• トップ
  • 企業事例
  • メルマガやコンテンツマーケティングなどに取り組み、ターゲットの適正化と受注単価の向上に貢献 社内におけるデジタル施策への理解も促進
製造業

メルマガやコンテンツマーケティングなどに取り組み、ターゲットの適正化と受注単価の向上に貢献 社内におけるデジタル施策への理解も促進

2025/02/14

望月印刷株式会社

インサイドセールス全般を一手に担う赤松さんは、デジタル施策の社内の理解促進にも尽力している。メルマガ配信やコンテンツマーケティングに取り組み、Web経由の受注単価向上などの成果を上げた。

※写真 営業部 受注サポート 赤松 敏

高品質な商業印刷で多くの大手企業と信頼関係を築いている望月印刷株式会社。創業から今年(2025)、120年を迎える老舗企業。Webサイトのリニューアルをきっかけに運用管理を内製化、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)でメルマガやコンテンツマーケティングに挑戦し、社内の意識変革にもつなげている。

■本事業に申し込んだ背景■

商業印刷を主軸とした「情報加工のプロ」

当社の主力事業はカタログ、チラシ、冊子などの商業印刷です。お客様のニーズに的確に応えるため、都内有数の規模を持つ印刷工場を有し、撮影からデザイン、印刷、デジタルコンテンツの提供まで一貫して対応できる生産体制を確立しており、製薬業界や金融機関、美術館など、印刷物への高い精度が求められる大手企業様との長期的なお取引があります。新規受注は既存のお客様からのご紹介が大半で、販路開拓を目的とするデジタルマーケティングに積極的ではありませんでした。しかし、印刷業界の先行きを見据えて、2023年10月に自社Webサイトのリニューアル、動画制作やワンソースマルチユースなど印刷物以外のサービスのご提案などにも注力していくことになりました。

コンテンツの発信と運用が課題

以前のWebサイトは「地域密着型」「何でもご相談を!」という訴求内容だったため、個人や小ロットの問い合わせが多く、営業リソースを圧迫していました。そこで、ターゲットをBtoBの中規模案件に絞り込み、当社の規模感・提供価値を訴求する見せ方へ変更し、顧客層の適正化を図りました。一方で、そのようなターゲット層へ「何を発信し」「どう運用すべきか」、方向性が見いだせない状況だったため、専門家による支援を求めて申請しました。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

ターゲットと強みの深掘りによる方針策定

アドバイザーと協議し、サイト内コラムの制作とメルマガ配信に注力することになりましたが、その前にサイトの検証を行い、グローバルメニューの変更など軽微な改修を実施したほか、ターゲットと自社の強みをさらに掘り下げて明確化していきました。
併せて社内の理解促進についても相談しました。社内には「Web経由の依頼=低単価」のイメージが広がっていたほか、既存のやり方を変更するようなマーケティング活動を是としない社風も相まって、デジタル施策に否定的な空気感がありました。アドバイザーには社内の常識に引っ張られない客観的な相談相手になっていただき、「壁打ち相手」にもなってもらいました。

望月印刷株式会社の赤松さんと石井アドバイザー

「ターゲットに向けて情報発信するとともに、社内に向けてもアドバイザーと一緒に取り組んでいる施策の内容と効果を発信する必要があった」と話す赤松さん。

■具体的な販路開拓への取り組み■

社外訴求と社内浸透を兼ねた営業ツールの制作

現場の営業員からは、WebサイトやMA(マーケティングオートメーション)の活用など、何をやっているのかが分からないという声も上がっていて、その対策としてメルマガやサイトのコラムと同じ内容で「望月ジャーナル」というチラシを作成することにしました。営業ツールとしてお客様に手渡しするとともに、社内にも新しい取り組みを周知する狙いです。まさにワンソースマルチユースの応用ですが、訪問先でメルマガの話題になることもあり、営業担当者もその効果を認識できたようです。

最適なキーワード選定で発信効果を最大化

コンテンツ制作の際にはSEO対策の専門家派遣も活用し、印刷業界特有の商習慣も踏まえた適切なキーワード選定のノウハウを学ぶことができました。現在、<印刷 東京>などでSEO対策を進行中です。コラムに関しては、カテゴリーやタグなどをまとめた一覧表を作成し、記事作成の効率化を図っています。また、タイトルについてはアドバイザーより「ユーザーはそのキーワードで検索しますか?」と何度も指摘を受けました。検索ボリュームとユーザー目線を考慮したワードを模索するなど、より効果的なコンテンツマーケティングを目指しています。

第1回のメルマガ、コラム、ジャーナルのテーマは『文化庁メディア芸術祭 1997-2022 25年の軌跡(CG-ARTS刊)』の令和5年度ジャグラ作品展 業務用印刷物部門での厚生労働大臣賞受賞について。箔押しや製本の高い技術と制作プロセスの管理体制が評価されたという。

業務用印刷物部門で厚生労働大臣賞を受賞した作品

■支援の感想と今後の展望■

同じアドバイザーの連続支援が効率的習得と成果に

本支援で特に感じたのは、継続的な伴走支援の価値です。同じアドバイザーに1年間見ていただけることで、疑問や課題が段階的に生じても、相談から解決までをスピーディに行うことができ、理解も深まりました。Web経由の受注件数は少し減少しましたが、受注単価が昨年に比べ10倍近くとなり定量的成果にもつながっています。

MAツールを活用した営業との連携体制を目指して

施策の取り組みにより、社内の理解が進んだ点も大きな成果です。デジタルマーケティングに対して懐疑的だった営業部員や上層部も、実際にやってみることにより徐々に協力的になっています。2025年度はコンテンツ制作の体制強化のほか、現在はメルマガ配信にのみ使用しているMAツールを、リード育成や営業支援といった本来の目的まで活用の幅を広げていきたいと思っています。対面営業や大型受注への架け橋となれるよう、今後もデジタルマーケティングを推進していきます。

「老舗企業の営業スタイルを残しつつデジタル施策で企業価値を訴求」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石井 邦利

望月印刷さんには、積極的なアピールを避ける老舗企業ならではの社風があります。その謙虚な実直さが強みの一つでもありますので、現在の企業イメージを大きく変えないよう表現に配慮しながら訴求していく必要がありました。同時にデジタル施策への社内の理解促進という目的もあったので、メルマガやコラムは対面営業との架け橋というスタンスで取り組みました。成果が数字になって可視化され、社内に向けての情報発信に取り組んだことによって上層部や営業部員の意識も好転してきました。

※本記事は、2024年12月時点の情報です。

企業情報

企業名望月印刷株式会社
所在地東京都台東区浅草橋5-7-10
設立1905年
事業内容商業美術印刷全般 ほか
資本金5,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。