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製造業

MEO対策に取り組み新規受注を獲得 さらにWebサイトの構造をツリー型へ改修 SEO強化などのデジタル施策で事業の成長が加速

2025/03/21

有限会社岩井金属金型製作所

「今回の支援を通じて、当社の強みや目指す方向性を会社全体で共有できたことは大きな収穫です」と語る岩井社長。デジタル施策により問い合わせ件数と精度が向上したことで、一段高いレベルの営業戦略へとシフトしている。

※写真 代表取締役 岩井 保王

技術力と対応力を強みに販路開拓を目指す岩井金属金型製作所。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)の前半は、SEO対策として緻密な検索キーワード選定に注力。後半では、サイト構造のツリー型への改修とコンテンツ拡充などを行い、Webサイトを「名刺代わり」から「集客ツール」へと昇華させた。結果、全国から高確度の問い合わせが入り、受注も増加している。

■取り組みの進行状況■

キーワード選定とサイトのツリー構造化によりSEO強化

今年度は、まずMEO(マップ検索エンジン最適化)対策に取り組みました。併せてFABE分析を通じて自社の強みを言語化し、SEOの仕組みを学びながら土台を整え、SEOの根幹であるキーワード選定を行いました。SEO対策を推進するなかで、アドバイザーから「そのキーワードはターゲットが検索するワードですか」との指摘を繰り返し受け、厳しい局面の連続でしたがなんとか乗り切り、成果を上げることができました。ハンズオン支援の後半はさらにハードルが高くなり、適切なキーワードを検索ボリュームとともに洗い出し、キーワードの包含関係とサイトの階層構造を考慮しながら、ページごとに狙うキーワードを整理していきました。例えば、「業務内容>六角穴加工>矢打ち加工」というように、深い階層ほどより専門的なキーワードを設定します。
アドバイザーの助言により、サイト構造も「フラット型」からSEOに強い「ツリー型」に変更し、併せてコンテンツの拡充も図りました。加工法や製品事例が多岐にわたるため、問い合わせの多いページから順次実装しているところですが、すでに<矢打ち加工>での検索順位が10位から6位に上昇するなど、成果につながっています。

製作実例や検索結果をビジュアルで分かりやすく

製作実例のブログ記事も制作中です。写真を公開できない受託製品については、3D CADを用いてイラストを作成しており、こちらも優先度の高いページから着手しています。加えて、「紙のプレス加工」の画像を検索結果に表示できるようになったことも成果の一つです。紙の業界にも同じ用語がありますが、画像掲載により全く異なる加工であることが一目で分かるようになりました。

有限会社岩井金属金型製作所のWebサイト。

<紙 プレス加工>の検索結果では同社の「紙のプレス加工【絞り加工】ページ」が上位表示される。検索結果に画像を掲載することで、他業界における同用語との違いが分かり、問い合わせの質が格段に向上したという。

■これまでの成果と今後の展開■

受注確度と質の向上、顧客目線の大切さを再認識

Webサイトの改修はまだ道半ばですが、目標に掲げた「サイト経由の問い合わせ30件、受注10件」はすでに達成し、全国から新しい分野の問い合わせをいただいており、確度も向上しました。金属の加工は種類が多いので、以前は専門外の問い合わせが少なくなかったのです。サイト改修によってターゲットが欲しい情報にアクセスできるようになり、当社の専門技術をよく理解された上での具体的な問い合わせが増えています。

サイトには工場見学に匹敵する情報量を

アドバイザーからは「顧客への親身な対応も強みになります。Webサイトには工場見学に匹敵する情報量を掲載してください」という助言をいただいておりましたので、技術情報だけではなく「選ばれる理由」「受注の流れ」など新規顧客向けのページを増強し、仕事への想いや姿勢、会社の雰囲気をアピールしています。これが奏功し、最近のご相談内容は浅いものから深いものへ、新規受注も単発から長いお付き合いへと変化しています。

対面営業への波及効果と新たな可能性へ

ハンズオン支援により、「名刺代わり」だったWebサイトを「集客ツール」へと進化させたことで、予想以上の成果を上げることができました。Webサイトで質の高いリードを獲得できるようになったため、遠方への訪問営業をより積極的に行えるようになっています。今まで接点のなかった業種・地域のお客様との対話は気づきや価値ある情報が多く、新たなフィールドへの進出や技術転用も視野に入ってくるなど、今後の可能性に期待感が増しています。今後もデジタルと対面を両輪としてさらなる事業の成長を目指します。

社長の保王さんが方向性を示し、妻で取締役の光恵さんがコンテンツテキストを作成、WebデザインなどWordPressを使った実作業は娘の香野子さんが行っている。アドバイザーとのミーティングには3人揃って出席しているという。

有限会社岩井金属金型製作所の岩井社長と谷藤アドバイザー

■公社支援のもとで取り組んだ感想■

事業の成長を見据えた提案と伴走型の支援が力に

アドバイザーの提案は、製造業およびデジタルマーケティングの一般論ではなく、金型業界を深く理解した上での施策で、しかも当社が目指す方向を見据えたものでした。「デジタルの専門家がここまで事業の成長を考えてくれるのか」と驚きましたし、懸命に思案してくださる真摯な姿勢に感銘を受けました。
「Webサイトはお客様目線であること」、これはさまざまな局面でアドバイザーが繰り返した言葉です。一見簡単なように思えますが、実はマーケティングとSEOの知識、そして日々の訓練が必要なことを体感しました。

「情報発信力の強化が事業の成長に直結する好例です」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 谷藤 剛

金型業界は、後継者問題や人手不足、価格競争などを原因として廃業する工場も少なくありません。そうした状況だからこそ、高い技術を持つ企業にはチャンスがあると考えています。同社の場合、業界のロールモデルになれるほどの技術力をお持ちなので、情報発信力を強化することによって、必ず目標を達成できると信じてSEO対策を中心に支援を行いました。ご家族と従業員の皆さんが団結して施策に取り組み、飛躍的に事業を成長させている企業です。

※本記事は、2025年1月時点の情報です。

企業情報

企業名有限会社岩井金属金型製作所
所在地東京都墨田区八広1-4-3
設立1990年11月(創業:1935年)
事業内容プレス金型製作・プレス加工/ワイヤーカット加工/六角穴加工
資本金1,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。