ものづくりへの想いを伝え、つなぐ ブランドサイトやECサイト、SNSによる情報発信でtoB toC 両面のアプローチから共感の輪を広げる
2025/02/05
株式会社アスカルデザインプロダクツ
工房「MADE in 日本橋」を立ち上げ、ブランドサイトやECサイト、SNSにて、ものづくりに対する想いをアピール。「共感していただく方との縁を広げていきたい」と語る舘野社長。心に響くデジタルマーケティングに尽力する。
※写真 代表取締役 舘野 一也
住宅建材における「デザイン」や「原型」などの制作を中心に手がけている株式会社アスカルデザインプロダクツ。1974年の創業から培ってきた「デザイン資産」をより多くの人に届けたいと、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を受け、デジタル施策にてリブランディングに取り組み、事業拡大につながる共感の輪を広げている。
■本事業に申し込んだ背景■
工房「MADE in 日本橋」の立ち上げ
当社はタイルや壁紙といった住宅建材のデザイン・原型制作を主事業として、BtoBのお取引をメインに展開してきました。しかし、他業界やエンドユーザーにも当社のデザインを発信する必要性を感じるようになり、2019年より自社製品の開発や型の販売を開始し、デジタルマーケティングにも注力するようになりました。
また、コロナ禍を契機に多くの企業が都市部から郊外へと拠点を移すなかで、文化や交通の起点である日本橋にこだわり、2021年に工房「MADE in 日本橋」を立ち上げ、型を使ったものづくり体験、3Dプリンター等のレンタル、地域交流イベントの開催などを行うようになりました。
自分の手を動かし、想いを乗せたサイトを作りたい
デジタルマーケティングに関しては、コーポレートサイト、「MADE in 日本橋」の予約サイト、ECサイト「きがたばし」、ブログ、ユーザーと双方向の交流を図ることを目的とするInstagramの運用に取り組んできました。しかし、SEO対策やアクセス解析まで手が回らず、複数サイトの効果的な運用方法も模索していました。また、ECサイト制作を外部委託した際、自らの手を動かさないと全くイメージが湧かなかった経験から、自分たちで制作・運用できるよう伴走型のサポートを探していました。
アスカルデザインプロダクツの事務所は東京・日本橋に近い。その空間は事務所というより工房の雰囲気。陶芸用の窯や3Dプリンターなども設置されておりワークショップを開催している。壁面には貴重な「木型」などを展示。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
「MADE in 日本橋」をブランドサイトに再構築
ハンズオン支援開始後、アドバイザーに「複数サイトのどれをメインに据えるか」を相談しました。さらに当社の現状や課題のほか、単に物販やワークショップの売上を拡大したいのではなく、「当社のデザインを広く知ってほしい」「型やものづくりを通じて、人とのつながりを広げていきたい」などの想いも丁寧にヒアリングいただき、各サイトの方向性を探っていきました。
アドバイザーと各サイトの現状を解析しながら協議を重ね、デジタルマーケティングの軸を「MADE in 日本橋」に据え、これをブランドサイトとして運用することにしました。その上で、各サイトのコンセプトやターゲットを見直し、それぞれの役割を明確にしていきました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
「Shopify」をカスタマイズしてブランドサイトに改修
もともと「MADE in 日本橋」のサイトはワークショップなどの予約ツールとして、ECプラットフォーム「Shopify」を使用して運用していました。Shopifyは直感的な操作と顧客データの一元管理が可能で、ユーザーを思い浮かべながら作業できる上に、将来的には越境ECにも対応できることから、そのまま活用してリニューアルすることにしました。アドバイザーから参考となるWebサイトや事例などの提示を受け、Shopifyのカスタマイズ方法を実際の画面操作を交えて教えていただき、「MADE in 日本橋」サイトのフロント部分を整えていきました。メインビジュアルを設け、ブログや作品事例を紹介するコンテンツも追加、さらにECサイト「きがたばし」を紐づけることで、自分たちの想いを伝えるブランドサイトに仕上げました。
現在はアドバイザーとともに、ブランドサイトの効果検証を行いながらSEO対策に取り組んでいる。ブランドサイトはプラットフォームの役割を担う仕組み。
■支援の感想と今後の展望■
問い合わせ件数が増加してビジネスチャンスも拡大
改修前と比べて、ブランドサイトへのアクセス数が向上し、お問い合わせも月10件ほど増えたほか、ワークショップは毎回盛況となっています。また、これまで一緒に取り組むことのなかった業種の方と出会い、新たなビジネスチャンスにも恵まれるようになりました。SEO対策やコンテンツの拡充など課題は山積みですが、より魅力的な情報発信を行うべく、社員が一丸となって動き始めているのもうれしい変化です。
アドバイザーのヒアリングでブランド価値を再発見
近年はAIの進化によって、一瞬で無限のデザインを生み出せる時代です。確かにAIは便利で効率的ですが、だからこそ人が手を動かして作り上げる唯一無二のデザインには、普遍的な価値があると思っています。当社のデザインにかける想いや作品の背景にも、アドバイザーは丁寧に耳を傾けてくれました。おかげで「MADE in 日本橋」をリブランディングでき、人と人をつなぐ「場」としてのブランドサイトを始動させることができました。今後も「MADE in 日本橋」をさらに発展させていきます。
「独自の世界観の発信と圧倒的なスピード感で好調な出だし」
舘野さんご自身がデザイナーということもあり、もともと「世界観の発信」に関しては、Instagramにて高いレベルで取り組まれていました。それをWeb上にアーカイブすることでより効果的な集客ができると考え、受け皿として「MADE in 日本橋」を軸に機能させる提案をしたところ、圧倒的なスピード感で形にされました。9月にブランドサイトとしてリニューアルしたばかりですが、すでに結果を出されており、今後の展開が楽しみです。
※本記事は、2024年12月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 株式会社アスカルデザインプロダクツ |
所在地 | 東京都中央区日本橋堀留町1-2-1 日本色素本社ビル3F |
設立 | 1974年9月 |
事業内容 | 住宅用建材等のデザイン・商品開発、ものづくり工房の運営 ほか |
資本金 | 10,000万円 |
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