え、本事業へ申請しました。

アドバイザーによるハンズオン支援の内容

「感覚判断」からの転換、根拠から導く戦略策定

初回の支援ではブログやSNS発信などWeb集客に取り組んだものの次に何をすべきかが見えないこと、得意の「立体POP」をもっとプッシュしたい旨をご相談しました。アドバイザーからは、感覚ではなくGA4などの解析ツールを導入し、Webサイトの反応を定量的に把握すること、サーチコンソールなどで実際の検索キーワードや検索回数を確認すること、そのうえで、立体POP関連のキーワードを抽出し、ブログなどのコンテンツSEOで検索流入を増やす、という道筋を示していただきました。

CMS改修を優先、課題起点の柔軟な方針転換

しかし、WebサイトのCMSが問題になりました。WordPressではあるものの専門的なコードで構築されており、社内で編集できる範囲はブログや事例紹介ページのみに限定され、他のページは軽微な修正でも外部委託が必要な構造でした。そこで、CMS改修を最優先事項に変更しました。クラウドソーシングにて外部の協力を得ながら、ビジュアルエディターに変更し、内製で更新・改修できる基盤整備を進めています。

具体的な販路開拓への取り組み

戦略の再構築、製品訴求から企業価値訴求へ

支援当初は立体POPのブログSEOを推進していました。しかし、データ分析やアドバイザーとの対話を重ねる中で、検索ニーズや発注者の意思決定プロセスを熟考すると、個別製品の訴求以前に、会社としての強みや実績のコンテンツ拡充が先決だと気づきました。よって、WordPress改修と既存事業の発信強化を優先させる方針に転換。事例紹介では従来の写真と材質説明のみの掲載から、加工上の工夫や技術的特徴など詳しい解説を追加。生成AIを画像作成や文章作成に活用しながら、訴求力とコンテンツ制作効率を高めていきました。

コンテンツSEOで「付加価値」を顧客に届ける工夫

以前のブログは感覚を頼りに制作していましたが、SEO効果を最大化するキーワード配置の重要性を学び、タイトルや見出しはSEOを意識しつつ、月2本を目標に執筆しています。流入数や検索ワードの確認を習慣化し、CRMツールも併用して問い合わせ経路まで把握する流れです。現在、人材育成・地域貢献などの社内活動をいかに価値ある情報に昇華させるかなど、「顧客視点での編集力」を磨いているところです。今後はデータを分析しつつ、ターゲットやキーワードも再考していきます。

株式会社吾嬬製作所 Instagram運用担当の岸さんと動画制作担当の名久井さん

Instagram運用担当の岸さん(写真左)と動画制作担当の名久井さん(写真右)。アドバイザーの「まずは考え、そして実行してみること。結果が出なければ改善していけばいい」という助言がとても印象に残っていると口をそろえる。

専門家の知見を吸収した若手主導の動画制作

技術力を直感的に訴求するため、動画制作にも挑戦しています。専門家派遣ではスマホ使用の撮影方法や効果的なアングル、さらにターゲット別の訴求法を学びました。動画制作は若手社員に任せ、先輩社員から機械の仕組みや工程の特徴も教わりつつ撮影し、テロップ編集も自ら行っています。Instagramも若手が担当しています。重要になるテーマ設計やターゲットの明確化を学んだので、方向性を検討しながら、積極的に素材を撮り溜めているところです。

「アドバイザーの伴走により、Webサイトのデータ解析やターゲティング、キーワード選定などのトライアンドエラーを重ねた結果、「真」の課題と優先順位が明確化しました。本支援で得た知識とノウハウは当社の財産です」と松村さん。

株式会社吾嬬製作所 お客様相談係 松村 珠実 と 遠藤アドバイザー

支援の感想と今後の展望

支援で得た「改善視点」「拡販の仕組み」が将来を拓く

本支援で実感したのは、デジタルマーケティングの真髄は「徹底した顧客視点」と「継続的な改善」にあるということです。Webサイトはユーザーのニーズに合わせて継続的に改善を続ける重要性を強く認識しました。アドバイザーの伴走により改善への方向性が明確になり、状況に合わせ優先順位を変更しながら具体策を積み重ねてきました。 最大の成果は、自社の強みを顧客視点で抽出し、自ら販路を開拓する「仕組み」を築く契機となったことです。今後は立体成型技術の認知拡大に向けた発信強化とともに、付加価値や技術者の仕事ぶりにも光を当て、新規客との接点創出への道を自分たちで拓いていきます。

当初の計画に固執せず課題を再定義 自律的な改善サイクルが回り出しました

支援は立体POPのSEO強化を主軸にスタートしましたが、効果測定や仮説検証を繰り返す中で、内製によるWeb更新の基盤整備や企業価値訴求の優先度が高いことが判明しました。そこでロードマップを見直し、CMS改修と既存事業の発信強化へ大きく舵を切りました。状況に応じて課題起点で優先順位を再設定できることも個別支援の魅力のひとつです。吾嬬製作所さんは自社の状況を整理し、自ら課題を捉えられるようになりました。これは本支援が目指す自走化に近づいた証しです。今後は効果検証に注力し、確かな成果へ結びつくよう引き続き伴走していきます。

遠藤アドバイザー
デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 遠藤 仁

※本記事は、2026年1月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社吾嬬製作所
所在地東京都墨田区立花4-5-7
設立1954年4月
事業内容プラスチックの真空成型加工 ほか
資本金1,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。