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小売業

ターゲット目線での発信とデータ解析の重要性を実感 コンテンツの適切なキーワード選定・タイトル改善とLINE活用による顧客育成でジオラマの魅力を発信

2025/03/10

有限会社さかつう

さかつうでは初心者向けのワークショップも多数開催。里山やテラリウム、箱庭など人気の高いテーマも扱っている。「まずは作ってもらってジオラマの魅力を知っていただくことが販路開拓のポイントになります」と話す坂本社長。

※写真 代表取締役 坂本 直樹

情景模型・ジオラマ専門店のさかつうは、さらなる認知拡大とECサイトの売上拡大を目指し、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)にてジオラマ製作の初心者をターゲットとしたブログ記事制作、プレスリリース配信に取り組んできた。継続的に改善を図り新たな施策で挑戦を続ける。

■取り組みの進行状況■

ブログのタイトルとキーワードの重要性を再認識

今年度は「ジオラマ初心者向けのコンテンツ拡充」の方針に沿って、Webサイト内のブログコンテンツへ新たに5本の記事を掲載しました。「初めてのジオラマ作り」「ラップで作る海ジオラマ」記事の反響が大きかった一方、最も注力した「ジオラマのAI店長、誕生!」は期待していた反響がありませんでした。原因はAIとジオラマの関連性が低いことと、「AI店長」が検索ワードとしては不適切だったと考えられます。「チャットボット」「AIコンシェルジュ」など一般的な言葉を用いるべきでしたが、画期的なサービスだと自負するあまり想いが先走ってしまったのです。SEOにおける適切なキーワード選定とタイトルの大切さを改めて認識する機会になりました。

プレスリリース配信の経験値と知見を蓄積

新たな営業手法としてプレスリリースの活用法を習得すべく、試験的にAI店長のトピックにて配信したところ、複数の媒体で取り上げられました。残念ながら、IT系インフルエンサーの拡散による流入拡大や問い合わせにはつながりませんでしたが、情報を受け取る側の目線での発信が重要だということを実践から学びました。アドバイザーと効果的な打ち出し方や配信サービス選択を協議し、本丸の「思い出のジオラマ」などのPRに今回得られた知見を活かしていきます。

オーダーメイド・ジオラマ『お家の模型、造ります』の作品。

オーダーメイドで受注している『お家の模型、造ります』は、「もうなくなってしまった実家や風景を模型で再現したい」など、根強いニーズがある定番メニュー。今後はPRに注力し、ニーズを掘り起こしていきたいと坂本社長。

■これまでの成果と今後の展開■

詳細なアクセス解析による真の原因特定とその対策

ブログ記事で初心者を惹きつけ、ECサイトへの流入数倍増を目標としてきましたが、現在のところ達成には至っていません。原因究明のため、SEOの専門家派遣にてGA4(Googleアナリティクス4)などを用いて詳細を解析した結果、検索流入数は安定しており、「Direct」すなわちブックマークやお気に入りなどからアクセスしている既存ユーザーが減っていることが判明しました。対策はこれからになりますが、アドバイザーと相談し、LINE公式アカウントにて既存・見込み顧客との接点を増やすアプローチを検討しています。

コンテンツSEOの継続

並行してブログも強化していきます。ラッコキーワードなどを用いた検索ボリュームのあるキーワード選定や複数ワードを組み合わせたタイトル作成にも慣れ、生成AIを駆使しての画像生成なども行っています。しかし、コンテンツSEOは掲載して終わりではなく、常に効果検証が必要なことをアドバイザーから学んできました。「同じ検索ワードを盛り込んで新しい記事を複数作成するより、一つの記事をブラッシュアップした方が高いSEO効果を得られる」との助言もいただき、これまでの記事を改良しつつ、いくつかのキーワードを試しながら引き続き流入の間口を広げていきます。

リピーターとの接点を強化するためのLINE施策を始め、SEO対策、プレスリリースへの再挑戦、ブログ記事のブラッシュアップ、生成AIを活用した新たなキャラクター作りなどはすでに実施準備に入っている。

取材を受ける有限会社さかつうの坂本社長。

■公社支援のもとで取り組んだ感想■

課題解決の糸口が見えてきた

ハンズオン支援での取り組みを通じて、1年前の当社のやり方がいかに自己流だったかを痛感しました。とりわけ検索者が求めるキーワード選定の重要性を学んだことは大きな成果です。当社のジオラマに対する想いも潜在顧客が検索してくれなければ意味がありません。検索意図やボリュームを意識せず発信していたため、たとえるなら山奥で海の家の集客をしているようなものでした。
中小企業はリソースが限られるので、「まずは施策を試してみる」ことも少なくないと思います。当社も我流にて、Web広告を少額で出稿し、結果が伴わず「広告は無駄」と自己判断したり、逆にSNS運用は明確な戦略・目的がないまま続けている状況でした。今回、アドバイザーと専門家派遣で当社の状況を見ていただき、課題解決への道筋がデータで可視化されました。支援前は謂わば、風邪かと思って市販薬を試したが治らず、病院に駆け込んで専門医が診たら全く違う病気が判明し、適切な治療法を提案いただいたような感じです。

挑戦から得た改善点を踏まえ来年度に向かう

今後はWeb広告の再挑戦を始め、LINEや動画の活用も計画しています。今年度の挑戦から得た改善点を踏まえてデジタル施策の方針を定め、来年度は定量的成果を出したいと考えています。多面的な取り組みにより、ジオラマの魅力を多くの方々に届けたいと思っています。

「知識吸収の速さと行動力が強み 行ってきた施策で改善点が明確化」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 新井 庸

坂本社長の知識を吸収する力と施策実行のスピード感、そして常に前を向く姿勢は素晴らしいと思います。これまで行ってきた施策の効果検証により、改善点が明確化され、目標達成への糸口は見えてきました。施策の実施で蓄積した解析データは同社の財産です。今後は、ファンの獲得とリピーターとの接点強化を図るため、さまざまな新しい施策に取り組んでいく計画です。

※本記事は、2025年1月時点の情報です。

企業情報

企業名有限会社さかつう
所在地東京都豊島区巣鴨3-25-13 クラブリーシュ1階
設立1977年
事業内容ジオラマ、ミニチュア、情景模型の販売
資本金1,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。