常に新しい技術や製品の開発を目指す共立電気計器。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)は2年目の企業。「売上向上や業務効率化につながるデジタルマーケティングやDXの基礎を学び、確かな手応えを得た2年間」と話す下村さん。
※写真 マーケティング部 副部長 下村 憲一
創業80年以上の歴史を持ち、国内初のクランプメータを開発するなど、高度な技術と実績を持つ共立電気計器株式会社。同社製品は世界120か国以上で販売されている。2年間のハンズオン支援を通じてWebサイト刷新やコンテンツの拡充、新製品販促に取り組み、デジタルマーケティング導入の大きな一歩を踏み出した。
■本事業に申し込んだ背景■
デジタルマーケティング導入の遅れ
当社は、クランプメータや絶縁抵抗計、回路計など、電設業界で広く利用される製品を手がけ、〝測る〟技術を通じて社会に貢献しています。しかし、これまで展示会や代理店経由といった対面営業に依存していたため、デジタルマーケティング導入の遅れに課題を感じていました。そこで2023年、Webサイト刷新を機に、新たな顧客層へのリーチや営業力強化を目指してハンズオン支援を申請しました。
デジタルの活用により販路拡大の基盤を
当社が求める成果は大きく二つありました。一つ目は、Webサイトの改善とSEO対策の強化により、アクセス数を増やしてより多くのお客様に当社の事業を知っていただくこと。二つ目は、MA(マーケティングオートメーション)・SFA(営業支援システム)・CRM(顧客関係管理)ツールなどの活用に向け、営業DXの実現に必要なノウハウを習得することです。不足している知見を得て、デジタルを活用した販路拡大の基盤を構築したいと考えていました。
同社の製品は日本国内のみならず、世界120か国以上で販売されている。アドバイザーの助言により「顧客の課題・ニーズ」を明らかにする重要性を再認識。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
支援1年目:顧客視点のコンテンツ拡充でサイトを刷新
Webサイトの改善において、アドバイザーが一貫して重視していたのは、「顧客がなぜ購入しているか」すなわち顧客ニーズを深掘りすることでした。そこでまず、Webサイト設計に向けてGA4(Googleアナリティクス4)の活用法を学び、既存サイトへの訪問者数やユーザー行動などの分析を行いました。また、営業担当へのヒアリングから得た成功事例やお客様・販売店の声をもとに、顧客の信頼をより高める新コンテンツとして「導入事例レポート」を作成しました。ハンズオン支援により、UA(旧Googleアナリティクス)からGA4へのスムーズな移行や分析ノウハウを習得し、顧客視点に立ったサイト改善を実施できました。
支援2年目:SEO対策から販売戦略まで深化
初年度で得た成果を踏まえ、デジタルマーケティングのさらなる推進を目指して継続支援を依頼しました。2年目は、いよいよSEO対策に着手します。さらに新製品『サーモグラフィカメラKEW 5531』の発売に向けて、デジタル施策を活用した効果的な販売戦略のサポートもお願いしました。
アドバイザーとのミーティングは、見過ごしていた課題に気づき、販促戦略の質の向上にもつながっているという。左から、アドバイザー、海外営業部 第二営業グループ グループ長 倉本さん、マーケティング部 副部長 下村さん、マーケティング部 副部長 加藤さん。
■具体的な販路開拓への取り組み■
ユーザー行動の可視化による効率的な効果検証
昨年度よりアドバイザーには「Webサイトは作って終わりではない」と、繰り返し言われておりました。今年度は、サイトを訪れたユーザーの行動パターンを視覚化できる「ヒートマップ分析」を新たに導入。改善ポイントを見つけやすくすることで、Web運用における効果的なPDCAサイクルを構築しました。また、SEO対策については、ターゲットに合わせた適切なキーワード選定と、それに合わせたコンテンツづくりのポイントを教えていただき、こちらも継続的な改善を行っています。
直感的に分かりやすい動画で高い訴求力を実現
新製品の販促については、これまでやってこなかった類似製品の販売状況調査を実施するとともに、ターゲットのニーズを明確にして、当社製品の魅力やメリットを訴求するLP(ランディングページ)とYouTube動画を制作しました。実際に作ってみて、動画は直感的に内容が伝わりやすいため販促効果への手応えを感じています。
■支援の感想と今後の展望■
サイトアクセス数1.3倍、YouTubeチャンネル登録者数を2倍に
類似製品調査に基づいた営業戦略の成功により、新製品は目標の予約受注数を達成することができました。今年度は、Webサイトのアクセス数を1.3倍に引き上げ、YouTube動画の登録者数を2倍に増やすことを目標に掲げています。今後もWebサイトの効果検証と改善を継続し、顧客ニーズの理解を深め、魅力的なコンテンツや動画の拡充を行う予定です。また、営業DXに取り組み、生成AIを活用した業務効率化や新たなマーケティング施策にも挑戦していきたいと考えています。
期待値を超える支援でデジタル活用が加速
ハンズオン支援は、単なるアドバイスにとどまらず、当社に不足していた視点や取り組み方を新たに示してくれました。相談した課題に対して期待を上回る提案力と、一過性ではなく、自社のノウハウとして蓄積できる形でのサポートも素晴らしいと感じています。アドバイザーから得た知見やノウハウを次のフェーズである営業DXの本格推進に活かし、さらなる成長を目指します。
「しっかりしたチーム体制で着実に取り組む姿勢が大きな成果に」
デジタルマーケティングは多岐にわたる取り組みが必要ですが、同社はしっかりとしたチーム体制を持ち、こちらからの提案を一つひとつ形にしていく実行力とスピード感が際立っています。Webサイトの分析・改善からSEO対策、動画作成、類似製品調査に至るまで、2年にわたり地道に取り組み、確かな成果につなげていきました。リリースしている製品は高い競争力を持っており、今後の発展が期待できると感じています。
※本記事は、2024年11月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 共立電気計器株式会社 |
所在地 | 東京都目黒区中根2-5-20 |
設立 | 1950年9月 |
事業内容 | 電気計測機器等の製造・販売 |
資本金 | 4,200万円 |
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