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製造業

経営多角化に向けBtoBマーケティングをボトムアップ OEM・ODMの領域拡大と自社製品の認知向上に挑む

2026/03/06

ファイル・テック株式会社

デジタル施策の実務も担当する髙園さん。前職でのマーケティング経験はBtoC領域ゆえにBtoB領域には不安があったが、アドバイザーとの取り組みでBtoC視点になりがちな思考を客観的に捉え直すことに。そこからBtoBマーケティングを基礎から習得し、現在は自社製品のプロモーションに自信を持って取り組んでいる。

※写真 経営企画部 課長 髙園 幸樹

筐体・什器メーカーであるファイル・テック株式会社。事業領域の拡大を目指して臨んだ公社支援の1年目は、内製でのWebサイト改善と広告運用を習得し、新たな業種からの引き合いが増加した。2年目は自社製品PRに注力し、LP(ランディングページ)の改善やWeb広告の精緻なチューニングを実践。BtoBにおける訴求のノウハウを獲得し、デジタル施策の自走化と事業多角化への体制づくりが進んでいる。

■本事業に申し込んだ背景■

特定業界への依存脱却で市場変動のリスク分散へ

当社は筐体や什器といった板金製品の設計・製作を一貫で受託しています。精算機やセルフレジの筐体などが主力でしたが、半導体不足等の影響を受けたことを機に、特定業界への依存脱却と自社製品の事業化を目指しました。これまでBtoCのマーケティング経験はありましたが、日々デジタルツールや広告手法のトレンドが変化する中で、新たな顧客層の開拓に向けたBtoBのデジタルマーケティングを独力で推進するのは心細く、公社のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を申請しました。

アドバイザーによるハンズオン支援の内容

既存事業の訴求を磨き、新領域の受注拡大へ

公社支援の1年目は、OEM・ODM事業におけるデジタルマーケティングの基盤固めを目標に、Web周りや広告運用を見直しました。特にLPに関して、BtoCの感情やインパクトを重視する手法とは異なり、BtoBでは論理性や落ち着いた表現が重要であることをアドバイザーとの対話を通じて改めて気づかされ、テキストやクリエイティブを変更し、クロージングまでの導線をブラッシュアップしました。Googleアナリティクスでの解析手法や広告の細かい設定も改めて確認し、数値を見ながら改善を重ねました。結果、問い合わせが増加し、ホテル業界や医療業界など新しい領域からの引き合いも増え、特定業界依存のリスクは低減しています。

1年目に培った知見・自走力を自社製品のPRに展開

2年目は公社の別事業の支援を受けて開発した自社製品「スーツケース一時保管ラック」の販促に注力することにしました。この製品は、インバウンドの増加によりスーツケースのお預かり・保管に課題を抱えるホテル業界を主なターゲットとしています。この認知拡大とターゲットへのアプローチ強化をゴールに掲げ、「LP制作→広告配信→メールマーケティング→導入事例づくり」という流れのロードマップを描き、2年目の取り組みをスタートさせました。1年目にWebの効果検証や広告最適化を自分で行える力が身についたからこそ、2年目の自社製品PRにもスムーズに着手できたと思います。

具体的な販路開拓への取り組み

効果測定データに基づいたLPとWeb広告の最適化

新製品のLP制作においては、アドバイザーとともにヒートマップツールであるMicrosoft Clarityを用いて、ユーザーの関心点や離脱箇所を分析。BtoBならではの、問い合わせへのハードルを下げる工夫やターゲットに合わせた情報の伝え方を教えていただきました。また、h1タグを適切に設定することで検索表示も改善したほか、生成AIでバナー画像を作成し、ABテストを繰り返してブラッシュアップしていきました。 Web広告については、検索広告に加えてディスプレイ広告を展開し、効果検証を重ねました。広告配信の範囲を見直し、配信除外設定を追加したほか、カスタムオーディエンス機能を利用してターゲット業界の方々によりリーチできるよう調整するなど、最適化を図りました。

Webサイトは同社の強みを前面に打ち出す構成 の ファイル・テック株式会社

Webサイトは同社の強みを前面に打ち出す構成になっている。新製品はアドバイザーからレクチャーを受けたBtoB視点を重視して、商品名や訴求表現を見直したという。

分析から見えた真の課題と解決への糸口

これら一連の取り組みの結果、広告からの流入は順調に増加し、クリック数も良好です。LPもしっかりと読み込まれている一方で、想定よりお問い合わせ率が低いという課題が浮上しました。Web広告やLPには一定の効果が見られることから、製品か販促時期にボトルネックがあるのではないかと仮説を立て、後日公社の専門家派遣を活用し、営業の専門家にご相談することにしました。たまたまホテル業界に知見がある方が担当とのことで、課題解決のアドバイスをいただけたらありがたい、と思っています。専門家から知恵をお借りできる点も、ハンズオン支援の大きなメリットです。

「アドバイザーは私と年齢が近く、些細なことも相談しやすい関係性が構築でき、大きな支えとなりました。最新のWeb広告動向や生成AI活用法など、実務に即した情報共有ができたことも大きかったです」と髙園さん。

ファイル・テック株式会社 経営企画部 課長 髙園 幸樹氏とイルマスアドバイザー

支援の感想と今後の展望

検証と改善の積み重ねが拓く事業多角化への道

支援終了までには、アドバイザーの意見を参考にして製品仕様やPR戦略を見直し、受注につなげていきます。今回の新製品PRの検証を通じて、次の打ち手が見えた点は大きな成果です。公社の支援がなければ試行錯誤が長引き、事業多角化への展望は頓挫していたかもしれません。今後は習得したノウハウを駆使して、自社製品を増やしていきたいと考えています。 デジタルマーケティングは即効性のあるものではなく、仮説→実行→改善の繰り返しだと改めて実感しています。アドバイザーからの助言はこの過程での道しるべとなり、迷わず前に進む支えとなりました。自社のデジタル施策に不安を感じている企業には、ぜひお勧めしたい支援です。

BtoB視点を習得し、自走体制を確立 今後の新商品への応用と成功に期待

髙園さんはBtoCマーケティングの豊富な知識とご経験をお持ちでしたので、私からはBtoB特有のトンマナや、Webサイト・広告を内製で運用する方法を中心に支援しました。特に広告運用では、予算調整や配信除外なども自信を持って判断できるようになり、すでに自走体制は整っています。自社開発品のPRにおいては、粘り強くPDCAを回し、前向きに次の一手を講じる姿勢が非常に印象的でした。今回習得された新製品PRのノウハウを、今後の新商品にも応用し、事業として発展することを祈念しています。

イルマスアドバイザー
デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー イルマス 玲

※本記事は、2025年12月時点の情報です。

企業情報

企業名ファイル・テック株式会社
所在地東京都墨田区両国2-8-8 上田ビル3階
設立1967年5月
事業内容筐体・什器の設計・製作
資本金資本金:5,445万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。