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製造業

「強みの言語化」と「問い合わせの可視化」が判断軸に 自社でWeb広告の効果検証・最適化を図る体制構築

2026/03/02

プロトンエンジニアリング株式会社

総務・事務などバックオフィス全般を担いながら、Webサイトや広告の運用も担当する宇賀神さん。幅広い業務の合間を縫って、公社のデジタルマーケティング導入スクールやリアル相談会にも積極的に参加。支援を通じて、これまで委託先に任せていた領域への理解が深まり、施策をプランニング・検証・改善するスキルを身につけた。

※写真 リーダー 宇賀神 しげ子

法人向けの解凍機を開発・製造・販売するプロトンエンジニアリング株式会社。Web広告を積極活用していたが、効果の不安定さや社内検証がなされていない点に課題を感じ、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を申請。アドバイザーの伴走により、現場に根差した強みを掘り起こし、広告最適化やWebサイト改善などで一貫した訴求を実践。解析手法も身につけ、自ら考え判断できる体制づくりを進めている。

■本事業に申し込んだ背景■

独自技術の解凍機を製造、Web広告の効果検証に課題

当社の「プロトン解凍機」は、低温蒸気の凝縮潜熱により食材の芯まで均一に解凍できるため、ドリップを抑え品質を保ったまま短時間での解凍が可能です。主な取引先は食品工場で、食材は輸入肉や濃縮果汁が中心。他の解凍方法に比べ生産の効率化と安定化に寄与するため、特に大規模工場ほど高い導入効果が得られます。創業当初からWeb集客に力を注いでおり、現在も問い合わせの半数以上がWeb経由です。しかし、リスティング広告の運用やアクセス解析は委託先に一任していたため、社内でも効果検証を行う必要性を感じていました。

「中小企業目線」の親身な対応に安心感、支援申請へ

そこで公社のデジタルマーケティング・リアル相談会に参加し、アクセス解析(GA4)の探索レポートの設定などを教えていただきました。講師や事務局の丁寧で親身な対応に触れ、公社は「敷居が高い」というイメージが払拭されました。その場でハンズオン支援の案内を受け、直ぐに申し込みました。

アドバイザーによるハンズオン支援の内容

顧客視点で「強み」を再定義

最初に取り組んだのは、ペルソナと強みの深掘りです。ターゲット像は描けても、意思決定までの過程や訴求ポイントの具体化が難しく、営業や技術担当も交えて、強みや競合、優位性などを綿密に整理しました。そのうえでアドバイザーと協議しながら「解凍機の性能の高さだけではなく、オーダーメイド対応や付帯工事、アフターフォローも含め、お客様のニーズに即した対応」など、強みを言語化していきました。設置前のご提案から導入後の点検・修理までを一貫して担う「課題解決型」の現場対応力が、プロトンエンジニアリングの価値だと改めて実感。当社では「日常業務」としていたことが、実は最大の強みだと気づきました。これは、その後の施策の土台となります。

自ら検証し判断の主導権を握る

それまでのWeb広告運用は委託先任せで、突然問い合わせが低迷したり、キーワード設定に失敗して広告費が急騰したこともありました。広告効果を安定させるため、要因の推測と対策が喫緊の課題だったのです。アドバイザーから解析ツールの操作方法やデータの見方を教わりつつ、問い合わせの流入元やキーワードを1件ずつ紐解き、表にまとめていきました。すると傾向が可視化され、広告最適化やWebサイト改修の方向性が見えてきました。

具体的な販路開拓への取り組み

強みを軸に広告文とLP構成を再設計、効果の最大化へ

リスティング広告の効果を高めるため、遷移先である製品紹介ページをLP(ランディングページ)のような構成に再設計。お客様の課題と当社の解決方法、導入フロー、メリット・強みなどから問い合わせまでの導線を1ページで完結させ、必要な情報を盛り込みました。訴求ポイントは、お客様へのヒアリングや社長の知見と経験も踏まえ、生成AIを活用しつつ整理して、広告の見出しや説明文の改善にも展開しました。例えば「鶏肉2kgを3時間で完全解凍」と具体的に打ち出したり、「解凍専業」と独自性を訴求することで、受注にもつながっています。一方で、「課題解決型」の強みの訴求がメーカー寄りの表現にとどまっているので、今後もユーザー視点での見せ方を追求していきます。

プロトンエンジニアリング株式会社 のWebサイト「プロトン解凍機 導入までのステップ」のページ

「課題解決型」の現場対応力が同社の強み。見積り前の丁寧なヒアリング・稼働中工場での仕様検討・実機での解凍テスト、さらに付帯工事・アフターフォローも一括で行う総合力がターゲットへの訴求ポイント。

予定外の展示会施策にも即応、リアルタイム型の支援

言語化した強みは、展示会でも活きています。ポスターの構成やWebサイトのお知らせ内容をアドバイザーに相談し準備をしたところ、実際にサイトを見て来場された企業もあり、1日だけの出展ながら想像以上の手応えを得ました。 このように当初のロードマップにはない営業施策にも柔軟に対応いただいたほか、日々の顧客対応によりデジタル施策が一時的に停滞した際にも、当社のペースに寄り添ってくださったアドバイザーの存在は非常に心強いものでした。

アドバイザーとのミーティングは、同社の事業状況に応じて柔軟に設計され、常に“今の課題”に寄り添う実践的なものとなった。(写真右から、技術担当 橋本さん、デジタル施策の実務担当 宇賀神さん、代表取締役 庄司社長)

(写真右から)プロトンエンジニアリング株式会社 の 技術担当 橋本さん、デジタル施策の実務担当 宇賀神さん、代表取締役 庄司社長 と溝呂木アドバイザー

支援の感想と今後の展望

効果を見極めながら主体的な意思決定が可能に

Web広告は、委託先とも能動的に議論できるようになり、費用対効果を見ながら精査をしています。商機に応じた予算配分を行い、問い合わせ月15件を目標に通年での安定的な獲得を目指します。
現在、リスティング広告以上にオーガニック流入が好調です。以前は広告で問い合わせや認知を増やそうと焦るばかりでしたが、今は「課題感があって解凍機を検討している方」にきちんと届くWebサイトづくりとSEOの重要性を実感しています。 伴走型の支援により、判断を外部に委ねる運用から卒業し、自社でWeb施策の方向を定め、ハンドリングする体制が整いつつあると感じています。

熱心な取り組み姿勢が印象的 解凍専業という独自性の訴求が重要です

溝呂木アドバイザー
デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 溝呂木 聰

宇賀神さんはバックオフィス業務で多忙な中でも非常に熱心に取り組まれ、その姿勢にこちらも自然と身が引き締まりました。結果として、密度の高い1年になったと感じています。ニッチな製品がゆえ、現場に精通した営業・技術担当の方々、さらには庄司社長にも時間をかけてヒアリングを重ねました。その中で、ご本人たちが見逃していた強みを拾い上げ、整理・言語化できたと考えています。「課題解決型」の解凍機という独自性を顧客視点で訴求することで、目標達成とさらなる飛躍が期待できます。

※本記事は、2025年12月時点の情報です。

企業情報

企業名プロトンエンジニアリング株式会社
所在地東京都品川区南大井2-7-9 アミューズKobayashiビル3階
設立2018年3月
事業内容解凍機・凍結機の製造・販売、付帯工事
資本金500万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。