福祉車両整備のリーディングカンパニーとして認知度を上げ、Web経由の問い合わせと新規顧客の獲得を目指し、自らデジタルマーケティングに取り組む田草川社長。
※写真 代表取締役 田草川 陽子

個人タクシーの整備において豊富な実績を持ち、近年は福祉車両の整備も手がける豊興自動車株式会社。個人タクシーの減少や営業リソース不足といった環境のなか「デジタルは苦手」と言いつつ、社長自らが率先して営業DXに挑む。コンテンツSEOとして事例ブログの拡充から実践し、コーポレートサイトを中心とした集客力の強化を図る。
■本事業に申し込んだ背景■
デジタル活用で属人営業からの脱却を目指す
当社は1965年の創業以来、長年にわたり個人タクシーの整備・架装を主力事業としてきました。しかし昨今、個人タクシーは長年続いた新規許可の制限が一部緩和されたものの、事業者の高齢化などが影響して台数が減少しており、市場は縮小傾向にあります。そこで当社の技術力を活かした新規事業として、2019年から福祉車両の販売・整備事業を開始しました。しかし、コロナ禍の影響や営業力不足もあり、手探りで整備事例ブログやリスティング広告出稿など、コーポレートサイトを軸としたデジタルマーケティングを行うようになりました。
属人営業からの脱却を目指しましたが、期待する結果を得られずに悩んでいた際、取引のある金融機関から公社のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を教えていただき申請しました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
自社の強みをWebサイト上でしっかり訴求
年間の走行距離が5万キロにも及び自動ドアをはじめ、タクシー固有の装備を持つ個人タクシーの車両点検・整備、また福祉車両のリフトやスロープの整備など、ミスが許されない特殊車両に対応する高い技術力が当社の強みです。アドバイザーからは最初のミーティングの際に、「コーポレートサイトで東興自動車の強みをしっかり周知していくことが施策のスタートライン」との助言をいただき、コンテンツマーケティングに取り組むことを決めました。

同社を頼って遠方から訪れる個人タクシーのドライバーも少なくない。個人タクシーの整備・架装において、東個協指定工場および日個連交通共済指定工場として、豊富な経験と高い技術を持つことが強み。
■具体的な販路開拓への取り組み■
専門性の高い情報発信で差別化とコンテンツSEOを図る
Web上で当社の強みを発信するにあたり、アドバイザーとコーポレートサイトへの流入キーワードを解析したところ、<タクシー 自動ドア><福祉車両>など当社の強みと一致するワードにて、主にスマホから一定量のボリュームで検索されていることが分かりました。
そこで、事例紹介のブログ記事を拡充してランディングするページを増やすコンテンツSEOに取り組みました。特に福祉車両の整備においてはまだ競合が少ないため、専門性の高い情報を充実させることにより効果が期待できます。
生成AIの活用でコンテンツ制作や業務の効率化
アクセスを獲得するためのブログ記事を効率的に作成できるよう、生成AIの活用法についても教えていただきました。実は生成AIには興味があってセミナーなども受講しましたが、使いこなせていなかったのです。今回、アドバイザーにプロンプトのコツなどを丁寧に教えていただいたことで徐々に使いこなせるようになり、最近は記事の作成だけでなく、通常業務の資料作成にも応用しており、その利便性には大いに助けられています。
オフラインでの営業活動も継続
コーポレートサイトへの集客施策だけでなく、福祉車両を持つ事業者に向けてDM(ダイレクトメール)を発送したり、安全運転講習会を開催し対面営業への足がかりにするなど、オフラインの営業活動も並行して行っています。引き続き専門性を磨き、デジタルとオフラインの両面から訴求して販路開拓を進めていく計画です。
支援の開始当初は「デジタルは苦手でアレルギーに近い」と言っていた田草川社長だが、アドバイザーの伴走により、SEOの基礎知識を修得し、現在では解析ツールや生成AIを使いながらデジタル施策に取り組んでいる。

■支援の感想と今後の展望■
デジタル施策における集客の流れを理解
コーポレートサイトは、効率的な運用と効果を見据え、アドバイザーにサポートいただきながらサイト構成やコンテンツ内容などを大幅に見直して改修に取り組んでいます。また支援前は、Web経由で問い合わせがあることは認識していても、その経緯や要因については曖昧なままでした。しかしアドバイザーからコンテンツSEOのロジックやアクセス解析ツールのレクチャーを受けたことで、施策における集客の流れを理解できるようになってきました。
データによる可視化で効果を実感
当面は狙ったキーワードで上位表示されるよう、コンテンツSEOに注力します。ハンズオン支援によりコーポレートサイトのアクセス数は向上しており、取り組んだコンテンツ強化の効果は徐々に出始めています。これまで感覚的に捉えていた効果の検証がアクセス解析のデータによって可視化され、明確に理解できるようになったのも大きな収穫です。以前から行っているリスティング広告の最適化はこれからになりますが、PDCAサイクルを確立して今後もデジタル施策による販路開拓に取り組んでいきます。
「根気強くデジタルと向き合いながら自社の強みに磨きをかける」

アドバイザー 藤原 哲史
「デジタルは苦手」と言いつつ、Webコンテンツやブログ記事を作成され、文章は生成AIを活用しながらも推敲を重ねるなど、田草川社長の課題に向き合う実直な姿勢と実行力は素晴らしいと思います。コンテンツマーケティングに取り組むことによって、継続的に検証し、改善を図っていくSEO対策の基盤ができました。明確な強みと高い技術を持っている企業です。情報発信を強化することで、さらなる販路開拓が期待できます。
※本記事は、2024年12月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 豊興自動車株式会社 |
所在地 | 東京都豊島区池袋3-69-5 |
設立 | 1965年5月 |
事業内容 | 自動車整備および修理、自動車用品販売 |
資本金 | 1,000万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。