デジタル施策は松浦社長(一級技能士)と総務部の稲葉さんを中心に推進している。コンテンツ制作などは営業や技術などの担当者が協力。会長も取り組みを後押ししており、社内全体でWeb活用を推進している。「従業員の協力なしではここまでたどり着いてないと思います」と松浦社長。
※写真 代表取締役社長 松浦 和子

大正7年の創業以来、テントひと筋で多様な現場ニーズに応えてきた株式会社太陽テント。公社のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を活用し、Webサイトを軸とした販路開拓を推進。デジタルマーケティング導入スクールの併用で知識の底上げを図りつつ、アドバイザーの伴走によりサイトの全面リニューアルを実施。「必要としているユーザーに情報を発信する」取り組みを加速させている。
■本事業に申し込んだ背景■
購買スパンが長い商材、恒常的な営業体制をWebで構築
当社は物流拠点や工場、建設現場向けの「テント倉庫」をはじめ、駐車場の通路や店舗の庇といったあらゆるタイプのテントを完全オーダーメイドで製造・施工しています。長年の取引先も多い一方、テントの耐用年数は約10~15年と張り替えやリピートまでの期間が長い商材のため、常に新規開拓が必要になります。営業力強化の一環としてWebサイト改修を検討していましたが、「何を・どこに・どのように頼めばよいのか」が分からず躊躇していました。そうした中で本事業を知り、公社支援という安心感もあって即申請しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
専任アドバイザーが現状に即した改善策を提案
まずは営業の現状をアドバイザーと共有してFABE分析を行い、強みの深掘りと課題を整理しました。浮き彫りになったのが「周知不足」です。Webサイト経由のお問い合わせは成約率が高く、アドバイザーからはサイト自体も見やすいとの評価をいただきましたが、キーワード<テント倉庫>での検索順位が低く、そもそもサイトにたどり着けないとの指摘です。もう一つの課題が、製品自体の認知度の低さ。テントの価値をどう訴求するかは、長年の課題でもありました。
これらを踏まえて戦略を立案し、ロードマップを策定。サイト改修後、コンテンツSEOで集客を図る運びとなりました。これまで制作会社などに相談しても「Webサイトをどうしたいですか?」と問われることが多く、デジタル知見の少ない私たちには答えることができませんでした。公社のアドバイザーは現状分析を経て改善策までを提示くださったので、実行・解決までの道筋を明確にイメージすることができました。
全面リニューアルでサイトパワーを向上
改修に向けて既存のWeb環境を確認する過程で、いくつかの問題も判明しました。WordPressのテーマが古くて更新しにくく、セキュリティ上の不安もあったため、今後のコンテンツ増強や費用対効果も見込んで、全面リニューアルを決断し、商品名や表記の統一も図りました。過去と現在の商品名が混在し、ページごとに異なる表現も散見されたため、「ユーザーが使う言葉」へ統一し、ターゲットにも検索エンジンにも伝わりやすい表現に整えていきました。また、複数の旧サイトや不要なサーバー契約も見つかったため、ドメインを一本化。これによりWebサイトの評価が集約され、サイトパワーが向上する見込みです。
■具体的な販路開拓への取り組み■
検索流入・認知の拡大を目指して改修準備に邁進
アドバイザーからはサイトツリー設計やワイヤーフレームについてもレクチャーを受け、現在は制作会社へ入稿するコンテンツ素材の準備を進めています。訴求力とSEO強化の観点から、現行の画像中心だった商品ページに製品説明文を追加するためテキストを執筆していますが、通常業務と並行しての準備は想像以上に時間を要しました。そこで支援日を2週間ごとに設定し、自ら発破をかけて作業ペースを維持。アドバイザーの柔軟な調整もあって着実に前進できました。

同社の完全オーダーメイドのテントは、1点ごとに現地調査を行い希望に応じて設計する。いわば「テントの建築会社」のような存在で、設計・施工・アフターケアまで一貫して対応できるのが強み。
セミナー受講がもたらした施策の「取捨選択」と「納得感」
併せてデジタルマーケティング導入スクールも受講しました。講義で印象深かったのは、マーケティングの基本である「誰に、何を、どう届けるか」です。業務用テントというBtoBのニッチ商材においては、「みんなに届けば良いわけではない」という視点は、大きな気づきでした。またWeb施策は「やらないことも選択の一つ」という話も響きました。良さそうな施策に次々と手を出すのではなく、方向性を定め、自社に必要なことに集中することなどを座学で学べたことは有意義でした。ハンズオン支援と並行して受講したことで「動画やWeb広告よりも御社にはコンテンツSEOが優先策です」というアドバイザーの助言が腑に落ち、確信を持って推進できています。
アドバイザーとのミーティングは月2回のペースで実施された。「当初は資料作成に苦労しましたが、いつしかルーティンワークになり、同時にWebの知識も習得していきました」と話す松浦社長(左)と総務部の稲葉さん(右)。

■支援の感想と今後の展望■
支援の手ほどきと社内連携で見えた集客への道筋
Webサイトの公開後は効果検証と技術コラムを中心としたコンテンツの拡充を進めます。「耐用年数」や「建築確認」「簡易倉庫との比較」など、ターゲットの検索意図を踏まえたテーマで総務部スタッフが執筆し、営業や設計のスタッフが技術的な内容をチェックする体制で取り組む予定です。普段から部署間の垣根が低く、社内で連携はありましたが、全社でWeb改修に取り組む意識がより高まっています。アドバイザーの伴走は「何をすべきか分からない」から「やるべきことを実施」へと変えてくれました。
一枚岩の社内協力体制が強み Web公開後のPDCAが重要です
「Webサイトはクオリティの高い施工事例写真が豊富で、もともと高いコンテンツ制作力を備えていました。一方で、サイト環境の老朽化やSEO対策の不足により、その魅力が検索ユーザーに十分届いていなかった点が課題でした。全面リニューアルにて改善を図ることにより、コンテンツが持つ本来のポテンシャルを発揮できるはずです。印象的だったのは、社内一丸の協力体制です。テキストの作成などは営業・設計を含め多くのメンバーに加わっていただきました。この協力体制があれば、今後の効果検証・改善のPDCAも着実に実行できると思います。

アドバイザー 藤原 哲史
※本記事は、2025年12月時点の情報です。
企業情報
| 企業名 | 株式会社太陽テント |
| 所在地 | 東京都足立区六木1-8-8 |
| 創業 | 1918年 |
| 事業内容 | 各種テントの設計・製作・施工 |
| 資本金 | 2,000万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。