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製造業

自社開発した製品のニーズを洗い出して言語化 ターゲット目線でのキーワード選定により潜在顧客にリーチするコンテンツSEOに成功

2025/02/21

株式会社エムティーシー

WordPressを使ってWebサイトを制作するなど、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)前からデジタル面でのスキルがあった村上社長。通常業務と並行してデジタルマーケティングと誠実に向き合っている。

※写真 代表取締役 村上 康尚

主にOA機器の受託設計を手がける株式会社エムティーシー。OA機器とは異なる自社開発製品の販路拡大を図るためデジタルマーケティングに注力。「まだ世に知られていない」製品を周知すべく、潜在顧客の目線にてキーワード選定を行い、ブログ記事とYouTube動画によるコンテンツSEOに取り組んだ結果、Web経由の問い合わせが大幅に増加し、受注獲得にも成功。

■本事業に申し込んだ背景■

自社開発製品の販路拡大を目指して

当社はもともとOA機器の中でも特にプリンターの受託開発を主力事業としておりますが、近年は自社製品の開発・販売も積極的に行っています。ある時、顧客からの「小型カード搬送装置(紙の束から紙を1枚ずつ送り出す装置)」の開発依頼をきっかけに、この独自技術を用いた製品を開発して販売を開始しました。販路を開拓するために、WebサイトやYouTubeでの発信を行ってきましたが、結果が出ないことに悩んでおり、デジタルマーケティングにおける戦略や改善策へのサポートを求めてハンズオン支援を申請しました。

株式会社エムティーシーの小型カード搬送装置

小型カード搬送装置は、工場から製品出荷の際に添付する「かんばん」、取扱説明書・チラシなどのピッキング作業の省力化に貢献する大きな可能性を秘めた製品。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

「未知の商品」の価値を客観的に深掘りして言語化

アドバイザーに「Web経由の問い合わせを月間3件程度から60件に、さらに成約率も向上させたい」旨をご相談したところ、デジタル施策の前段階として、まずは製品の強みや市場におけるポジショニング、ターゲットを再確認するよう提案いただきました。当社独自の開発製品ですので、一般名称もなければ存在自体が世間一般に知られていません。しかし、製造業において間違いなく需要がある製品です。アドバイザーとともに、潜在顧客へ確実に周知するために製品の価値やニーズを改めて分析し、言語化することに取り組みました。

潜在顧客に響くキーワードとは

製品の強みやターゲットを深掘りしていく過程は、開発側にいると見過ごしてしまう新たな気づきの連続でした。Googleサーチコンソールの使い方を教えていただき、流入キーワードを調査したほか、「誰が、どんな場面で使うのか」「ユーザーの困りごとは何か」「この製品を使うとどんなことを解決できるのか」などを協議しながら、潜在顧客に響くキーワード選定を行ったのち、各コンテンツにSEO対策を施していくことにしました。

■具体的な販路開拓への取り組み■

コンテンツSEOでの流入拡大と新たなニーズ発掘

製造業におけるコストカットは、常に命題です。例えば、自動車部品の製造ラインでは「現品票」「かんばん」と呼ばれる紙を完成品ごとに添付していくのが一般的ですが、紙の束から1枚ずつ取り出す作業は一見簡単な工程ながら未だ自動化が困難な領域で、ボトルネックとなっています。当社の搬送装置はこれを自動化し、工数の削減に貢献します。こうした背景を踏まえ、ターゲットが検索すると想定されるキーワードを選定し、コンテンツのタイトルなどに盛り込み、ブログ記事も制作していきました。
キーワード選定には苦労しました。「紙を1枚ずつ送り出す」、これに代替する単語が見つからないのです。しかし、キーワードを模索する過程で、当社が想定していた業界以外にもニーズがあることを発見できたのは大きな収穫でした。現在は、アタックする業界に合わせたキーワード選定とコンテンツSEOに注力しています。

検索者の視点で動画などのタイトルを最適化

さらに、ユーザーの視点や検索意図を踏まえたコンテンツタイトルの重要性を認識できたことも大きな学びでした。例えばYouTube動画のタイトルには、単に製品名をつけていたのですが、アドバイザーから「誰も知らない製品名で検索されるはずがない」と指摘され、機能面やニーズ面のキーワードを盛り込むなど、動画のタイトルや概要欄を修正しました。コンテンツ制作において「検索する人の気持ちになって、ブログ記事や動画のタイトルを考える」ことは今でも指針になっています。

ニーズのある製品ゆえ全国から問い合わせがある。同社は1件1件の問い合わせに、丁寧に対応する。アドバイザーに繰り返し教えてもらった「問い合わせは財産」の言葉はまさに金言と語る村上社長。

株式会社エムティーシーの村上社長と酒井アドバイザー

■支援の感想と今後の展望■

SEOの効果と商材の可能性を実感

コンテンツSEOによって流入の間口を広げた結果、問い合わせ数が月3件から20件に増加、さらに大手企業の工場から直接依頼を受けるなど、大きな手応えを感じています。新規問い合わせのほとんどがWeb経由という状況からも、デジタルマーケティングの効果を実感するとともに、今後はアクセス解析・顧客分析にも力を入れ、コンテンツ強化に取り組んでいきます。継続して事例ブログの拡充に注力するほか、さらなる新規顧客の獲得に向けてWebサイトのデザインを分かりやすく信頼性の高いものに改修し、ターゲットのニーズに合わせた製品紹介ページを作成、問い合わせまでの導線整備も行う計画です。暗中模索の状態から道筋を示し、受注の獲得にまでつなげてくれたアドバイザーには心から感謝しています。

「継続してコンテンツSEOに取り組み、さらなる販路開拓を目指します」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 酒井 大輔

SEO対策において、ユーザー目線のキーワード選定を徹底的に行い、コンテンツ強化を図ったことで着実に成果を上げています。村上社長は、製品開発・組み立て、問い合わせ対応も行うなど非常に多忙ですので、今後は営業DXによる効率化を推進していくことになります。小型カード搬送装置は、想像以上に市場ニーズがあり、大きな可能性を秘めた製品です。継続的なコンテンツSEOと営業DXでさらなる販路開拓を目指します。

※本記事は、2024年12月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社エムティーシー
所在地東京都新宿区西新宿3-3-23 ファミール西新宿808【2024年12月現在】
設立1995年7月
事業内容プリンターおよび給紙・搬送機構などの受託設計 ほか
資本金3,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。