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小売業

昨年度実施したクラウドファンディングは成功 今年度はBtoB販路拡大に向けたWeb施策の実施 コーポレートサイトのブラッシュアップにも取り組む

2025/01/06

株式会社HANA

営業部を統括する小泉さんと百瀬社長との出会いは大学時代。お互いに「何を考えているかがすぐに分かる」と話す小泉さん。新規顧客開拓と並行してWebサイト制作におけるデザインやコーディングも担当している。

※写真 営業部 部長 小泉 堯史

ネイルやサウナ用品をはじめ日用雑貨の開発・販売を手がける株式会社HANA。現在はECでの小売がメインだが、卸売の売上構成比率の向上を目指してデジタルマーケティングに取り組んでいる。支援2年目にあたる2024年度はコーポレートサイトを刷新し、LP(ランディングページ)も2種類を制作。次のステップとしてWeb広告からの流入増加を目指している。

■本事業に申し込んだ背景■

卸売事業のさらなる拡大を目指す

当社は創業時から育んできた良質な中国工場との連携を強みに、ネイルや理美容関連商品、サウナ用品などの自社開発・OEM製造を行うとともに、小売・卸販売も展開しています。売上の8割はBtoCの小売EC事業で、販路は楽天やAmazon、自社ECサイトなどです。近年はBtoBの卸売も増えてきましたが、展示会をきっかけとする引き合いが中心で積極的にアプローチするノウハウが不足していました。そこでBtoBの販路拡大にデジタルマーケティングを活用しようと考え、2023年度から公社のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を受けています。

昨年度はクラウドファンディングでノウハウを蓄積

昨年度はSWOT分析を手始めに、BtoB販路拡大に不可欠のコーポレートサイト制作に取り組みましたが、並行して進めたBtoCの新製品開発とクラウドファンディングに注力したため、サイト制作は思ったほど進められませんでした。クラウドファンディングのノウハウやマーケティングデータ、プレスリリースでの発信については大きな収穫が得られたので、今年度はBtoB販路開拓のためのコーポレートサイト制作に本腰を入れたいと考え、継続支援を申請しました。

ブランドコンセプト画面

昨年度実施したサウナバッグのクラウドファンディングでは目標金額を大幅に超えることができた。その成果を展示会で紹介したところ、企業からの引き合いも多数あったという。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

ターゲットと訴求ポイントの絞り込み

コーポレートサイトは最低限の内容で制作しましたが、ターゲット設定が不明瞭で、事業内容や強みが伝わりにくい内容でした。2024年度は支援開始の5月末からサイト改修に着手し、コンセプトや方向性をアドバイザーと一緒に考え、8月末に完成しました。
加えて、アドバイザーと協議し、不明瞭だったターゲットの絞り込みや訴求ポイントの整理を行うためのテストマーケティング施策として、Web広告に挑戦し、あわせてLP(ランディングページ)も制作することに決めました。LPはネイル用品とサウナ用品の2種類に絞り込んで制作し、ユーザーの属性やユーザーニーズなどを分析する狙いです。

■具体的な販路開拓への取り組み■

BtoB販路拡大に向けたサイトの刷新とLPの新設

コーポレートサイトは、事業内容やサービスを分かりやすく明確化したことで、法人としての信頼性が増したと感じています。続いてLPですが、ネイル用品のLPはスクールやサロンオーナー、これから開業する方をターゲットに想定、サウナ用品のLPは二次問屋やサウナ施設、オリジナルグッズを出したいメーカーなどをターゲットにして制作しました。

Web広告やコンテンツ制作も計画中

現在はWeb広告の出稿準備を進めています。広告出稿の後は、オーガニック検索からの流入を増やすために新規コンテンツも制作する予定です。Instagramで発信している内容をもとにオウンドメディアとして育てていきたいのですが、アドバイザーからは「コンテンツマーケティングは検証と改善の繰り返し」との助言を受けており、GA4(Googleアナリティクス4)などでしっかりデータを検証しながら進めていく予定です。

アドバイザーは時に厳しい「宿題」を出すが、すべて目標達成に必要なこと。「真剣に取り組めば効果が出るので、一夜漬けでもやるしかない」と笑う小泉さん。現在はコーポレートサイトのブラッシュアップやWeb広告などに取り組んでいる。

小泉部長と坂本アドバイザー

■支援の感想と今後の展望■

納得感のある施策が取り組みを後押し

社内のスタッフだけで施策の運用を協議していると、短期的な売上に直結するECサイトにばかり手をかけてしまいます。現在ECサイトは事業の柱ですが、競合が多く、特に大手ECモールで生き残っていくためにはトレンドを常にキャッチアップしていく必要があり、将来性は不透明です。アドバイザーと話し合い、「会社成長のポイントになるのはBtoBの販路拡大で、目標達成のためにはさらにデジタル施策を推進していくことが必要」という結論になりました。アドバイザーの、当社が抱える課題に合わせた適切な施策の提案によって道筋が見えてきました。そして、実施したのがコーポレートサイトの改修とLP制作です。

売上倍増と卸販売比率向上を目指す

支援終了までの目標は「Web広告運用による受注獲得」です。具体的には「Web広告を用いたテストマーケティングによりターゲットを明確にする施策」を行い、反応を見ながら改善を図って受注獲得につなげます。デジタルマーケティングにより、BtoB事業の売上比率を、2025年度中に40%まで引き上げる目標を掲げています。EC販売に関しても、楽天やAmazonなどの大手モールから自社ECへの移行を進め、直接発注してくださるお客様を増やしていきたいと考えています。

「難しい仕事に挑戦する姿勢と意思決定、行動の早さが強み」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 坂本 義和

BtoBの新しい販路をほとんどゼロから開拓するという、中小企業にとって難しい目標に挑戦しています。少人数の組織で人手も時間も足りないなか、高い熱量を持ってデジタル施策に取り組む姿勢が印象的です。知識の吸収と意思決定、行動が早く、今年度のハンズオン支援はスタートから5カ月ほどですが、すでに効果も出始めています。今後は支援が終わった後を見据え、自社で効率的・継続的にPDCAを回していける体制づくりを一緒に整えていきます。

※本記事は、2024年11月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社HANA
所在地東京都板橋区大和町23-4-802
設立1998年7月
事業内容ネイル商品・理髪用品・日用雑貨等のEC運営、BtoBの卸売業
資本金500万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。