吉田さんは元建築士。30代でジュエリーデザイナーの道を志した。建築とジュエリーのデザインは「イメージを形にするという点では共通することが多い」と話す。CADを駆使して立体的なデザインを提案し、多くのお客様に喜ばれている。
※写真 吉田 純子
オーダージュエリーを中心に、オリジナルのジュエリーやサンキャッチャー(※1)などを制作・販売するギーダリーワークス。ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)は2年目。昨年度は既存の2つのWebサイトの内容と構成を整理して改修。そして今年度、ワークショップなどの情報発信でブランド力の強化に取り組んでいる。(※1)太陽光を透過・屈折させて虹色模様を生み出すインテリア雑貨
■本事業に申し込んだ背景■
デジタル施策の客観的アドバイスを求めて
サンスクリット語で山の神様の名前である「ギーダリー」というブランド名で、ジュエリーやサンキャッチャーなどの制作・販売とワークショップを開催しています。以前、お客様から形見のジュエリーのリメイクを依頼され、その事例をブログに掲載したところ大きな反響を呼び、現在はリメイクやルース持ち込みのオーダージュエリーが事業のメインとなっています。オーダージュエリーの受注はWebサイト経由が大半で、オリジナル作品の販路はイベント出展やPinkoiなどのECサイトが主です。
デジタルマーケティングにおいては、2つのWebサイト、InstagramなどのSNSを全て一人で運用しています。運用方法が正しいのか、専門家のアドバイスを求めて、2023年度にハンズオン支援を申し込みました。1年目は、オーダージュエリーとオリジナル作品の2つに分かれているサイトについて、それぞれの内容(作品・活動)をどのように最適化していくかを中心にご相談させていただきました。
サンキャッチャーは窓辺にかけて室内に太陽光を取り込み楽しむインテリア雑貨。40~50代女性をメインターゲットとしているが、お客様には20〜30代女性も多い。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
作家性の訴求と販路拡大を目指して
今年度は、Web上でジュエリーのオリジナリティを前面に打ち出す方法について相談しました。アドバイザーからは、製品デザインだけでなく「アーティスト吉田純子」をアピールするよう助言がありました。小規模事業者だからこそ、商品よりも自分のファンを作ることが重要であるとのことです。作品の販路については、まだ市場に出せていないストックが数多くあるので、LINE公式アカウントの活用や「BASE」でのECサイト開設、公社主催の展示会「東京くらしのフェスティバル2024」への出展などを提案いただきました。
アドバイザーとの会話から気づきを得て即行動
アドバイザーからGA4(Googleアナリティクス4)等のツールの使い方を学び、自分でアクセス解析ができるようになりました。Webサイトを分析したところ、これまでSEO対策は特に行っていませんでしたが、検索からの流入が多く、<ジュエリー制作>では検索順位1位でした。サイト内の回遊率も高く、特に大切なジュエリーを預けるオーダーやリメイクについて問い合わせする方は、作品事例や経歴紹介など隅々までサイトをご覧になっていることが可視化されました。ブログや事例紹介などコンテンツSEOの重要性が、アクセス解析ツールの活用によって明確化されたことは非常に大きかったです。
一方で、アドバイザーからWebサイトの問い合わせへの導線が分かりにくいとの指摘を受け、サイトのテンプレートを変更しました。結果はすぐに現れ、問い合わせ数は徐々に向上していきました。
■具体的な販路開拓への取り組み■
展示会出展の効果を最大化する取り組みと思わぬ収穫
展示会出展の準備として、まずはWebサイトに出展の告知ページと法人用の問い合わせページを追加しました。さらに、会場でのPR用にブランディング動画とパンフレット、商品紹介パネルも制作。アドバイザーとの協議の過程で、曖昧だったブランドコンセプトを明確化できたのも成果の一つです。
展示会にはジュエリーとサンキャッチャーの作品を出展しましたが、多くの方がサンキャッチャーのワークショップに興味を示され、その需要の高さに驚き、これは大きな気づきとなりました。
ジュエリーのリメイクやワークショップはお客様からの要望でスタートした。現在アドバイザーとは、需要があるワークショップの具体的な情報発信方法、また来年度に向けた戦略を練っている。
■支援の感想と今後の展望■
ワークショップを通じたブランド認知の向上
展示会をきっかけにワークショップ講師のお話をいただきました。ワークショップについては他にも進行中の商談が複数件あります。これまでアトリエや近隣のカフェにて小規模なワークショップは行っていましたが、本格的な事業としては考えていませんでした。今後は規模や回数の拡大、オンライン開催も検討し、さらにECサイトでのキット販売も拡大していく予定です。
2025年2月に開催予定のワークショップに向けて、サイトやSNSでの事前告知を含め、動画制作にも注力していきます。特にサンキャッチャーの光の美しさを伝えるには動画での訴求が効果的です。ワークショップの様子を撮影し、InstagramやYouTubeで発信することも考えています。
一人では得られなかった新たな視点
アドバイザーからデジタルマーケティングに関する様々な知識を習得し、実践では作品の直接の販売促進や情報発信だけではなく、ワークショップを活用したブランド力強化の提案をいただきました。「アーティストとしての自分の価値を高める」という新たな道筋を示してくれたアドバイザーには本当に感謝しています。
「持ち前の行動力でデジタル施策を即実行 今後はブランディングがポイント」
吉田さんはエネルギッシュで発想力と行動力に溢れた方です。Webサイトの導線改善やBASEでのECサイト開設など、提案したことをお一人で即実行するので驚きました。今後は外部活用などを検討して、デジタルマーケティングの効率化を図ってほしいと思います。ジュエリーのデザインと制作に集中し、ワークショップで売上と周知の基盤を固め、「アーティスト吉田純子」の価値を高めることが、さらなる飛躍につながると考えています。
※本記事は、2024年12月時点の情報です。
企業情報
企業名 | ギーダリーワークス |
所在地 | 東京都八王子市散田町1-1-1 |
事業内容 | ジュエリー・サンキャッチャー・アート作品の製造・販売/ワークショップの企画運営 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。