「以前はデジタルツールに苦手意識がありましたが、今では生成AIが良き相談相手であり、業務に欠かせない相棒になっています」と笑顔を見せる田草川社長。アドバイザーの伴走のもと、顧客像を明確にしたブログの発信やWeb解析に基づくサイト改善を自ら行い、社内のデジタル化を牽引している。
※写真 代表取締役 田草川 陽子

個人タクシーや福祉車両の整備・架装を手がける豊興自動車株式会社。公社支援1年目は、主にWebサイトのリニューアルを推進し、デジタルへの苦手意識を克服。2年目となる2025年度は、高い専門性を最大現に利用したコンテンツSEOに注力したほか、チラシなどの印刷物によるオフライン営業にもデジタルを活用。検索順位の大幅な向上と、属人営業からの脱却に成功している。
■本事業に申し込んだ背景■
Webを自社運用し成果を出し続ける体制づくりへ
1年目のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)では、アクセス解析の方法やコンテンツSEOのロジックなどWebサイト運用の基礎を教えていただきながら、サイトリニューアルを進めました。WordPressを採用して簡単な更新作業もできるようになり、私自身、デジタルへの苦手意識を克服できたと感じています。しかし同時に、ただ更新するのではなく戦略的に情報を発信し、自社でPDCAを回せるようになることの必要性を強く感じ、2年目の支援を申請しました。市場が縮小傾向にある個人タクシーの整備・架装事業に対し、今後の成長を見込んで開始した福祉車両の販売・整備事業をどのように伸ばしていくか。営業リソース不足が課題となるなか、Webサイトを営業ツールとしてさらに機能させていくためにも、ワンランク上のノウハウを身につけたいと考えました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
より深化したペルソナ設定と専門情報によるSEO戦略
2年目のスタートにあたり、アドバイザーからは改めて「誰にどんな情報を届けるのか」というターゲット設定の重要性を説かれました。そこで、まずは福祉車両事業の顧客像を「どのエリアの、どのくらいの規模の施設で、何台ほどの福祉車両を所有しているか」まで細かく掘り下げて再設定しました。 その上で改めて取り組んだのが、ターゲットのニーズに直結するブログを発信し、検索エンジンからの流入を狙うコンテンツSEOです。2年目は単に記事数を増やすのではなく、故障例や整備実績など、設定した読み手が求めている専門性の高い情報を精査して提供することで、自社の信頼性と検索順位の向上を狙っていきました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
生成AI×現場知見でつくるユーザー視点のコンテンツ
ブログの作成にはChatGPTを活用していますが、決して生成AI任せにはしないことを心がけています。まず顧客像をもとにテーマを決め、生成AIを用いて構成案や下書きを作成。その上で、出来上がった原稿は必ず現場のメカニックが確認し、技術的な正確性や当社らしさを持たせて仕上げています。
また専門家派遣を利用して、プロのカメラマンから撮影技術のレクチャーを受けました。「何を伝える写真なのか」を意図して構図や光を意識することでブログ写真のクオリティが格段に上がり、コンテンツの説得力が増しました。これらの実践を通じて、常に検索者視点での発信を意識できるようになりました。
パラメーター付きQRコードでチラシなどの効果測定
デジタルと並行して、チラシやDM(ダイレクトメール)発送、「福祉送迎運転者講習会」といったオフラインの営業活動も大切にしています。新たに制作するチラシやポスターには、QRコードのURLにUTMパラメーターを設定しました。これにより、Webサイトへの「Direct」流入の一部がどの紙媒体経由なのか、Googleアナリティクスで判別できるようになりました。オフライン施策の効果が数値として可視化され、より効果的な集客施策が打てるようになっています。

メカニックと連携し、整備の専門性をブログ記事に反映させている。「技術的な裏付けがあるからこそ、ユーザーに信頼されるコンテンツになります」と田草川社長。社内全体でデジタル活用に取り組む雰囲気が醸成されている。
■支援の感想と今後の展望■
「見える化」が生む次の一手と行動意欲
取り組みの成果はデータに表れています。以前は平均すると10〜20位だったブログ記事の掲載順位が、最近では1ページ目にまで上昇。特に強みである<タクシー 自動ドア 修理>といったキーワードでは1位をキープしています。 アクセス解析についても、1年目は流入経路を確認する程度でしたが、現在はどのページを起点に、どう回遊しているかといったユーザー行動まで把握できるようになりました。結果、次に必要な打ち手が明確になって、今では戦略策定の重要なヒントとなっています。感覚値だった成果がデータとして見えるようになった効果はとても大きいです。
デジタルは事業の発展に欠かせないツール
アドバイザーは、答えを教えるのではなく問いかけをくれるコーチのような存在です。おかげで「デジタルは事業発展のための道具の一つ」だと腹落ちし、経営にどう活かすかを自ら考えられるようになりました。しかし道具である一方で、Webサイトは「企業の顔」でもあるので、今後も大切に育てていきます。中期的には潜在層に向けたWeb広告の活用も視野に入れつつ、限られた人数で効率よく受注できるようWebと社内体制の両方を盤石にしていきたいと考えており、その道筋を示してくれたアドバイザーには心から感謝しています。
アドバイザーとのミーティングで解析ツールのデータを見ながらPDCAを回していく。「支援当初はデジタル用語の意味すら分かりませんでしたが、今ではWebサイトの解析データが経営戦略の判断材料になっています」と田草川社長。

チーム体制を作り地道にPDCAを回し大きな成果を出しています

アドバイザー 藤原 哲史
2年間で驚くほどの成長を遂げられました。特筆すべきは、ただツールを使うだけでなく「誰に何を届けるか」を常に意識し、経営視点でデジタルを活用されている点です。コンテンツSEOでは、専門性の高いブログを発信したことで、ニッチなキーワードで圧倒的な強さを発揮。エンゲージメントも高いため検索上位を維持でき、さらに流入が増える好循環が生まれています。必要とされる技術があり、専門性や強みが明確で、それを適切に発信できていればコンバージョンは自然と向上しますが、このことを実践して結果を出した好例です。
※本記事は、2025年12月時点の情報です。
企業情報
| 企業名 | 豊興自動車株式会社 |
| 所在地 | 東京都豊島区池袋3-69-5 |
| 設立 | 1965年5月 |
| 事業内容 | 自動車整備および修理、自動車用品販売(個人タクシー・福祉車両等) |
| 資本金 | 1,000万円 |
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