
「『理創研』のブランド・プロダクトイメージを体現し、発信力のあるWebサイトの制作はプロにしかできないと思い込んでいましたが、内製でも実現できたことに自分が一番驚いています」と語る伊藤さん。アドバイザーの伴走型支援により、契約満了が迫るECサイトの移転に加え、長年の課題だったコーポレートサイトの新設を短期間で成し遂げた。
※写真 伊藤 裕子
インテリアや空間に馴染むデザイン性を備えた除菌剤「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」を製造・販売する株式会社理創研。公社の支援を活用し、BASEへのECサイト移管とWordPressによるコーポレートサイト構築を内製で進め、ECサイト運営コストの削減とブランド価値訴求の基盤整備を実現。卸売と直販の両軸での販売体制強化を推進している。
■本事業に申し込んだ背景■
ECサイトのリプレイスと企業サイトの開設を目指して
当社は2014年に、化学メーカーである株式会社島田商店の衛生・生活分野を担う個人消費者向け製品の販売部門として誕生しました。主力商品は高い殺菌力・安全性を持つ除菌成分「PHMB」を用いた「無臭除菌スプレー」です。従来はホテルやスパ向けのプロユースだったPHMBを、洗練されたパッケージデザインで一般向けに開発、展開しています。 現在は主にナチュラル雑貨店への卸売とECサイトでの直販を行っていますが、ECサイトの固定費が高く、契約更新までに別のプラットフォームへ乗り換える必要がありました。さらに、「co.jp」の独自ドメインをECサイトにて使用していたため、企業の顔となるコーポレートサイトが存在しないという課題も抱えていました。喫緊の難題を限られたリソースで解決するためには専門家の知見が不可欠だと考え、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を申請しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
サイトを「育てられる」プラットフォーム・CMSの選定
支援開始から旧ECサイトの契約終了までは2週間弱しかありませんでした。当初は目下のコスト削減を第一に移転先を選びましたが、アドバイザーから「独自ドメインを持ち込め、かつGA4などの解析ツールと連携できることが重要」との助言を受け、将来のECサイト育成を見据えてプラットフォームを「BASE」に選定、新設するコーポレートサイトのCMSにはWordPressを採用することにしました。過去にWordPressの内製での構築で挫折した経験から不安もありましたが、アドバイザーから、ひな形となるレイアウトのパターンをサンプルとして提示していただき、短期間で見栄えの良いWebサイト制作に成功。期日までにECサイトとWebサイトの両方を立ち上げることができました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
卸売先との共存共栄を実現するWebサイト設計
コーポレートサイトの構築にあたっては、当社の販売戦略に欠かせない卸売先への配慮を優先事項の一つに掲げました。ECサイトへの導線整備だけではなく、「お取り扱い店舗」ページも設置することで、実店舗での購入のご案内も行っています。 今後は「製品紹介」ページや、一般には聞き馴染みのない「PHMB」の説明をさらに充実させ、PHMB除菌剤ならではの特長や使用シーンなどを提示し、製品の価値を訴求していきます。これまでECサイト単体では叶わなかった卸先との関係強化やブランド価値向上を推進する計画です。
写真撮影の専門家派遣や生成AIを活用した素材準備
Webサイトの内製で特に苦労したのが、「商品撮影」と「コンテンツ制作」でした。当社の商品は透明ボトルに入った透明の液体であるため、きれいに撮ることが非常に難しいのです。そこでアドバイザーの提案で専門家派遣を活用し、プロのカメラマンからライティング技術や背景の工夫を習得。高品質な写真を撮影できるスキルを身につけました。 また、アドバイザーからChatGPTなどの生成AIツールや、質の高いフリー素材サイト活用も教示いただき、文章作成や素材集めにかかる時間を大幅に短縮。内製でもクオリティを担保しながら、限られた時間で効率的にサイトを整えることができました。

「無臭除菌スプレーの透明なボトルと液体の撮影は難易度が高いが、担当の伊藤は専門家派遣でプロの技術や工夫を学び、魅力的な写真を撮影できるようになった。内製化スキルは確実に蓄積されている」と嶋田社長。
■支援の感想と今後の展望■
サイトを「継続的に育てる」運用体制の構築へ
サイト開設後は「育てる」段階に入っています。日々の業務やイレギュラー対応にて多忙な中でも、定期支援のために時間を確保して前に進めました。アドバイザーのサポートのもと手を動かしたことで、コンテンツは徐々に充実していきました。支援がなければ、以前と同じように途中で頓挫していたと思います。今後は毎日30分をWebサイトの作業と決め、効果検証も進めるなど、継続的な運営体制の構築を目指します。
また、ECサイトの移転によって固定費を半減し、EC事業を黒字化へと転換することができましたので、削減分をWeb広告に充てるなど、持続的な成長・好循環につなげていきたいと思っています。
アドバイザーとの定期支援では、限られた時間の中で成果を出すため、施策の優先順位やデジタルツールの導入などについての助言があった。「アドバイザーがいなければ途中で心が折れていたかもしれません」と伊藤さんは振り返る。(左:嶋田社長、真ん中:伊藤さん、右:アドバイザー)

デジタル活用を「組織の力」に変えていきたい
これから注力していきたいのはさらなる認知拡大です。Canvaの活用方法も教示いただいたので、休眠状態だったInstagramなどのSNS運用を本格化させ、動画発信にも挑戦していく予定です。支援を通して得たノウハウを私だけにとどめるのではなく、他の社員にも積極的に共有しながら、デジタルの力で当社のファンを増やしていきます。
優先順位を整理し短期間で成果を創出 今後は属人化を防ぎ全社的な取り組みへ
ハンズオン支援はECサイトの契約期限が迫る中でのスタートとなりました。移転に向け短期間でのリプレイスを実現するために、優先順位を整理することから始め、最短ルートで基盤を構築しました。これは、忙しい業務の合間でご担当の伊藤さんが時間を捻出し、専門家派遣やデジタルツールも活用しながら、地道に手を動かされてきた成果です。今後の課題は運用体制の構築です。特にSNS運用では配信日を定めるなど、担当者だけに依存しない「組織としての発信力」を高められることを期待しています。

アドバイザー 吉田 哲也
※本記事は、2025年12月時点の情報です。
企業情報
| 企業名 | 株式会社理創研 |
| 所在地 | 東京都墨田区東向島2-40-3 |
| 設立 | 2014年3月 |
| 事業内容 | 除菌剤やウイルス対策薬品の企画・製造・販売 |
| 資本金 | 200万円 |
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